プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★山寺道中記

2008-07-13 09:57:46 | 旅行記

003 梅雨の合間を縫って、山寺を訪ねた。”閑さや 岩にしみ入る せみの声”の句が詠まれた時節を体感したく、敢えてこの時節を選んだ。010_2 松尾芭蕉が門弟の曽良を従え、奥の細道を辿り、元禄2年(1689年)5月27日(現7月13日)にこの句を詠んだとの記録が残っている。030

山寺は、正式には宝珠山立石寺といい、860年慈覚大師により開基された霊場だが、山全体が修行の場らしい雰囲気に包まれている。奥の院まで800数十段の石段を踏みしめて登るうちに、噴き出す汗と疲労感で煩悩が抜け出し、身も心も浄化されていくような不思議な錯覚に陥る。046

岩場にへばり付くように建つ釈迦堂や胎内堂へは、修行者以外の登山が禁止されているが、その急峻な山容からして修行の厳しさが伝わってきた。058 開山堂(右)と納経堂が並ぶ横手を上ると山寺随一の展望台にあたる五大堂がある。056 眼下に広がる景色を見ただけでも、山寺が奥深い山中にある霊場だということが分かる。059 行き交う人影も少なく、全山に漂う静寂と厳粛さに圧倒され下山する途中、ひときわ鮮やかなアジサイの花にハッと我にかえった。川沿いにある対面石に手を合わせ山寺を後にした。