毎年、梅雨時には除湿機を引っ張り出すのだが、今年は一度もお世話になることなく梅雨があけた。同時に、日差しが一段と強まり、空の青と雲の白さが目にまぶしく映じるようになってきた。
連日の真夏日に耐えきれず、昨日、近郊の温泉へ日帰り入浴に出掛けた。脱衣所で2年ぶりに出会った先輩の変わり果てた姿に目を疑った。「去年、喉頭がんの手術をしてね」との言葉も弱々しく、両目のふちが紅く腫れぼったい。「退院したと思ったら、今度は膠原病に罹って」との説明にようやく納得。
彼は、中学・高校と私の一級先輩だが、社会人野球で活躍したNTT北陸の名捕手で都市対抗の出場経験も持つ猛者だった。同じジムで一緒に汗を流したこともあり、いずれ一緒にマラソンを走る約束を交わしたものだったが、まさかこんな形で再会するとは思わなかった。
家に閉じこもっていると精神的にも滅入るので、今春から週4日程、知り合いの会社で軽作業に従事していると話す言葉に力みはなかった。現在の境遇を率直に受け入れ、精一杯の努力を惜しまない姿に、胸打たれた。病を理由にチャレンジを避け続けてきた自分が恥ずかしくもあった。65歳からの再挑戦の目標を近日中に設定したいと気合いを入れ直した。