いまさら

2011-11-12 12:33:17 | 日常

いまさらこんなコラム掲載しても...遅い!

東京新聞 筆洗(2011年11月12日)
 いわゆる「巌流島の決闘」に宮本武蔵は遅刻した。佐々木
小次郎を焦(じ)らすためだったということになっている▼
つまり、決闘は二人が面と向かった時ではなく、もっと前に
始まっていたということ。遅れて登場することで、武蔵が、
いつ勝負を始めるか、のタイミングを支配した。小次郎は、
鞘(さや)を 投げ捨てる前、既にこの時点で「敗れたり」
だったのかもしれぬ▼さて、予定より一日遅れはしたが、
首相は、結局、昨日、環太平洋連携協定(TPP)交渉への
参加を表明した。根強い慎重論を押し切り、バタバタと決断
に至ったのは、十二日からのアジア太平洋経済協力会議
(APEC)首脳会議に間に合わせるよう、米国にさんざん
せっつかれ、脅されたゆえらしい▼いわば日本の参加決断と
いう“勝負開始”のタイミングを米国に支配されたのである。
政府はこの大問題 をじっくり考える時間さえ確保できなか
った。協議のテーブルにつく前に、既に交渉に負けている▼
慎重論の核心は「交渉でどんな約束をさせられるかはっきり
しない」ということ。賛成派は「交渉に入らねば中身も分か
らぬ」という。ならば、せめて、内容次第では交渉を離脱する
と明言すべきだが、政府は米国に気兼 ねして曖昧なことしか
言わぬ▼勝つのはおろか逃げるのも覚束(おぼつか)ない…。
さて、こんな頼りない交渉に、国の命運をかけてよいものか。


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コロ子(小さな声で上品に)吠える

2011-11-12 11:47:05 | 日常

毎日新聞の社説「TPP参加表明 日本が協議リードせよ」
には笑いがこみ上げて来た。

毎日新聞 2011年11月12日 2時30分

 反対論が渦巻くなか、野田佳彦首相が環太平洋パート
ナーシップ協定(TPP)の参加に向け関係国と協議に
入る考えを表明した。少子高齢化が進み経済活力を失った
日本は、何としてもアジア太平洋地域の成長力をわがもの
とする必要がある。TPPはそのための有力な手段だ。首相
の決断を評価したい。

コロ子 日本経済が活力を失ったのは少子高齢化のせい
だけかい?

 国を二分する激論も当然だ。関税の原則撤廃などハードル
が高いうえに、交渉分野は21にものぼる。農協が「日本農業
が壊滅する」と強く反発。医師会も「健康保険制度が崩壊
する」と反対に回った。

 ◇大きな消費者利益

 しかし、貿易自由化による消費者利益は生産者のマイナスを
上回る。多くの経済学者の一致した見解だ。ただ、その利益は
薄く広い。一方、被害は局所的だが具体的だ。反対論が広がっ
た理由だろう。

コロ子 「消費者利益は生産者のマイナスを上回る」「被害が
局所的」と言うなら、根拠を示せ!

 その典型がコメ。食糧安全保障とからんで懸念が集中した。
だが、TPPに参加しなければ日本の米作は再生できるのか。先
の多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)の代償措置として、
約6兆円もの巨額の補助金が支出されたが、衰退は止まって
いない。減反で埼玉県に匹敵する広さの耕作放棄地が生まれた。
食糧安保に反する事態だ。

コロ子 新聞だって再販制度(特殊指定)で保護されているのに、
発行部数が減り続けるという「衰退は止まって」いません。

 TPPで米価が下落しても、戸別所得補償をばらまきから農地
集約の方向に転換すれば、日本のコメ農家は保護できる。競争
力が強化され本格的なコメ輸出も展望できる。

コロ子 東京電力福島第一原子力発電所で大事故が起きている
のに、海外で日本産のお米が売れると思っているのかしら。

 また、米国は豪州産の砂糖を輸入自由化の例外としており、
TPPでも譲る気配がない。日本も国益と判断すれば、あらゆる
ものを自由化の例外に留保する権利がある。交渉する前から
カゲにおびえず、主張すべきは主張すればよいのだ。

コロ子 内弁慶な日本の官僚にできるかな?

 TPPへの反対論がここまで勢いをえたのは、米国への不信と
恐怖心があったからだろう。確かに米国はこれまでさまざまの
機会をとらえ、米国産品の市場参入を求め各国政府に注文を
つけてきた。

 例えば健康保険の制約で米国の医薬品が売れないとか、たばこ
の箱のデザインが害毒を強調しすぎているのが貿易障壁だとか、
安全と認定された遺伝子組み換え食品ならば、遺伝子組み換え
食品であるとの表示は不要、などと要求した例がある。

 米国がTPPでこうした要求をしてこないとは言い切れない。
だが、不都合ならば拒否すればよいだけの話だ。対米警戒感は
TPP参加国に共通している。ニュージーランドや豪州では、米国
の医薬品業界の圧力に屈して健康保険制度を改悪することは
ありえない、と国民に向け政府が声明している。TPPは2国間協議
でなく多国間協議だから共闘が可能である。米国も勝手なことが
できない。大きなメリットだ。

コロ子 「拒否できない日本」って本なかったっけ。日本が
ニュージーランドや豪州と共闘? 冗談はよし子ちゃん。 

 投資分野では、進出企業が投資先政府の措置で損害を受けた
場合、仲裁機関に訴えることができる投資家対国家紛争処理
条項(ISDS)が各国で問題になっている。

コロ子 日本政府は鴨にされ、キャッシュディスペンサーと
呼ばれるようになりますよ。きっと。

 日本はこれまで経済連携協定(EPA)でこの条項を入れる
ように努めてきた。日本企業の海外進出は拡大する一方で
あり、途上国に対しては投資保護に不可欠という位置づけだ。
ところが、TPPにからんでは「治外法権」などと論難する声
が強かった。的外れではないか。

コロ子 いちやくしん睦奥宗光。毎日新聞は治外法権の
屈辱的な時代を忘れたようだ。

 ◇自信失った日本人

 貿易立国を国是とするはずの日本で、TPPへの反対がこれ
だけ支持を集めたのはなぜだったのだろう。いわゆる「失わ
れた20年」を経験する中で、日本人は自信を失い、競争を
おそれるようになったようだ。その意味は重い。しかし、
停滞を脱するには打って出るしかない。

コロ子 「自信を失い、競争をおそれるようになった」と
いうのはどうかなぁ。競争して生産性を高めても,円高で
一夜にして吹き飛ぶ。円高誘導してる国、どの国か
わかってるでしょ。

 かつて欧州から焼酎が目の敵にされた。酒税がウイスキー
は半減、焼酎は3倍になって存立の危機をむかえたが、焼酎
業界は品質の向上、ブランド化で需要を喚起し、滅びる
どころか売り上げを急増させた。競争から逃げていたら焼酎
業界の発展はなかった。

コロ子 コニャックは好きだけど、英国のウイスキーは
口にあわないもん。焼酎の勝ち。むしろウイスキーは
高価で高級感を漂わせていた時代の方が人気があったじゃん。

 アジア太平洋地域は世界の成長センターであり、日本の
未来はこの地域にかかっている。地域全体をカバーするアジア
太平洋自由貿易圏(FTAPP)を早くつくりたい。この大枠
の戦略で、日本は米国と利害をともにする。TPPを拡大して
FTAPPに育て上げるねらいだ。とりわけ中国の取りこみが、
TPPの大きな目標である。

コロ子 中国入るかなぁ?

 一方で中国は中国主導の経済秩序作りを構想している。
アジア太平洋地域の経済統合がTPPで行われるか、中国主導
で進むかの競争が始まっている。日本のTPPへの参加は日米
同盟から自然なだけでなく、市場の透明性、公平性を重視
する国として当然の選択であろう。

コロ子 「毎日」さんの選択でしょ。押しつけないで。

 日本はTPPだけでなく中国が呼びかけている日中韓の自由
貿易協定構想にも積極的に参加すればよい。日本がTPPへの
参加を示唆しただけで中国や欧州が自由貿易協定(FTA)を
打診してきた。TPPは日本の交渉力を非常に高めている。

 TPPは日本再生の魔法のツエではないが、日本を陥れよう
とするワナでもない。農業再生を力強く進めつつ、TPPに
積極参加し、日本の国益を実現するため、その交渉をリード
していこう。

コロ子 リードできるわけないこと、国民は知ってます。



 


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