いつもありがとうございます
神谷和宏http://www.katch.ne.jp/~k-kami/です。
あなたの部下が、
あなたから見てとんでもない言動をしているとき、
あなたはすぐにでも止めさせたくなるかもしれません。
そんなときにちょっと立ち止まって、
「その言動には、どのような意味づけがあるのだろうか」と
考えてみることはできますか?
緊急な場面では、もちろん難しいでしょう。
しかし、部下を育成するという役割から見ると、
このような見方をすることはとても大事です。
「すべての言動には、肯定的な意味づけがある」のです。
ちょっと自分自身のことを振り返ってみてください。
客観的に見るとあまり効果的と思えないような言動であっても、
そのときのあなたにとってはそれがベストに思えた、
というようなことはありませんか?
実際、そのときのその人にとっては
何らかの肯定的な意味づけがなされているのです。
肯定的な意味づけとはどのようなものでしょうか?
それは、
成果を創ること、前進すること、正しい方向に変革すること、
承認を得ること、自分の立場を守ること、
自分の正しさを立証すること、などを含みます。
そのときのその人にとって、
ブラスに働くと考えられる言動を選択します。
そこで、効果的ではないと思われる部下の言動であっても、
そこに含まれる肯定的な意味づけを引き出し、
明白なものにしてください。
部下は肯定的な意味づけを持って、
ある言動を選択したのです。
そしてあなたは、部下の肯定的な意味づけを承認するのです。
それでは、もしもあなたから見て、
部下の意味づけが誤ったものであると思ったときには
どうしたらよいでしょうか?
意味づけそのものが否定されると、人は力を削がれていきます。
自分の存在や能力を否定されたような体験をしてしまいます。
ですから注意深く、
部下の意味づけが部下にとって肯定的な内容であることを
認めるのです。
そして、意味づけと言動を区別して考えます。
そうすれば、
「なるほど、そういうことに役立つと思ったんだね。
分かったよ。ところで、違うやり方もあるんじゃないかな。
一緒に考えてみないか」と、話しかけることができます。