卒後臨床研修制度が改正されて、医学部卒業後の人の流れが、従来と比べて、大きく変わりました。
新臨床研修制度に移行してから2年3ヶ月が経過し、すでに3回のマッチングが実施されました。今回は4回目のマッチングで、多くの病院で医学部6年生に対する採用試験が行われる時期になりました。また、2年間の初期臨床研修を修了した者達に対して、後期研修医の募集が行われています。後期研修医の募集は今回で2回目となります。
初期臨床研修でも、後期臨床研修でも、一部の都会の有名病院に人気が集中する傾向がはっきりしてきました。地方の大学病院や一般病院などでは、なかなか人を集めることができず、募集定員を大幅に割り込んでいるところが多い一方で、都会の人気病院では募集定員の何十倍もの応募があると聞いています。
そのため、地方では、大学病院でも一般病院でも、多くの科が深刻な医師不足に陥っており、地域医療崩壊の危機に直面しているのが現状です。
とにかく、突然、世の中の制度が大きく変わってしまい、今後はこの制度の下で皆やってゆくしかありません。従来通りにやっていたんでは、もうこの先どうにもやっていけなくなるのは明らかで、この新しい制度の下で、何とか工夫して、地域の医療を継続・発展させていくように努力してゆくしかありません。
地方の病院にとっては、研修医達に十分に満足してもらえるような研修・指導体制を整備することが、現在の最重要課題だと考えています。大学病院と関連病院が連携して、地方にあっても十分に魅力のある研修環境を整備していく必要があります。