妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対しての新型インフルエンザ(H1N1)感染に対する対応Q&A (一般の方対象) 、日本産科婦人科学会
新型インフルエンザ(H1N1)感染妊婦に関する最新情報、日本産科婦人科学会
****** 朝日新聞、2009年8月19日
厚労相、新型インフル「流行本格化」
対策実践呼びかけ
新型インフルエンザの感染者が全国的に急増している情勢を受け、舛添厚生労働相は19日午前、記者会見し、「本格的な流行が始まったと考えていい」と話した。そのうえで、このまま感染が拡大すれば医療機関で重症者対応ができなくなるとして、「感染の拡大防止には一人ひとりが対策を実践することにつきる」と呼びかけた。同日には名古屋市の80代女性が新型インフルエンザで亡くなり、国内の死者は3人となった。
舛添氏は、流行の本格化は秋以降としていた従来の予想に反し、真夏でも感染が拡大していることについて、「私も予想できなかったことだ」と説明。「夏休み中なのに増えている。9月になって学校が再開されると感染が急激に拡大する危険性があると思う」と述べ、医療機関の負担増大に懸念を表明した。
また、「病原性が低いということで、皆さんも忘れてしまっている」と「国民全体の慢心」が感染拡大の原因にもなっていると指摘した。舛添氏は「新しいウイルスへの警戒を解いてはいけない。感染は自分が止める、という気持ちが大事だ」と話し、手洗いやうがいの励行などを呼びかけた。
新型インフルでは、慢性呼吸器疾患や慢性心疾患などの基礎疾患がある患者や、妊婦、乳幼児が感染すると重症化する危険性が高いとされる。舛添氏はこうした人たちに対して、「早期の受診、治療を心がけて欲しい」と語った。厚労省は今後、重症化した事例の概要を説明した症例集を作成し、各地の医療機関に配布する予定。
国立感染症研究所によると、全国約5千カ所の医療機関からの報告では、最新の1週間(8月3~9日)に受診した1医療機関あたりの患者数は0.99人で、流行開始の目安の「1人」に限りなく近づいた。地域別では沖縄が20.36と突出しているほか、奈良1.85、大阪1.80などとなっている。この1週間に医療機関を受診した全国の患者数は6万人と推計されている。 【野瀬輝彦】
(朝日新聞、2009年8月19日)
****** 読売新聞、2009年8月19日
新型インフル「本格流行」へ
厚労相、感染拡大で緊急表明
舛添厚生労働相は19日、感染の拡大が続き、死者が相次ぐ新型インフルエンザについて、緊急の記者会見を開き、「本格的な流行が既に始まったと考えていい」と語り、秋以降に懸念される大流行に備えた感染予防の徹底を呼びかけた。
国立感染症研究所のまとめによると、3~9日に全国約5000医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は1医療機関あたり平均0・99人と、流行入りの指標となる「1医療機関あたり1人」に迫る勢い。ほとんどが新型インフルエンザ患者とみられ、学校の夏休みが明けると、感染者が急増する可能性が高い。
舛添厚労相は「ここまで拡大することは予想していなかった」と述べたうえで、今春の発生時に比べて国民の関心が低下したとの懸念を表明。「見えないリスク、新しいウイルスへの警戒を解いてはいけない」と訴えた。国民に対し、症状が出た場合のマスク着用など、感染拡大防止への協力も求めた。
重症患者や死亡者が増えると、医療機関の混乱も予想されるため、重症例の症例集を作り医療機関に配布することを明らかにした。感染予防に効果が期待されるワクチンについては、5300万人分を準備する意向を改めて強調。優先接種の対象者を早急に検討する方針を示した。
(読売新聞、2009年8月19日)
****** 読売新聞、2009年8月19日
秋以降大流行の兆し、患者推計6万人
新型インフルエンザの感染が流行期のように拡大し秋以降に懸念される大流行の兆しがすでに見られることが18日、国立感染症研究所の調査で分かった。
9日までの1週間で、全国約5000の医療機関の平均インフルエンザ患者数は、流行指標となる「1人」に相当する0・99人。全国推計6万人とされる患者のほとんどが新型の感染者とみられる。
感染研によると、夏場のインフルエンザの流行は、調査を開始した1987年以来、例がない。5000医療機関を3~9日に受診した患者数は4630人で、前週(7月27日~8月2日)の2655人(1医療機関あたり0・56人)の約1・7倍に上った。
都道府県別にみると、流行入りしたのは6都府県で、15日に死者が出た沖縄が突出しており、1医療機関当たり20・36人。次いで奈良(1・85人)、大阪(1・80人)、東京(1・68人)、長崎(1・50人)、長野(1・44人)の順。
(読売新聞、2009年8月19日)
****** 毎日新聞、2009年8月19日
新型インフルエンザ:「本格流行」
厚労相、感染防止呼び掛け
新型インフルエンザの国内感染拡大を受けて、舛添要一厚生労働相は19日、緊急に記者会見し、「国民の一人一人が、感染は自分が止めるという気持ちをもって、今後の流行期を乗り越えていけるよう協力をお願いしたい」と、感染防止対策の徹底を訴えた。
国内のインフルエンザ患者数は7月後半から増加傾向に転じ、今月3~9日の定点医療機関からの報告が1施設当たり0・99と、流行の水準である「1」に近付いている。
舛添厚労相は「夏場にここまで広がるのは予想できなかった」と述べ、「第1波の本格的な流行が既に始まっていると考えてよく、学校が再開されると、さらに感染が急激に拡大する恐れがある」との認識を示した。
医療機関の負担が増して重症患者への対応に支障が出ないように、感染の拡大を遅らせ、急激な患者数増加を抑制する必要性を強調。特にせきなどの症状がある場合のマスク着用や外出自粛など、他人に感染させない対策を徹底するよう求めた。【清水健二】
(毎日新聞、2009年8月19日)
****** NHKニュース、2009年8月19日
国内感染 1週間で推計6万人
新型インフルエンザは、国内の患者数が8月9日までの1週間だけで6万人に達したと推計され、通常の季節性のインフルエンザの指標では、ほぼ全国的な流行に入ったことになります。
全国のおよそ4800の医療機関から国立感染症研究所に報告されるインフルエンザの患者の数は、今月9日までの1週間に4630人と、前の週と比べておよそ2000人増えました。国立感染症研究所によりますと、報告されている患者のほとんどが新型インフルエンザとみられ、これをもとに全国の医療機関を受診した新型インフルエンザの患者を推計すると、この1週間だけで6万人になるということです。この調査では、1つの医療機関あたりの平均の患者数が1人を超えると、全国的な流行に入ったとされますが、今回の報告では0.99人とほぼ全国的な流行に達していることがわかりました。医療機関あたりの平均の患者数を都道府県別にみてみますと、先週、国内で初めて死者が出た沖縄県が最も多く20.36人、次いで奈良県の1.85人、大阪府の1.80人、東京都の1.68人、長崎県の1.50人、長野県の1.44人、三重県の0.99人などとなっています。
(NHKニュース、2009年8月19日)
****** 産経新聞、2009年8月19日
新型インフル 夏なのに患者急増、
傾向と対策は?
全国で患者が急増している新型インフルエンザ。通常のインフルエンザは1~2月に流行のピークを迎え、夏には患者が少なくなる。ところが、新型についてはほとんどの人が免疫を持っていない上、感染力が強く、真夏に入ってからも感染が止まらない。夏休みが終わり、子供たちが学校の集団生活に戻る9月以降に感染が急激に拡大する恐れがあり、厚労省は警戒を強めている。新型インフルの「傾向と対策」は…。
【Q】最近になって死者が相次いでいるのはなぜ?
【A】国立感染症研究所の推計では、9日までの1週間で約6万人がインフルエンザに感染している。今後、新型の感染地域が広がれば、それに伴って、感染者が増え、死亡する人も増加するとみられる。ただ、季節性インフルでも毎年約1千万人が感染し、約1万人が死亡するといわれており、致死率は0・1%。ウイルスそのものの毒性が強まったわけではないとの見方が主流で、必要以上に怖がる必要はない。
【Q】感染した場合、どのような人が重症化するリスクが高いの?
【A】糖尿病、ぜんそく、人工透析を受けている患者など持病のある人や、妊婦、乳幼児については新型に感染すると重症化の恐れがあると医療関係者は警戒していた。新型で亡くなった3人も心臓や肺、腎臓に持病があった。持病があると重症化しやすいのは、病気を防ぐ免疫力が落ちるためだ。6歳以下の乳幼児はインフルエンザ脳症の合併症を発症することがあるため注意が必要だ。
【Q】感染を予防するワクチンの供給体制はどうなっているの?
【A】国内のワクチンメーカー4社が現在、製造にあたっているが、市場投入は10月以降になる見通し。9月に大規模な流行となった場合、ワクチンの供給が間に合わない。厚労省は製造のための時間を稼ぐため、感染拡大防止策を徹底し、少しでも流行の時期を遅らせようとしている。
厚労省は5300万人分のワクチンが必要との見解を示しているが、4社が12月末までに製造できるのは1400万~1700万人分。来年2月まで生産し続けた場合でも3千万人分が限界とされている。このため、不足した分は海外からの輸入も検討している。
【Q】新型の流行は今後どうなるの?
【A】9月に学校が再開されてから、流行のピークを迎えることが考えられる。通常、インフルエンザウイルスは湿度や高温に弱いとされるが、新型は夏にも感染が拡大しており、流行規模がどの程度にまで達するのかは不明だ。
【Q】新型の予防策は?
【A】手洗い、うがいの徹底だ。ウイルス感染の可能性があるドアノブやつり革などを触った後も手洗いをする習慣を家族ぐるみで身につけることが重要。部屋が乾燥している場合は湿度を50~60%ぐらいに加湿すると感染しにくくなる。
少しでも咳(せき)が出る人はマスクを着用し、咳エチケットを心がけたい。マスクを着けていないときに咳が出はじめたら、人のいない方を向き、タオルやティッシュなどで口を覆って咳をする。間に合わず、手で口を覆って咳をした場合は、すぐに手を洗う。
【Q】院内感染を防ぐ対策は?
【A】厚労省は医療機関に対し、熱のある患者と一般の患者の入り口を分けたり、待合室を分けるなどの措置を呼びかけている。医療従事者はマスクや手袋をして患者の治療にあたることになっている。通院患者や見舞客もマスクをするなど注意が必要だ。
(産経新聞、2009年8月19日)