医師の総数は毎年着実に増えているにもかかわらず、医療現場の医師不足は年々深刻化しています。特に、外科医や産婦人科医の数は年々着実に減り続けています。今後の対策として医師の総数を単純に増やすだけでは、問題は決して解決しません。
(2009.8.17付けの産経ニュースより)
夜昼かまわず必死で頑張ってきた急性期病院の勤務医達が、過酷な労働環境に耐えられなくなり、「もうこれ以上頑張れない、もはや力尽きた」という極限状態まで追い詰められ、働き盛りの年代の勤務医達が相次いで戦線離脱しています。
開業の先生方が診ていた患者さんが急変した時に、時間外でもとにかく送り込んでしまえば、何とか対応してくれていた急性期病院の機能が縮小し続けています。
いくら医師の総数が増えたとしても、急性期の患者さんを送り出す側の医師ばかりが増えて、受け入れる側の医師が今後も減り続けるようでは、医療崩壊はこれからもますます進行していくことでしょう。これは特定の地方に限られた問題ではなく、全国各地の住民が困窮している問題です。もはや、個々の病院や自治体の取り組みで解決できる問題ではありません。国が本腰を入れて、この問題に取り組む必要があると思います。