延々と水を浴びせ続けて
愛の火をすべて消してしまった
馬鹿が
すべてを失って
水浸しの平原の真ん中で
自分への愛の火を
必死でかきたてようとしている
傷ついた鳥の振りをし
どんなに自分がつらいか
どんなに苦しいかと叫び
馬鹿だから
何もできない弱いやつだから
みんなでおれを助けてくれ
愛してくれと
わめき続けている
あらゆる暴虐をなし
万人の心を深く傷つけ
愛を侮辱しきっておきながら
平気で自分を愛してくれと言う馬鹿に
もう愛の世界は
吐き気をもよおしている
もう永遠に
おまえたちなど嫌だと
愛の世界が一斉に引いてゆく
馬鹿はすべての愛に見捨てられる
責任を負うのが嫌だと逃げたので
すべての馬鹿にも見捨てられる
愛の火の消えた
水浸しの平原の真ん中で
神に忘れられることに怯えながら
もう何をすることもできずに
馬鹿は独りぼっちで
永遠に立ち尽くす