月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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アークトゥルス・18

2016-05-16 04:22:12 | 詩集・瑠璃の籠

憂いとは潤いである

馬鹿は魂が乾ききっている
悲しむことができない
だから愚かなことを平気でやれる

影で激しく馬鹿にしている人間に
表向き笑顔を整え
伏してお願いたてまつる
などと言うことが
平気でできる

人間などそんなものだと高をくくり
背後で壊れていく自分の骨の音に
まったく気づかない

愛を馬鹿にしている者は
愛を頼ることができないという理屈を
平気の平左で飛び越えていく
何もない砂漠に
三分で森を作ってくれと
平気で頼む

悲しむことができないということは
魂が愛に飢えきったということである
欠乏を超えた虚無に落ちたのだ
それが常識となったとき
乾いた石のような自己存在ができる
次元の低い欲望を燃やし
動いているだけで
まるで心が見えないという
恐ろしい馬鹿になる

それは深淵に落ちるまでの短い間
地上に灯る幻の光である




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