憂いとは潤いである
馬鹿は魂が乾ききっている
悲しむことができない
だから愚かなことを平気でやれる
影で激しく馬鹿にしている人間に
表向き笑顔を整え
伏してお願いたてまつる
などと言うことが
平気でできる
人間などそんなものだと高をくくり
背後で壊れていく自分の骨の音に
まったく気づかない
愛を馬鹿にしている者は
愛を頼ることができないという理屈を
平気の平左で飛び越えていく
何もない砂漠に
三分で森を作ってくれと
平気で頼む
悲しむことができないということは
魂が愛に飢えきったということである
欠乏を超えた虚無に落ちたのだ
それが常識となったとき
乾いた石のような自己存在ができる
次元の低い欲望を燃やし
動いているだけで
まるで心が見えないという
恐ろしい馬鹿になる
それは深淵に落ちるまでの短い間
地上に灯る幻の光である