月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
コメントはゲスト・ルームにのみお書きください。

テッラ・10

2016-09-04 04:18:31 | 詩集・瑠璃の籠

黒焦げに焼けた
仮面をつけた馬鹿が
根のない高い木の枝で
首をつっている

天使が空から
黄昏の色をした
お弔いの花を投げる

青蛙たちが下から
呆然と見上げている

とうとう馬鹿が
こんなことになったと
木々がひそひそとささやきあう

最後まで愛してくれた愛を
消し炭になるまで焼いて
殺したからだと
蛇が目を閉じる

大地にはそろそろ
青い地球の花が咲き始める

とうとう終わった
もう二度と
あんな苦しいことはないだろうと
鳥がほっとためいきをつく




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする