人間は
最も愛しているものを
最も憎んだ
失っては絶対にいやだというものを
滅ぼそうとやっきになった
そしてすべてを失った
愛というものを
自分の中に巣くう
巨大な闇のように
感じていた
自分を突き動かすそのものの正体が
何なのかもわからないうちに
愛が嫌だと言って
自分が嫌だといって
世界を糞で満たした
世界中のすべての存在が
糞のように汚く
無意味なものであれば
自分が救われるのだ
なぜなら自分は
あまりにも馬鹿だから
あまりにも醜いから
小さいものの恐怖は
巨大な闇を生む
たった一粒の誤解が
すべてを破壊する
過ちとは
そういうものなのだ
怒りを鞘に納め
頭に熾火のようにうずき続ける
苦悩を捨て
神の軍門に下りなさい
すべては
自分が間違っていたからだと
あなたはもう
素直に認めなければいけない
そうしなければ
もはや二度とは帰れない
虚無の荒野に沈んでしまう
あなたは今
その崖っぷちに追い込まれているのだ