悪というものは
所詮は善に対する
大きな甘えだ
どんなに馬鹿なことをして
きついことになっても
最終的には必ず神が助けてくれると
馬鹿は思っているのだ
そんな甘い考えを頼りにして
やつらはあらゆる暴虐をやったのだ
だが
そのようにして人類世界を席巻した馬鹿が
実際に究極の罠にはまって
神に助けを求めたとき
もはや神は振り返らなかった
いやなことをした馬鹿どもが
助けてくれと叫ぶその一瞬前に
馬鹿は神が差し伸べられた救いの手に
大きく噛みついて深手を負わせていたからだ
いやらしいことばかりすると
そんなことになるのだよ
結局は自分で自分の救済の道を
閉ざしてしまうのだ
気が付いた時には誰もいない
自分以外の存在はみな
自分から離れてしまった
もはや自分以外に頼るものはいないのだが
馬鹿はその自分を
一番信用していないのだ
誰もいない影の平野で
馬鹿は一人取り残され
永遠に誰もいないところに向かって
自分を助けてくれと
叫び続けるのだ
馬鹿でも引っかからぬ
つまらぬ嘘をついて
神をだまし
自分を助けさせようと
同じことを繰り返し続ける
永遠に
その世界から
出ようとしない