遠い空の彼方から
愛があなたを訪ねてくる
厚く着込んだ嘘の衣を透き
本当のあなたが隠れている
小さなあばら家の戸をたたく
もしもし
誰かいませんか
贈り物を届けにきました
どうか受け取ってはくれませんか
あなたは返事もせず
訪問者が帰るのを待つ
嫌だからだ
嘘ばかりついている
こんな変な自分を
誰かに見られるのは
訪問者は
小さなため息をつき
それではまた来ますと言って
帰っていく
するとあなたは
あわてて戸を開けて
訪問者を探す
だが誰もいない
ただそこに
死んだ蝶の翅がひとひら
落ちているばかり