4CATS

この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

やっぱり山内マリコが好きだと思った。

2021-06-07 09:50:34 | 私の読書日記
上野動物園や葛西臨海水族館がおよそ半年ぶりにオープンしたり、とてもとても緊急事態継続中とは思えない日本です。

やってることが逐一謎すぎて、大人しくステイホームなんかしてバカらしいと思えてくる。

夫が休みの日は、ひたすら吉田類の酒場放浪記(女性版も!!)を見て過ごす。
最近は、ワンカップ大関を愛飲。これ、父親が遠出する電車の中とかで飲んでたよね〜。私はちびちびですが、あれ一本飲んだら、目的地に到着した時はすっかりいい感じ。きっと妻の実家に行くのに勢いが必要だったのかしら・・


しばらくずっと島尾敏雄の「死の棘」関連の本ばかり読んでいイライラしていたので、山内マリコさんの「選んだ孤独はよい孤独」を読んで心から息を吹き返したというか、島尾よ、これだよ、これ、作家ってもんは、ただひたすら長々とつまんない話を書き連ねればいいってもんじゃないの、地に足のついた生活してたら、こんな、あるある、わかるわかる、いるいる、こういう人、ああ、なんて痒いところに手が届いた!!って感じの最高の短編集が書けるの。
それぞれ全部すっごく面白いんだけど、特に「ぼくは仕事ができない」や、短いけど、「ファーザー」なんか、ものすごく共感できる。素晴らしい〜。やっぱり山内マリコが好きだ。と思った。

2021年5月4日 最近借りた本など・・

2021-05-04 11:41:44 | 私の読書日記
ゴールデンウィーク終盤。
今日もいい天気。
出かけるにあたってこれ以上の天気は望めない。

今日は公園で友達とピクニック。の予定も虚しく、キャンセルになった。
最高の天気だったのにね。


今年のゴールデンウィークもどこにも行かなかった。
去年と違うのは、自転車で実家には行けたこと。
本当に最近、近所の散歩散歩の毎日だ。

それでも子供たちが楽しそうなのが一番。
中学生になった息子は、部活(中学の先生はお休みの中、本当にご苦労様です)で、小4の娘は毎日公園でテンカ(ドッジボールみたいな)をしている。
2人とも満足そうなので、親は暇を持て余し、結局夕食の買い物がてらの近所の散歩となる。

図書館で本をたくさん借りておいた。

「オリーブ・キタリッジ、ふたたび」エリザベス ストラウト
ファンならご存知オリーブ キタリッジの続編だ!!
ああ、もうこの作者大好き♡

「選んだ孤独は良い孤独」山内マリ子
一時ハマった山内マリ子、久々で楽しみ。

「死の棘日記」島尾敏雄
何はともあれ、読む。

「海辺の生と死」島尾ミホ
作家の人格と作品とはまた別物。

「5匹の子豚」アガサ クリスティ
長い休みのお供には、アガサ クリスティが読みたくなる。
永遠に、彼女の書く推理小説の世界が好きなのだ♡

ワクチン接種がいつになるか、気が遠くなるけど、本と映画と散歩で乗り切るぞ。




「狂うひと 「死の棘」の妻、島尾ミホ」を読んで

2021-04-27 10:15:39 | 私の読書日記
この1ヶ月というもの、ずっと夢中になっていた本がある。
久しぶりに寝ても覚めてもものすごく熱中した。
読み出したらとまなかった。最後までずっととまらなかった。
「火宅の人」といい、つくづく私はこういう本が好きなんだなあと思う。

ある日、美容院で雑誌を読んでいたら、ブックレビューにでていて興味をもった。
作家 島尾敏雄も、「死の棘」も、同じく作家の妻 島尾ミホもその時の私はまるで知らなかった。


梯久美子が書いた「狂うひと 「死の棘」の妻、島尾ミホ」は順番的には、島尾敏雄の「死の棘」をまずは読んでから読みたい一冊ではあったが、図書館から先に届いたのは「狂うひと」の方だったので、しかも文庫の裏面のあらすじを読んだら、面白そうすぎて我慢出来なくてその日の夜寝る前にちょっとだけ読もうとページを捲ったら、その日から止まらなくなった。

本作は、作家の島尾敏雄(正直私は全く知らなかった、が、孫のしまおまほなら知っていた。オリーブ(雑誌)に出てたから)が描いた私小説「死の棘」(すごいタイトルだ!!!)と、そこに描かれた妻で、自身も後に作家になった島尾ミホ、この夫婦の過ごした修羅の日々の真相、夫婦愛に迫るノンフィクションだ。
そもそも、死の棘とは、夫である島尾敏雄が浮気をしていて、その日記を読んだ妻が発狂し、その日々を島尾の日記を基にこれまた「火宅の人」同様10年以上の歳月をかけて本にしたものだ。
島尾敏雄は、子供の頃から1日も欠かすことなく日記をつけていた、著者曰く、つけずにはいられなかった、正真正銘、物書きで、ミホの死後(敏雄はミホより20年も前に亡くなっている)に、その膨大な記録(日記や原稿やその他あらゆるメモ書き)が見つかる。本書はそこから引っ張り出され、また関係者を尋ね、考察を重ね、読んでみるとノンフィクション作家の凄さに圧倒された。

自分自身の夫婦のことはさておき、いつも映画や物語、こういったノンフィクションの話に触れるにつれ、「真実の愛」とは何ぞやなんてぼんやり考えてる私。
他人がそこにあれこれ言うのがそもそもおこがましいけど、私は、この2人(島尾敏雄とミホ)のような愛を他に知らない。
正直、夫婦愛だったのか、妻が熱烈に夫を愛していた?のだけはわかるが、果たして夫はどうだったのか、ただの身勝手な男で、最後は自己犠牲愛にでも酔いしれたか、観念したのか、ストーカーのような愛である。これを夫婦だけでやっていてくれたなら、おめでたいね〜って、それでもよかったけど、2人は2人の子供の親だった。そこが、残念でならない。
特に、小3で突然言葉を失った娘、マヤのことを思うと、2人の修羅の日々を至上の夫婦愛だったとはとてもじゃないけどそんな風には昇華できない。

そもそもミホは、他人の気持ちを思いやるといったことが少しでもあったのだろうか。
まず、少しでもその気持ちを持ち得ていたなら、そもそもこんな結末にはならなかったんじゃないか。

まがりなりにも、2人の子供の母親になって、その子供たちを最優先に大事に育てなければという責任感は皆無だったと思う。狂ってた期間は百歩譲って仕方ないとしても、回復した後でも、この人は一貫して他人の気持ちを1ミリも思いやれないままだ。
もちろん、そうさせたのは夫の罪であり、でも、すくすくと成長していたしっかり者の娘が、小3から急に原因不明に言葉を発せなくなったのは、(大人になっても、執拗に原因究明にあらゆる病院で検査させたらしいが結局わからなかった)この夫婦間の諍いを目の当たりに大事な大事な幼少期を過ごすことになったこと以外ないだろう。本来なら、児童養護施設に保護されるレベルだと思う。

人間関係って難しい。友達も、恋人も、夫婦も、みんな。

その関係を天秤にかけて、ちょうどよく同じ重さでいるって至難の技だ。
でも、とんでもなくバランスを欠いた人間関係は、良い結果を産むとは思えない。
独りよがりは嫌だ。


ミホは、養父母に大事に大事に育てられ、決して怒られることがなかった幸福な子供時代を過ごしたそうだ。でも、その決して怒られることがなかった、その環境がやっぱりこの人をこの人にせしめたのかなと思う。人に怒られて、自身を省みることがなかった
、それが生涯続き、他人の気持ちを思いやれず、また自身を省みることもしないまま、ただ自分の欲望のままに家族を支配したお姫様だったのだ。

島尾敏雄、特攻隊員の隊長としてミホの暮らす加計呂麻島(奄美群島の一つ)に派遣されて終戦の年、夜な夜な恋人の元に通う隊長って一体どうなんだろう・・・まず、そこ!!
そして戦争が終わると、あんなに通い詰めて愛を語りあった恋人をあっさり島に残したままに、自分はとっとと内地に戻って、裕福な親の元、敗戦後で多くの人が生きるのに精一杯だった日本中を親のお金で旅行したり、好きな本を買ったり。島に残してきた恋人を迎えに行くどころか、悠々自適、楽しんでいる。(そんな戦後もあったのね〜。しかも元特攻隊員で)正直、戦時下であんなに恋してたらしいミホに対しては、自分のもとに、来れるなら来れば〜くらいの気持ちだったのかなあ・・島尾の戦中と戦後はまるで別人だ。まさに愛が覚めた人がする行動だ。

さらに、吉本ばななの父である評論家 吉本隆明をはじめとする評論家たちの「死の棘」論。
これも随所に出てくるけど、うーん、いい加減・・・評論家ってなんとでも言えるよねーと思ってしまう・・妙に偉そうだったりするばっかりで、、

とここまでかなり好き勝手書いたけど、梯久美子さんのこの本は本当に素晴らしい。
最後の終わり方もなんて絶妙にいいんだろう!!感動してしまう。

最後、沢木耕太郎との対談で、梯さんは、書くことについてこう言っている。

「文章を書くということは、流れている小川の水を容器に掬いとるようなことだと思うんです。そこにはさっきまで小川だったものが確かにあるけれど、もう流れることのないものとして、固定されてしまう。」

ああ、本当にその通りだなあと思わず唸ってしまった。




「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んで

2021-03-15 15:22:07 | 私の読書日記
もうこれ、期待以上に面白かった。

私は1978年生まれだから、82年生まれのキム・ジヨン氏(本書の中でそう呼ばれている)は弟と同年代。その、私より若い時代に生まれて、韓国がまだこうも女性が生きにくかったとは、そして、母と同世代に当たりそうなジヨン氏の母、オ・ミスク氏も5人兄弟で育ち、姉と自分は小学校を出てソウルに出て住み込みで働き、そのお金で兄や弟は大学まで出たなんて・・とんでもない男尊女卑な話に驚いた。

私が見た数少ない韓国ドラマの中ではそんなことは微塵も感じさせなかったので、ジヨン氏の世代でも男の子が生まれることを待ち望まれて、男女比の出生率が偏ったなんて驚きだ。

そして、就職活動。日本も長く氷河期で、もちろん私の時もそうだったから多少理解できるとしても、韓国での就職が大変なことは聞いたことはあった。
男女の賃金の差にも驚きだし、数年前、韓国の芸能界の性接待の話なども、この本を読んで改めて本当にあることなんだと納得がいった。

だから、朴槿恵大統領の誕生は、韓国がガラスの天井をついに突き破った物凄い革命的なことだったと思うのに、その末路があれでは悲しくなる。

アメリカだって、ガラスの天井は未だ破られていないし、ハリウッドでのME TOO運動も記憶に新しい。日本はと言えば、森、元オリンピック委員長のあの軽々しい女性蔑視発言で世界から改めてレッテルを貼られた。

この本は、キム・ジヨン氏のカウンセラーの男性医師が語り部になっている。
最初から最後まで無駄がなく、ジヨン氏の半生が具体的に描かれ、終わり方もまた巧妙だ。読み終わってみて「え!!?」と思った。唐突な最後だけど、そこがいい。

私もこの本を子供たちに薦めてみたいけど、まだちょっと早いので、まずは本好きな友達の高校生の娘さんに薦めたいなあ。もう読んでるかな〜。

著者のチョ・ナムジュさんの本を他にももっと読んでみたい。

おすすめの本エトセトラ〜

2021-03-11 07:59:24 | 私の読書日記
今、いくつか本を読んでいて、どれもとてもとても面白い。
ロアルド ダール「あなたに似た人」(カズレーザーがオススメしてたので読んでみた)
是枝裕和「希林さんといっしょに」監督の優しい語り口調も好きだし、ますます希林さんを尊敬してしまう。
チョ ナムジュ「82年生まれ キム ジヨン」話題の本、面白い!!まだまだ知らないお隣の国韓国のことを知れる。注釈もいい。

どれも、読み終わるのがもったいなくて日々ちょこちょこ読んでる。


映画「マミー」がクソつまらなかったのに、今度こそは、とまた見てしまった、グザヴィエ ドランの映画「たかが世界の終わり」

これもまた、何だこれ・・と期待外れもいいとこで、やっと終わってくれた、と感謝したくらい。有名どころをいっぱい使ったのに、なんか勿体ない。
本当に彼は若き天才なのか??



ツッコミが止まらない・・いくらなんでも盛りすぎでしょ、な本、「水のかたち」

2021-03-08 10:26:33 | 私の読書日記
宮本輝の「水のかたち」を読んだ。

大好きな宮本輝。だけど、今作は、、、

主人公が50歳の主婦と、多少私より先輩だけど、まあ同じ主婦なので主婦目線で読んで、なんだか納得いかないことばっかりで、心の中でツッコミを入れながら読んだ。

面白いんだけど、ちょっと盛りすぎだと思う。

まず、主人公の主婦、能勢志乃子がツキすぎている。
とある喫茶店で、目に止まった鼠志野の茶碗を店主がいらないからと貰ってくるところから始まり、それがなんと3千万で売れたのだ。
まずそこから、えーー!!?なんだけど、またいい人ぶって、そのお金を元の持ち主に
渡そうと思いながらも、店主は引越してしまって見つからない。
そこに謎の美女現るも、その美女の正体は陳腐なものだったし、(いる??この人、この話にいる??)
そもそも、本気で探したいなら、そのお金で探偵でも雇えばいいじゃん、ともどかしく思う。
一番腹立たしかったのは、その店主を探してるうちに、同じくその店主から花瓶を買った人がいて、その花瓶を見るや売れるかも!!と興味を持ち、その人が首を縦に振ってるうちにすばやく買い取り、それをまたすごい値段で転売した後、善人ぶって、売れたお金の半額くらいをその人に渡すんだけど、(持ち主には実際いくらで売れたかは教えていない)何だか、その店主から無理矢理もぎ取った風で本当に嫌だった。

更には、学生時代以来会っていなかった友達と急に会いだして、その友達は駆け出しだけど、凄腕のジャズシンガーで、志乃子の家の店子の不動産屋で働く19歳の早苗ちゃんを何故か急に見染め、マネージャーに引き抜く。早苗ちゃんは免許合宿で免許を取った後、初めて運転するには大変だろうなと思われるすごいデカい車をマネージャーとして乗り回す。
更には、その五十何歳かの不動産屋の親父は20代の娘と出来ちゃった婚。
最初の結婚では子供はいなかったので、50代にして初めて父になる、喜びのわりには、生まれて最初の正月なのに、志乃子の旦那、平気で麻雀に誘ったり・・
今の感覚では、ないでしょ、それーーと思うこと多々。
最後、息子も付き合ってた学生の子を妊娠させるも、親としてその態度??って、もう最初から最後までツッコミ通しで読んでて疲れた。。

うーん、どうしてこんなに盛り込んじゃったんだろう・・

子供との関係性も同じ主婦目線で見て妙に希薄だし、終いには、神田にある物凄い素敵な喫茶店を引き継ぐという無茶苦茶なストーリー展開。

私が編集者なら、先生、ちょっとって言いたい。けど、大先生だから、そんなこと言えなかったのか??

でも長年の一読者として、今作はちょっと、いや、かなり残念に思えた。
朝鮮からの引き上げ話(実話)を一番に描きたかったのかな、と思うので、茶碗の下りなどはいらなかったのかも、、
面白いっちゃ面白いのに、ストレス溜まる、そんな作品でした。

追記

東京在住の主人公が茶碗のことやらで京都に行くんだけど、京都好きとは一言も書いてない割に、京都を知ってる風で、しかも新幹線でやたら日帰り往復したり、普通の50歳の主婦なら、せっかく京都行ったら、ついでに清水寺とか二条城とか行ったりしないともったいないって思うんじゃないかなー、とかその辺も謎でした。
宮本先生の庶民感覚の欠如がこの小説を書かせたのかもしれない。

あけましておめでとう。今年も本を読もう〜LET'S スウェーデンの暮らし

2021-01-02 10:10:07 | 私の読書日記
コロナで明け暮れた2020年も終わり、2021年、呆気なく訪れる。

実は私は2021年のお正月をとても楽しみにしていたのだが、、(と言っても、他人から見ればものすごく些細な楽しみです😅 )
夢破れ、大人しくステイホームの元旦を過ごす。

年末は、「スウェーデンの保育園に待機児童はいない〜移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし〜」 という本を読んだ。

雑誌やテレビでチョイっと紹介される憧れの北欧暮らしより、もっとじっくり向こうの暮らし、子育てや保育園のこと等が日本と比較しながら分かりやすく正直に書かれていて、とても面白かった。保育園(待機児童問題)や、育休、子供が風邪をひいたとき用の有給など、日本もこうなって欲しいが詰まっていた。
そして、暮らすには少々不便な社会=万人に優しい社会がスウェーデンで、暮らすには最高便利な社会=エッセンシャルワーカーに無理を強いる社会=日本なんだなあと思う。便利でサイコーでこれが当たり前って思っている人の裏で、安い賃金で昼夜問わず働かされている人たちがいることを日本人は忘れている。

私的には、やっぱり大学まで学費無料は大きいなあと思う。
うちは子供二人、大学までちゃんとやれるかしら?と不安がいっぱいだし、
もし、学費無料なら、私は絶対もう一人産んでいた。
正直、夫の年齢も考え、大学まで行かせることを考えると、二人で手一杯だなと思ったのだ。
そして、無料となれば、社会人の学び直しも出来、現にスウェーデンは大学生の5人に1人が社会人経験者なんだって。誰にでも等しくチャンスが与えられる社会って素晴らしい。

そのほかにも、転勤のない社会や(希望転勤はいいけど、そもそも日本の転勤システムってもう時代錯誤)日本と比べて楽ちんな保育園生活(保育園で朝食も出してくれる!!)もちろん、保育士さんたちの労働条件も◎
ただ、病院については、簡単にはかかれないみたいだから、日本に軍配。
そして、コロナの今、スウェーデンの医療が心配だ。(最初の集団免疫作戦失敗から、隣国フィンランドやノルウェーと全然感染者数が違う)


今は我慢の時期だから、家でこうして本を読んで過ごそう。






「首のたるみが気になるの」を読んで

2020-12-26 15:58:12 | 私の読書日記
映画好きなら、ノーラ エフロンと聞けば、パッとメグ ライアンがラブコメの女王だった時代の映画「恋人たちの予感」や「ユーガットメール」などを思い起こすだろうと思う。

映画監督で知られるノーラ エフロンが書いたエッセイ。「首のたるみが気になるの」
阿川佐和子訳、を読んだ。

ちょっとちょっとタイトルが・・言いたいことはわかるけど、「たるみ」って何だかね、、あんまり耳にしたくない言葉である。
もうちょっと違う言葉を使ったタイトルにできなかったものかと一人思い倦ねる。
ついでに言うと、表紙ももっと素敵なのがこの本には相応しかったなあと残念な気持ち。

でもそれほど、中身が面白かった。
そう、ノーラが首のたるみを気にする頃に書いたエッセイで、よくある素敵に歳を重ねたら・・みたいな本ではない。ありのままで、飾ろうともしない、洒脱でクスッと笑える内容なのだ。
それでいて、最後はちょっと悲しくさせる。軽い文章なのに訴えかけるものがある。書き慣れた人の文章ってこういうことかな。

「知ってりゃよかった」という章のタイトル通り、著者の、知ってりゃよかったが箇条書きのように書き連ねられているが、これは偉大な人生の先輩の言葉として有難く書き留めておく。

まだまだ彼女のその後のエッセイが読みたいが、2012年に残念ながら亡くなってしまった。



パネトーネ

2020-12-12 09:13:31 | 私の読書日記
夫がもらってきた可愛いパッケージに包まれたケーキ、パネトーネをちぎっては食べちぎっては食べしている、今朝の朝ごはん。
とても大きいので、こうして食べ切るのに来週いっぱいかかるだろう。
ちゃんと温めたらもっと美味しいはずだけど、怠惰なので試していない。

今朝、辻仁成の「なぜ生きているのかと考えてみるのが今かもしれない」を読み終わる。全編通してとーっても面白かった。終わり方もとってもよかった。私も同感。
当たり前の日常こそが極上の幸せの瞬間なのだ。


ミランダ ジュライの翻訳なんかをしている岸本佐知子さんの本、「ひみつのしつもん」は途中で読むのをやめてしまった。なんとなく、不思議ちゃんすぎて私には合わなかった。でもミランダ ジュライの翻訳者としては最適な人だと思う。(実は、ミランダ ジュライの「最初の悪い男」も途中で読むのを断念した。足の臭い女が主人公の家に居候する、その足の臭さが身に迫ってきて、ゲンナリして、読む気がどうも失せてしまった・・こんなの初めて😮

読む本がなくなったので、今日はこれから図書館に行こうと思う。

今読んでる本3冊

2020-11-12 07:59:20 | 私の読書日記
今、三つの本を読んでいる。

一つは、「天才たちの日課 〜クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々〜」メイソン カリー著

主に作家、音楽家、哲学者、などなどの日々のルーティンが書き連ねてある。
どの人も1、2ページで、人も知れるし、天才の生活ぶりが伺えて楽しい。まさにタイトル通りなのだが。
ほとんど皆、天才たちは午前中に仕事をし(やっぱり午前中が一番冴えわたっているということかな)散歩を日課としている人が多くて驚いた。(影響されて早速夕食の買い物に歩いて行ってみた。すると帰り道、低い位置に思わず「えーー!!?」って声が出ちゃうほど大きなフルムーンが。)
まあ、昔の男性の作家なんかは本当に生活に関する事は奥さんやメイドにお任せだから、本当に自分のルーティン通り生活できていいよね。
そこいくと、現代女性作家なんかは、家事や子育ての合間に慌ただしく執筆。
のんびり散歩なんて決め込んでいる暇はないのだ。
このシリーズ女性編もあるらしい。

2つ目は、ブレイディみかこさんの「女たちのテロル」

ブレイディさんの本にハマってるので、端から読んでみようと何もわからず借りたら、
なんとまあ鮮やかな表紙。
なるほど、テロルって、実在した三人の女性アナキストたちの話だった。
全然知らなかったけど、とっても面白いので是非。

そしてもう一冊は、テレビでお馴染み、池上彰さんと増田ユリヤさんの「偏差値好きな教育”後進国”ニッポン」
テレビの解説通りで、誰にでもわかりやすい読み口で、驚いたのが、アメリカの教科書が分厚い理由。基本的に読むだけで誰でもわかるようになっているらしい。その理由は、教師の質が悪いから。アメリカでは先生の社会的地位は低くて、お給料も10ヶ月分しか出ないんだって😮 (夏休みが長いから)日本の教科書が薄い理由は、先生がきっちり教えてくれるからなんだって。恵まれてるね。
でも今年の息子の先生は、やたらとこれ見といてーとNHKの教育番組を授業中見せて明らかに手抜きの授業だと言って怒っていた。
正直、女性の先生より男性の先生の方が授業、宿題全てにおいて手抜きの人が多いなあ、と言うのが私の印象。逆に女性で、手抜きな先生には会ったことがない。