裁縫は苦手なので、裁縫箱と呼べるような箱をかろうじて持っているという程度だったのだけど、それでも多少は子供の体操服にゼッケンつけたり、ボタンつけたり、その度に窮屈で壊れかけた何十年物の紙製の箱から針と糸くらいを出して使ってた。
流石にその箱が切れて蓋としての役目を果たせなくなったので、新しいもっと大きな箱に移し替えることに。
糸の切れ端やボタンや、色々な長年の積み重なった見捨てられた物たち。
その中に、一本の待針が。それは大西と書かれていて、私が小学生の時の同級生、きっと家庭科の時間に間違えて紛れ込んだ針なのだ。
結婚して十年も経って、夫が持ってきた針山なのに、私の小学生時代に紛れ込んだ待針が刺さってたなんて・・・
なんかびっくりして、整理を中断してしまった。
大西○○子ちゃん元気かな。
高学年の頃転校してきた子だった。
中学で、横浜の方に引っ越して行っちゃった気がする。
この針はこのまま一生大事にここに刺していこう。
娘がお嫁になって、たまたまこの針山を引き継いだ時、大西と書かれたこの針を不思議に思ったりして。