五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

夏の匂い

2008年07月15日 | 第2章 五感と体感
そろそろ夏休みです。

近くの高校もナイターで高校野球に向けて練習を重ねているようです。
遅い時間まで、掛け声が響いてきます。

期末試験も終わり、あとは夏休みを待つだけ。

受験生にとっては厳しい夏。

皆さん、それぞれの夏休みを過ごされることでしょう。

私が小学生の頃は、夏休みの土曜日の夜、約束しているというわけではなかったのに、近所の子供たちが三々五々花火を持って集まり、賑やかに花火を楽しんだものです。
日頃、親の監視の下に暮らす子供にとって、その時だけは何故か親の姿が無く、日の暮れた時間に子供たちだけで楽しむ特別なひとときでした。

誰かがバケツに水を入れて持ってくる。
ろうそくに火を灯し、小さな子の面倒を見るお兄さんやお姉さん。
最初は、蛇花火から始まり、クライマックスにはねずみ花火や大型の花火が登場。
締めは必ず線香花火の耐久レース。
自然と組まれたプログラムです。

火薬の匂いは、その時の思い出が蘇り、懐かしい光景が浮かびあがります。

花火と蚊取り線香。プールの水のカルキ臭さ・・・潮風の松並木。扉を開くと同時に香ってくる図書館の本の香り。
どれもこれも懐かしい夏の匂いです。

考えてみると、クーラーをつけて一日過ごす夏の過ごし方では、この香りは体験できません。
窓を開けて扇風機を回し、暑さを凌ぎながら過ごすと、簡単に夏の香りの生活が蘇るのです。

快適な空間は、五感を遠ざけるように思います。

ひたすら暑さを耐える生活はできそうもありませんが、ちょっぴりクーラーを我慢して、夏の匂いを楽しむ生活を意識してみましょうか・・・


匂いは、記憶を鮮かにします。
季節の恵みから、五感を感じ取り、体感することを大事にしたいものです。

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