五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

場に佇む

2012年09月09日 | 第2章 五感と体感
事件は会議で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ。

どこかの映画の誰かの台詞ではありませんが、能楽の仕舞いと謡いを習い始めてから、旅する場所での感じ方がちょっぴり深くなってきたように思います。

心理療法の学びは、理論を学び臨床を学ぶことと同時に、己を知ろうとすること(自己分析)、そして、五感を意識する訓練を生涯の学びとして続けていくことが必要です。

旅をすることは、観光だけではなく、自分の日常、つまり好くも悪くも馴れていることから離れることでもあります。
日常の自分が、日常でない場所に佇むことで、何かを吸収することだけが目的ではありません。日常の自分を改めて比較考察する場でもあり、「自分」という身体と心が、場に佇むことで五感を通して何を感じるか、解釈するかを感じ取り、それを意識化し何らかの形で表現することが、即ち己と向き合う事であるのだと思うのです。

常に自分は何のために生きているのか?
自分の生き甲斐とは何か?
そして、自分の心と身体と魂を大切にしているか?

場に佇むことで、感ずることをより大事にしていきたいものです。感ずることの感性を磨くことは、他者との関係性における自分の解釈を多様的に考えていくことと同じことが言えるかもしれません。

「自分は、だからこうなんだ。。。」という呪縛に、囚われて、自分に備わっている五感をふさいでしまうのは勿体無いことです。

己を知ることは、非日常の場に佇んでこそ見えてくるものかもしれません。

西行の人生の終盤に住まう嵯峨野の庵跡…。小倉山から吹く風にひやりとした冷たさが私の身体を包んだ時のことをふと思い出しています。8,9年前の旅でしたが、体感の記憶に古さを感じません。

現場に佇むということは、そういうことなのです。

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