DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

続「ボクシング 10年」PartXVII(JCスーパースターの統治時代)

2023年09月04日 05時38分13秒 | ボクシングネタ、その他雑談

このDaispo Boxingを始めた当初、不定期ながらも数回に渡り「ボクシング10年」という、自分(Corleone)がボクシングに興味を抱いてからの約10年の間のボクシング界について、ザっとしたものを書いていました。第一弾は2004年6月23日。当時引退したばかりのリカルド ロペス(メキシコ)がどれだけ凄いボクサーで、軽量級、特にミニマム(旧ストロー、105ポンド/47.63キロ)とそのひとつ上のライトフライ(旧ジュニアフライ、108ポンド/48.97キロ)の、その後の課題はロペスの後継者を生み出すことであると強調しました。

2020年9月に、夢にまで見たSuperchamp1991というものを入手。そこには私がボクシングに惹かれる直前、1991年春先の世界王者たちの顔ぶれが掲載されています。その顔ぶれを見てみると懐かしさと同時に、自分にとって新鮮味がある王者たちが載っています。あの時代から30年。「ボクシング10年」の続編的ものとして、各階級の世界王者たちを簡単に紹介してきました。そして今回のスーパーライト級/ジュニアウェルター級が、この企画の17階級中最後の階級となります。

今回紹介する階級、63.50キロ/140ポンドを上限とするスーパーライト級/ジュニアウェルター級には、当時の全階級最強戦士であるフリオ セサール チャベス(メキシコ)が君臨しており、それに伴いボクシング界もヘビー級とこの階級を中心に回っていました。

まずは1991年春先時点での同級王者たちの顔ぶれを見てみましょう。防衛回数は当時のものになります。

WBAジュニアウェルター級:ロレト ガルサ(米/防衛回数1)
WBCスーパーライト級:フリオ セサール チャベス(メキシコ
/5)
IBFジュニアウェルター級:フリオ セサール チャベス(メキシコ/2)

この階級も他のジュニア、またはスーパーのつく階級と同様に、認定団体により呼称が異なっています。この階級はWBAとIBFがジュニアウェルター級で、WBCはスーパーライト級と呼んでいます。現在でも英語サイトではジュニアとスーパーを使い分けており、日本のように統一して「スーパー」と呼ぶことは珍しいのではないでしょうか。

どうしても帝王チャベスの影に隠れてしまうガルサでしたが、世界王者としては確かな実力を備えた選手でした。前年1990年8月に、平仲 明信(沖縄)の急病のため代役として渡仏。当時のWBAタイトル保持者だったファン マルチン コッチ(亜)に両者にとっての第3国で挑戦。ガルサにとり、29戦目にして初めての国外での試合でしたが、僅差の判定で強豪に競り勝ち王座奪取に成功。その年の師走には、人気者ビニー パジエンザ(米)に一方的な試合の末、反則勝利を収め初防衛。代役としての王座奪取が決してまぐれではなかった事を証明しています。

(平仲 明信と戦わずして終わった実力者ガルサ)/ Photo: unitedcombatassociation.com

 

WBCに加え、前年1990年3月に、メルドリック テーラー(米)を相手にボクシング史に残る大逆転劇を演じ、IBFのベルトも保持していたチャベス。デビュー以来の全勝記録を72(62KO)にまで伸ばしていました。当時のチャベスは、スーパーライト級では若干小柄な体格という以外は何ら不安要素を抱えておらず、「まだまだ王朝は安泰だろう」という絶対的な安定感を誇っていました。そして、一体だれが、いつチャベスの前進を止めるのだろうという事のみが唯一の注目点でした。

(意外に話題性の少なかった当時の帝王チャベス)/ Photo: Ring Magazine

 

さて、まだまだマイナー団体だったWBOのジュニアウェルター級(スーパーライト)王座には、マイナー団体としては中々の実力者で、それなりに知名度のあった元IBFライト級王者グレグ ホーゲン(米)が君臨していました。この年の2月に、チャベスの数少ない対抗馬として挙げられていたヘクター カマチョ(プエルトリコ)に番狂わせの判定勝利を収め世界2階級制覇に成功。しかし5月に行われた再戦では、再び大接戦を演じるも判定負け。僅か3ヶ月でこの王座と決別しています。

(タフで知られたホーゲン(左)は、カマチョ(右)との2連戦に臨む)/ Photo: Ring Magazine

 

この階級に限らず、当時のボクシング界の中心選手だったチャベスが君臨していたスーパーライト級/ジュニアウェルター級。振り返ってみると、他団体王者を含め、チャベスの実力があまりにも突出し過ぎていたため、少々面白味が欠ける階級のような印象がありますね。

コメント
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