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今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBAジュニアウェルター級:1993年12月17日)

2023年12月17日 05時54分34秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前となる1993年12月17日、アルゼンチンで行われた試合結果です。
WBAジュニアウェルター級戦(現スーパーライト級):
王者ファン マルティン コッジ(亜)TKO7回1分50秒 挑戦者エデル ゴンザレス(ベネズエラ)

*30年前のこの日、南米のアルゼンチンでとんでもない試合が行われてしまいました。

王者コッジは平仲 明信(沖縄)や坂本 博之(角海老宝石)など、日本のライト級からウェルター級のトップ選手たちと対戦し、打ち破った強豪です。コッジはこの年の1月、前年1992年9月に東京のリングで平仲からタイトルを奪ったモーリス イースト(比)を子供扱いにし世界王座に復帰。この年の6月23日には後楽園ホールのリングに登場し、吉野 弘幸(ワタナベ)の挑戦を退けています。驚く事にこのゴンザレス戦がコッジにとり何と1993年の7試合目!「戦う王者」とはコッジの事を言うのでしょうね。

(日本人選手の高く、そして厚い壁となったコッジ)/ Photo: En el area

コッジが迎えたゴンザレスは、22勝3敗1引き分けと好戦績を持つベネズエラ人。そんな好敵手を相手に、試合前の予想は「王者が手堅く防衛するだろう」とされていました。

案の定、試合はその予想通りに進んでいきます。2回、見事な連打で先制のダウンを奪ったコッジ。試合再開後、最後の仕上げに取り掛かりに入りましたが、そこに大きな落とし穴が待っていました。攻めに入ったコッジにゴンザレスの右が物の見事に命中し、アルゼンチン人は糸の切れた人形のように膠着状態で逆転のダウンを喫してしまいました。

(糸の切れた人形のようにキャンバスに送られていくコッジ(右))/ Photo: Youtube

ここから複数の問題が起こり始めます。この試合のレフィリーを務めたイシドロ ロドリゲス(ベネズエラ)が、コッジに回復の機会を与えるようにスローでカウントを数え始めます。試合再開まで有した時間は14秒。本来ならこの時点でコッジはKO負けを宣告されている筈です。レフィリーに救われたコッジですが、足はフラフラ状態。案の定、試合再開後のゴンザレスの連打の前に何も出来ないままレフィリーが両者の間に入ります。これで試合が終わったと思いきや、ロドリゲス氏はコッジを彼のコーナーまで連れていき、休息時間を与えてしまいます!その不可解な休息時間中、ラウンド内にセコンドが選手に触ることは禁止されているにも関わらず、コッジのトレーナーはコッジを後ろから支えていました。

問題はこれで終わりではありません。この回、タイムキーパーも露骨にコッジを助ける形で30秒ほど早くラウンド終了のゴングを鳴らしました。3回、ダメージが抜けきらないコッジは足元が定まらない状態で戦い続けます。この3回、そして続く4回も2回同様に時間が短縮された形でラウンド終了のゴングが鳴らされました。

その後はキャリアで培ったしぶとさを見せたコッジ。4回以降は徐々にダメージから回復したコッジ。7回に逆転勝利を収め、ベルトを死守しています。

(とんだ茶番劇となってしまったコッジ(左)対ゴンザレスによる一戦)/ Photo: En el area

送られてきたこの試合を見た当時のWBAの会長(現会長の実父)は、当然激怒。ロドリゲス氏をWBAの世界戦から永久追放すると共に、コッジとゴンザレスに対し、両者にとっての第3国で即再戦を行うよう指示を出しています。当時、まだまだまともだったWBAの措置には「流石はWBA」と思いました。しかし今振り返ってみると、この措置はまだまだ甘いと言わざるを得ません。本来なら2回に、少なくとも2度の敗北を喫していた筈のコッジ。王座は剥奪、もしくはゴンザレスを新王者に認定すべきだったでしょう。

20世紀も最後の10年の半ばに入っていましたが、まだまだここまで露骨な地元贔屓の試合が行われるとは。今でも驚きを隠せません。

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