今から30年前の一昨日となる1993年12月18日、メキシコで行われた試合結果です。
WBCスーパーライト級戦:
王者フリオ セサール チャベス(メキシコ)TKO5回終了 挑戦者アンディー ホリガン(英)
*この年の9月10日、4階級制覇を目指してWBCウェルター級王者パーネル ウィテカー(米)に挑戦したチャベス。ボクシング史上最巧者の一人であるウィテカーは、チャベスをもってしても破ることは難しく、チャベスはキャリア88戦目にして初の白星以外の結果を戦績に残すことになってしまいました(結果は引き分け)。
(ホリガンにクリスマスの奇跡は起こったのでしょうか!?)/ Photo: Youtube
その一戦から3ヶ月、チャベスは本来のスーパーライト級の戻り、英国が送り出した新鋭ホリガンの挑戦を受けることになりました。英国、英連邦の2つのベルトを保持していたホリガンは、21戦全勝のレコードを持った実力者。しかし帝王チャベスには全くの子供扱いされることになります。
試合を通し前進を続けるのはホリガンなのですが、チャベスはそれは易々とコントロールしていきます。英国人の攻撃は、チャベスのブロッキングを中心とした巧みな防御の前にほとんどクリーンヒットせず。逆にメキシカンの左ボディーを起点としたコンビネーションは面白いようにホリガンに命中していきました。
チャベスにとり、実戦というよりスパーリングに近い内容で試合は進んでいきますが、ホリガンにしてみればたまったものではありません。いくら攻撃しても効果が得られず、それとは反対に相手の攻撃は貰い続けるのですから。両者の実力差には大きな隔たりがあり、結局ホリガンは5ラウンド終了後にギブアップ。チャベスが強さ以上にその巧さを見せつけた試合は15分で決着がつきました。
(手堅い勝利を収めたチャベス)/ Photo: Youtube
保持していたスーパーライト級王座の12度目の防衛に成功したチャベス。驚くことにウィテカー戦とこのホリガン戦の間に、無冠戦10回戦に出場しており、その試合は4回TKOで勝利を収めています。まさに戦う王者ですね。
WBAスーパーミドル級戦:
王者マイケル ナン(米)判定3対0(116-112x2、116-113)挑戦者メルキ ソーサ(ドミニカ)
*1991年5月に、地元である米国アイオワ州のリングでジェームス トニー(米)に大逆転負けを喫したナン。その敗北により、保持していたIBFミドル級王座から転落すると同時に、スター選手の地位も失ってしまいました。1992年9月にWBAスーパーミドル級王座を獲得し2階級制覇を達成。その後3度の防衛を果たし、徐々に自信と信頼を取り戻しつつありました。
(スーパーミドル級の実力者同士の一戦がメキシコで実現。サウスポー(左構え)で左に位置しているのがナンです)/ Photo: Youtube
ナンが迎えたソーサは、世界王座とは縁のない選手とはいえ、ミドル級とスーパーミドル級の強豪たちと拳を交えてきた難敵ソーサ。強打のドミニカ人を相手に、逃げ腰のボクシングを展開してしまったナンですが、僅差の判定で勝利。次年でのビックマッチ出場に向け駒を進めています。