今から30年前の昨日にあたる1993年12月18日、メキシコで行われた試合結果です。
WBCスーパーウェルター級戦:
挑戦者サイモン ブラウン(米/ジャマイカ)TKO4回1分6秒 王者テリー ノリス(米)
*当時、最強戦士の一人として謡われていたノリス。そのノリスが師走のメキシコでKO負けを喫し王座から転落。世界に衝撃が走りました。
番狂わせの主人公であるブラウンは決して弱い選手ではありません。一階級下のウェルター級ではIBF王座の8連続防衛に成功し、WBC王座をも吸収。1980年代後半から1990年代前半にかけ、ウェルター級最強のボクサーとして知られていました。1991年11月に、技師ジェームス マクガート(米)に王座を奪われてしまいましたが、その後5連勝(3KO)を飾り今回のノリスへの挑戦に漕ぎつけています。
本来ならこの年の2月に対戦する筈だった両者でしたが、その時はブラウンが体調不良のため出場を辞退。ブラウンの代わりに彼の親友で、元ウェルター級王者だったモーリス ブロッカー(米)に挑戦。229秒でノリスの軍門に下っています。
ブラウンからすると、親友ブロッカーのための弔い合戦となりました。強打者として知られていたブラウンは、持ち前のパンチ力で初回から帝王ノリスからダウンを奪うなど、一方的な試合展開の末、あっという間に2階級制覇に成功してしまいました。
(常勝将軍ノリスを倒したブラウン)/ Photo: RingNews24
しかしこの試合の注目は、敗者となってもノリスに当てられました。元々「打たれ脆さ」はお墨付きだったノリス。しかしこの日のノリスは異常なぐらいに打たれ脆すぎました。試合ごとに安定度、評価に加え、パンチの切れも増していったノリス。この日も試合開始早々からそのパンチでブラウンに襲い掛かります。ノリスのコンディション自体は悪くなさそうにみえましたが如何せん、むきに打ち合いに臨んでいた感がありました。
初回中盤に、ブラウンの左右の強打を数発貰い、そこで少し距離を置くなど警戒網を張ればよかったのですが、打たれれば倍になって打ち返す。ノリスはそんな場面を、特に1993年になると多く見せるようになりました。
(帝王ノリス、メキシコのリングでまさかのKO負け)/ Photo: Pinterest
初回も終了間際、ブラウンに左ジャブを当てられあっけなくダウンを喫してしまったノリス。2回、3回にはダメージが残る中自ら打ち合いに臨み、さらにダメージを被るという悪循環に陥ってしまいました。そして迎えた4回、今度は右の強打でダウンを追加されたノリスはレフィリーに救われる形に。この年の最大級の番狂わせの被害者として1993年を終えています。
数ヵ月前に無敵のフリオ セサール チャベス(メキシコ)が、88戦目にして初の白星以外(引き分け)の結果を残したこの年。チャベスに続いてノリスまでもが、その戦績に手痛い結果を残してしまいました。