
こんな紙片が郵便受けに入っていた。宅配の配達連絡票かなと思いながら見てみると、なんとそれはパトカーからのパトロール実施票であった。
裏面には『ご要望等がありましたら近くの交番までお届けください』と書かれた記入欄があり、☆交番と 地域で築く 明るい社会 とある。
ここに10年以上住んでいるが、初めてのことである。
僕はパトカーには余りいい印象を持っていない。
仕事柄、帰宅が夜遅くなることの多い僕は、パトカーや、巡回中のお巡りさんに呼び止められ、不審尋問をされることが多かった。よほど怪しげな顔をしているか、行動が不審なのだろう。最近はあまりなくなったが・・・。
夜中に、何も悪いことをしていないのに不審尋問を受けることを不愉快に感じる僕は、いつも彼らに逆らってしまう。
ある冬の夜、テレビで冬季オリンピックを見ようと急いで帰る途中、向かい側からゆっくりと走ってきたパトカーが僕の前で停まった。二人の警察官が降りてきて、僕を呼び止めた。またかっ!
「今、急いでいるのであなた達に付き合っている時間はありませんよ」そう言って行こうとすると「家まで送るから」と言うので、パトカーに乗った。
中で、持ち物検査。仕事で汗をかいて取り替えた、濡れた下着やYシャツの入ったバッグを調べ、返すときに言った彼らの言葉。
「中身を調べてください、なくなったと言われると困るから」
僕は言った。「困るなら最初から見なければいいだろう」
そんなやりとりの後、家まで送らせて、降りるときに追い討ちをかけた。
「手間をとらせて、“すみません”くらい言ったらどう」
車の中で警察官は小さな声で「す・み・ま・せ・ん」と言った。
その数日後、また眼の前で停まったパトカーから警察官が降りてきた。先に降りてきた警察官を押しのけて行こうとすると、後から降りてきたもう一人と眼が合った。数日前にパトカーで送らせたあの警察官だ。
「あぁ、またあんたか。僕のこと知ってるよね」
そう言って、立ち去ると先の警察官、眼を白黒させて見ていた。
偉そうに不審尋問をする警察官には、どうも素直になれない。
しかし、この票のように夜中にパトロールし、戸々に住人の名前を記入したパトロール実施票を残してくれることはありがたいし、安心でもある。
これからは、パトカーや自転車で巡回している警察官にも敬意を表さないといけないかな。彼らも仕事なのだから。
2005.10.05