勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

約束

2006-10-18 22:39:41 | Weblog
 恒例の出張レッスンに郊外へ出かけた。乗り換え駅で発車間際の電車に飛び乗った。そこには子供達の団体が車両の半分を占めて乗っていた。思わずしまったと思い、車両を移ろうとする。


 ん?変だぞ!騒がしくない。予想をしていた子供達の騒ぐ声がしない。すし詰めのように座席に座る子、通路の真ん中に2列で座り込む子、しかし誰も大きな声で騒ぐ子はいない。数えて見ると60名以上はいるだろう。こんなに多くの子供達が乗っているとは思えないほど静かだ。


そばにいた付き添いの女性に聞いた。
「遠足ですか?」
「はい、そうです」
「小学生?」
「保育園です」
「こんなに静かなのは何故ですか?」
「出かける前に子供達と約束をしました」
「そう、いい保育園ですねぇ」
「ありがとうございます」
「写真撮らせていただいていいですか?」
彼女は、そばにいた年配の女性に伺いを立てた。
「いいですよ、どうぞ」
 
 偶々降りる駅も一緒だった。見ていると騒ぎもせず静かに下車し、全員が降りたのを確認すると、また整然と列を作って階段を上りはじめた。

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 彼らが大人になったとき、車内でお化粧したり、ものを食べたり、携帯電話で大声でしゃべったりはしないだろう。そしてこの保育園には『いじめ』という言葉もないだろうと、勝手に思ったのでした。
2006.10.18