偽
看板に偽りがあることを、中国の故事では『羊頭を掲げて狗肉を売る』という。漢語辞典よると、『為(なす)』という字は、行う、実施する、という意味のほかに、あるものを変えて他のものとする、ある状態を他の状態に変える、という意味もあるらしい。
『人為』とは自然のままでなく、人が意思や手を加えること、人+為で『偽』、いつわる、あざむくという意味になる。また、『為人』と書いて、「ひととなり」と読み、人柄の意味になり、『為我』は「わがためにす」と読み、自分だけの利益をはかる意味に使われるらしい。(すべて漢語辞典から)
自分だけの利益に目がくらみ、人為的に偽装を繰り返す偽人(ひととなり)。何を信じればいいのか?
『信』という字は、人+口+辛 からつくられ、『辛』は、はりの象形で刑罰の意味、発言にうそがあれば受刑することを誓うさまから、まことの意を表すという。
2007年「今年の漢字」に思う。はたしておのれに自信はあるだろうか・・・?
少なくとも、どんな悪いことでもしてしまう『無不為』(なさざるなし)にはなりたくないが・・・。