第85回全国高校サッカー選手権は8日、東京・国立競技場で決勝戦が行われ、盛岡商(岩手)が作陽(岡山)を2-1で破り、初優勝を飾った。
前半は一進一退の攻防が続いた。盛岡商は成田大樹が何度もチャンスを作り、作陽も櫻内渚が決定機を迎える。しかし共に得点には至らず、0-0のまま前半を終えた。
後半に入っても互角の勝負が続いたが、11分に作陽が先制に成功する。後半から出場の村井匠が放ったシュートがクロスバーに当たり、跳ね返りを桑元剛が押し込んだ。反撃する盛岡商は18分にPKを獲得。林勇介の放ったシュートはゴールを外れたが、26分にその林がゴールを決めて、盛岡商が同点に追いついた。40分には千葉真太朗が左からのクロスに合わせてゴールを決め、盛岡商が2-1と逆転した。
盛岡商は岩手県勢として初の栄冠に輝いた。
国見、滝川第二、野洲といった強豪校が敗れた今年の高校サッカー、制したのは岩手県代表・盛岡商業高校!東北勢では秋田商業以来の40年ぶりの快挙となり、高校野球よりお先に白河の関を越えました。同点のPKを失敗した林選手を代えず、林選手が汚名返上のゴールを決めたことが勝因だったんじゃないかと思います。どちらが優勝してもおかしくなかった今回の決勝戦。盛岡の堅守と、作陽のスピードを生かした攻撃という相対する戦いでした。作陽の村井選手はヒザを負傷しながらも、ガッツ溢れるプレーを見せてくれました。村井選手の存在が無かったら作陽の決勝進出、いや国立行きは無かったと思います。盛岡商業は斉藤監督が今年限りで定年退職することで、監督を国立に連れて行きたいという願いが叶い、準決勝では相手のオウンゴールで決勝進出、決勝では先制されながらも逆転で優勝を果たしました。斎藤監督は昨年11月に冠動脈血栓を患い、8時間を越える大手術を行い、大会1週間前にチームに合流し、体調が万全でない中、必死に指揮を執っていたそうです。監督の執念が優勝という結果に繋がりました。盛岡商業の選手の皆さん、そして斉藤監督、本当におめでとうございます。
昨年までは九州勢と関東勢が中心だった高校サッカー、今後は混迷の時代となりそうです。