北京五輪3日目は男子100m平泳ぎ決勝で北島康介選手、柔道では男子73kg級に金丸雄介、女子57kg級に佐藤愛子が登場しました。日本のメダルラッシュが期待された3日目でしたが…。そしてバドミントンは日本勢で明暗がはっきりと分かれました。
男子100m平泳ぎは、北島康介選手とブレンダン・ハンセン選手のライバル対決に注目が集まりました。ここまでを振り返ると、北島は予選を59秒52と全体2位、準決勝では59秒56のタイム。対するハンセンは予選で1分0秒36で全体10位、準決勝は59秒94と予選より上げてきて全体5位で決勝進出をはたしました。どちらも大部が伸び悩んでいるところに、アレクサンドル・ダーレオーエンが予選、準決勝ともに五輪新記録を樹立。北島、ハンセンを抑えて全体1位で決勝進出。思わぬ好敵手が出現して決勝は3強争いとなりました。
そして迎えて決戦の日。ハンセンは2コース、ダーレオーエンは4コース、北島は5コースでレースに臨みます。スタートから北島が先頭に出ると、冷静な泳ぎを見せます。25mを過ぎてからはほぼ横一線となり、50mターン時点でダーレオーエンが27秒85で先頭、北島はトップから0秒18差の3番手から追い上げて行きます。後半勝負に出た北島は、浮き上がってきたのと同時に先頭に浮上。他のライバルを頭一つ抜け出すと、世界新記録を上回るペースで泳ぎ続ける。そのまま先頭を守りきって金メダル獲得!タイムは58秒91の世界新記録!北島康介が100m連覇&世界新の偉業達成です!ダールオーエンは59秒20で銀メダル、銅メダルにはフランスのユーグ・デュボス、ハンセンは59秒57で4位に終わり表彰台には届きませんでした。
前日の男子66kg級で金メダルを獲得した内柴正人選手に続きたい柔道日本代表、3日目は金丸、佐藤の2人がメダル獲得に挑戦しました。金丸選手は初戦にイランのマアルマトと対戦。1分過ぎに朽木倒しで効果を獲得した金丸ですが、試合中に肩を痛めてしまいます。それが影響したのか2分36秒にマアルマトの払い腰が決まって一本負け。金丸は初戦敗退となりましたが、マアルマトが準決勝に進出したことで敗者復活戦に回ることに決定。敗者決定戦に勝ち続けて銅メダル獲得を目指すことになった金丸は、1回戦でポルトガルのピーナに優勢勝ち、2回戦のガントゥムル(モンゴル)戦ではゴールデンスコアの末勝利(金丸の腰車で技あり)。3位決定戦進出をかけた敗者復活3回戦は、ベルギーのファンティシェルと対戦しましたが、縦四方固めで一本負けしてしまいメダル獲得ならず。
女子57kg級の佐藤愛子選手は、初戦の2回戦でガシモワ(アゼルバイジャン)と対戦。開始7秒にガシモワの背負い投げで技ありといきなり大ピンチを迎えます。何とか追い上げたい佐藤は果敢に攻めて、2分30秒過ぎに縦四方固めで押さえ込み。そのまま動かず逆転一本勝ちで初戦突破を果たします。準々決勝、佐藤は地元・中国のガンキョと対戦。両者指導で効果ポイントが並んだまま迎えた3分10秒、佐藤の大内刈りが効果となって佐藤がリードします。ところが残り1分近くに佐藤がかけ逃げで指導を取られてガンキョに有効ポイントが入って逆転されます。追い上げようとするもそのまま試合終了。佐藤は準々決勝敗退で敗者復活戦に回ることになりました。敗者復活初戦、フィンランドのニナを寝技で攻め立てると、1回目は有効止まりでしたが、2回目の横四方固めで一本勝ち。次のクアドロス(ブラジル)戦に勝てば3位決定戦進出でしたが、1分にクアドロスの大外刈りで一本負けを喫して佐藤もメダルが消滅しました。
決勝は男子73kg級でアゼルバイジャンのエルヌル・ママドリが韓国のワン・ギチュンにきびす返しで一本勝ちを奪い金メダルを獲得。女子57kg級ではイタリアのジュリア・クインタバレがデボラ・フラフェンステイン(オランダ)に優勢勝ちして金メダルを獲得しました。
バドミントンは日本勢に明暗が分かれました。女子ダブルスには末綱聡子、前田美順組の「NECコンビ」と小椋久美子と潮田玲子の「オグシオコンビ」が出場していました。初戦は小椋・潮田組はデンマークを相手に2-1で辛勝スタート。末綱・前田組はオーストラリアのペアに2-0のストレート勝ちを収めました。準々決勝はともに中国ペアと対戦。前田・末綱組はアテネ五輪金メダリストで世界ランク1位のヤン・ウェイ、チャン・ジーウェン組、小椋・潮田組は世界ランク3位のト・セイ、ウ・ヨウ組に挑みました。
前田&末綱VSヤン&チャン戦は、第1ゲームは序盤に6連続ポイントを奪ったヤン&チャン組が21-8と地力の差を見せ付けた形で先取します。第2ゲーム、序盤は日本が4-0とリードしますが、中盤から中国が反撃しますが、日本が粘りを見せて勝負は20-20のデュースに。最後は23-21で前田&末綱組が第2ゲームを奪い、1-1で勝負は最終ゲームに。最終ゲーム、第2ゲーム同様ポイントの取り合いとなりますが、中盤から日本が連続ポイントで18-13と相手を引き離します。相手のミス&ラインギリギリのところでポイントGETと運を味方につけた日本は、末綱の強烈なスマッシュで20点目でマッチポイント!そして最後は相手の打ったシャトルがネットに当たって試合終了!前田&末綱組が世界女王・ヤン&チャン組を破って準決勝進出!!日本バドミントンの歴史に残る大番狂わせを起こしました!
前田&末綱組に続きたい小椋&潮田組でしたが、第1ゲームは中国コンビの巧さの前に8連続失点で21-8で落とすと、第2ゲームでも相手ペアを崩せず21-5でストレート負け。小椋&潮田組は惨敗の結果に終わり、ベスト8敗退となりました。
北島選手が世界新で連覇なんてもう凄いしか言えません!ブレンダン・ハンセンが持っていた59秒13を0.22秒上回る58秒91の世界新記録を樹立。58秒台はもちろん前人未到の偉業です!ハンセン選手も「本当に速かったです。北島は真のチャンピオンです」と脱帽していました。もちろん日本中も北島選手の世界新に驚いたり感動してますよ。インタビューではタオルで顔を覆い、「何も言えない」と感極まっていました。アテネ五輪がが終わって以降、燃え尽き症候群とか度重なる故障で苦しみ、自分の世界新をハンセンに奪われたり、得意の200mで日本人に負けるなどスランプに陥っていましたが、2007年の世界水泳で200mで金メダルを獲得してから復調の兆しが見え始め、今年になってからはレーザーレーサー着用で200mの世界新を奪い返しました。そして11日の100m決勝で連覇&世界新達成。強い北島康介が帰ってきたんだと実感しました。さあ次は200m!もちろん連覇で世界新ですよねっ!世界新で感激していた福田さん、北島さんが200mでも世界新で優勝したら国民栄誉賞をあげてください。
バドミントン女子ダブルスは前田&末綱が番狂わせを起こした一方でオグシオは惨敗でした。前田&末綱組は五輪前の大会でオグシオに勝って優勝したので、本当はオグシオより強いと思います。なんでオグシオばっかり注目が集まって前田&末綱組は話題にならなかったんですかねえ。前田&末綱組がメダル獲得すれば立場が逆転、メディア露出が多くなる一方でオグシオがフェードアウトするんじゃないでしょうか?オグシオだけが日本のバドミントンじゃねーぞ。
12日の4日目は、なでしこジャパン(サッカー女子日本代表)がノルウェーと対戦。ノルウェーは2連勝・勝ち点6で首位、一方の日本は自力2位はほぼ絶望的。もしノルウェーに勝った場合3位です。3位で成績のよかった2チームが決勝トーナメント進出ですが、初戦のニュージーランド戦での引き分けがどう影響するか?
柔道では女子63kg級に谷本歩実選手が連覇に挑戦。男子81kg級は小野卓志選手が登場します。男子柔道は中量級が鬼門らしいのでそろそろメダルを獲って欲しいところです。またソフトボールも開始し、日本は初戦にオーストラリアと対戦します。野球と同様今回が最後となるので、メダルを獲得できることを期待しています。感動の金メダルを獲得した北島選手は、200m平泳ぎの予選があります。もちろん余裕で通過するでしょう。4日目も日本勢の活躍に期待しましょう。