日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

2009夏の甲子園を制したのは中京大中京!

2009年08月25日 | Sports

8月8日から日本一をかけた熱き戦いが繰り広げられてきた第91回全国高校野球選手権大会もいよいよ最終決戦。24日に決勝戦が行われ、決勝は中京大中京(愛知)VS日本文理(新潟)という組み合わせになりました。中京は打線が絶好調で、3回戦の長野日大戦で15得点、準決勝の花巻東戦(岩手)では菊池雄星などの投手陣を打ち崩して11得点の圧勝。日本文理は初戦の藤井学園寒川に逆転勝ちしてから勢いに乗り、エースの伊藤投手がここまで4試合連続の完投勝利を果たしています。中京が勝てば7度目の優勝、日本文理が勝てば新潟勢初優勝となる大一番は、激しい乱打戦となりました。


両チームのスタメン
  中京大中京          日本文理
1(遊)山中渉伍          (二)切手孝太
2(二)国友賢司          (遊)高橋隼之介
3(三)河合完治          (一)武石光司
4(投)堂林翔太          (右)吉田雅俊
5(捕)磯村嘉孝          (左)高橋義人
6(左)伊藤隆比古        (投)伊藤直輝
7(一)柴田悠介          (中)湯本翔太
8(右)金山篤未          (捕)若林尚希
9(中)岩月宥磨          (三)中村大地


1回、日本文理は1死後に 高橋隼がヒットで出塁するが、武石が一塁ゴロ併殺打に倒れて3人で攻撃終了。その裏に中京は、先頭の山中がセンター前ヒットを放つと、国友の犠打で1死2塁とチャンスを作り、2死2塁で堂林が文理先発・伊藤直の5球目のカーブを捕らえ、右中間スタンドに飛び込む2ラン本塁打で2点を先制!この後、四球とヒットで2死1,3塁と追加点のチャンスを迎えるも、柴田のレフトフライで2者残塁。しかし、エース&4番の堂林の一撃で、中京が2点を先取!
2点を追う文理は、2回に先頭の吉田がレフトへの2塁打を放ち、続く高橋義が右中間を破るタイムリー2塁打で1点を返します。3回には2死となった後に高橋隼が堂林の2球目の直球をレフトに弾き返すと、打球はぐんぐん伸びてそのままスタンドイン!高橋隼のホームランで文理が2-2の同点に追いつきました!追いつかれた中京は3回裏、相手のエラーと盗塁、堂林四球、磯村のヒットで1死満塁と勝ち越しの大チャンスを迎えます。しかし、伊藤と柴田が連続三振に倒れて満塁のチャンスを活かすことができず。伊藤投手が大ピンチを凌いで無失点に抑えました。
この後4回と5回は両チームとも無得点。文理は4回に1死1塁で伊藤がセンターの頭上を越えて行きそうな当たりを見せるが、中京中堅手・岩月がジャンピングキャッチのファインプレー!中京は5回に河合と堂林の連打で無死2,3塁と再び勝ち越しのチャンスを迎えるが、磯村と伊藤が連続三振、柴田が内野ゴロに倒れて勝ち越しならず。
同点で迎えた6回、ようやく試合が動き出します。中京は1死から四球、山中の遊撃内野安打で1死1,3塁。国友がスクイズを試みるも失敗、でも3塁走者・森本隼平が3塁に戻る。国友はこの後3塁強襲の内野安打。ボールが転がっているのに、森本は本塁に突入できない。これで満塁となり、2死後に堂林がレフト前タイムリーで2点を挙げて勝ち越し!この後伊藤が内野安打で1点を追加すると、なおも2死満塁で柴田がレフトオーバーのタイムリー2塁打、満塁の走者が一気に帰って更に3点追加。この回打者一巡の猛攻で大量6得点。8-2と6点差としました。
7回に文理は湯本・若林・中村の3連打で1点を返して流れを変えてみせたが、切手が併殺打に倒れてしまい、文理の反撃は1点に終わる。その裏に中京は、1死2塁で河合のレフトへの2塁打で9点目を挙げると、2死3塁で磯村のセンター前タイムリーで10点目。これでほぼ勝利は決定的かと思われました。
8回を終えて10-4と中京が6点リードでいよいよ最終回。エースの堂林が胴上げ投手として再びマウンドに上がりました。まず先頭の若林に対してスライダーで見逃し三振に仕留めて1アウト、続く中村を遊撃ゴロで2アウト。優勝まであと1人のところで切手に四球で歩かせる。この四球がきっかけで日本文理の猛反撃が始まります。切手が盗塁を決めて2死2塁となり、高橋隼がファウルで粘り続けて9球目を捕らえ、左中間を破る2塁打で1点を返す。続く武石がライト前に弾き返すヒットでまた1点を返して4点差。打った武石は中京の守備がもたつく間に3塁まで進んだ!吉田には2球目を3塁ファウルフライに打ち取って試合終了かと思いきや、打球は3塁手の頭上を越えてファウル。中京守備陣が考えられないミス…。なぜ取れないんだ!中京メンバーに何が起きているのか!?続く3球目で死球を与え、2死1,3塁となったところで森本と交代、再びライトの守備に就いた。
森本もこの試合2度目の登板。文理の反撃を喰い止めて優勝を決めたいところだが、森本も抑えることができません。高橋義に四球を与えて2死満塁。満塁本塁打が出れば同点のピンチを迎えてしまう。甲子園球場の熱気は最高潮、日本文理のホームと化している!文理は満塁で伊藤直がレフト前ヒットで2点を返して2点差に迫ると、続く代打・石塚雅俊がレフト前ヒット、2塁走者・高橋が生還!この回5点目で10-9、あと1点差に迫った!3塁走者・伊藤直が生還すれば同点の場面で若林が登場。あと1アウトが取れない中京・森本、同点を阻止できるか?初球は引く目に外れてボール、そして2球目、若林が森本のストレートを弾き返すが、3塁手・河合がキャッチ!若林3塁ライナーで遂に試合終了!中京大中京が日本文理の猛反撃を振り切り、10-9で勝利!最後の最後で苦しみながらも頂点に立ちました!


第91回全国高校野球選手権大会 第15日
決勝 2009/08/24(月) 日本文理(新潟)-中京大中京(愛知)
日本文理   011 000 115 9
中京大中京 200 006 20X 10
【投手】
(文)伊藤-若林
(中)堂林、森本、堂林、森本-磯村
【本塁打】
(文)高橋隼1号ソロ(3回、堂林)
(中)堂林1号2ラン(1回、伊藤)


両チーム合わせて31安打・19得点の乱打戦は、愛知県代表・中京大中京が10-9で勝利し、43年ぶり7度目の優勝を飾りました。中京大の7度の優勝は夏の甲子園最多優勝記録、春の選抜でも4度制しているので、春夏合わせて11度の全国制覇を果たした事になります。
もの凄い壮絶な決勝戦でしたねえ。最終決戦で今年のベストバウトが生まれました。8回終了時点で6点差、誰もが中京大中京の快勝、堂林投手が日本文理打線を3者凡退に抑えて終わるだろうと思った方も多かったでしょう。簡単に2アウトを取って優勝まであと1人、次の打者が四球で出塁したところで文理の猛反撃が始まり、4本のタイムリーが出て、打者一巡の猛攻で5点を奪って1点差まで追い詰めました。一気に同点かと思ったら、若林選手が凡退してTHE END。高校野球は簡単に終わらせてはくれない、「野球は2アウトから」の言葉が本当にあるんだと実感しました。
中京大中京の生徒たちやOBの皆さんは母校が優勝できて嬉しかったり、ホッとしたんじゃないでしょうか。エースで4番を務めた堂林投手は、初回に先制2ランを打てば、6回に勝ち越しタイムリーを放ち、4打数3安打4打点の猛打賞でバッティングで優勝に貢献しました。インタビューで「最後まで投げたかったけど、本当に情けなくて申し訳ない」と涙を流しながら反省の弁を述べていた時は、エースとしての仕事が果たせなくて悔しかったんだろうと思います。もしプロになった時は、高校時代にできなかった胴上げ投手を実現できるといいですね。
敗れた日本文理は9回の猛追もあと一歩及ばず準優勝と言う結果になりました。それでも最後まで諦めなかった選手たちの姿に、甲子園の観客や全国の視聴者、新潟県民に興奮と感動を与えてくれました。新潟県勢が甲子園の決勝まで進んだのはとても素晴らしいですよ。中でも一番活躍したのは、2番打者の高橋隼選手は5打数4安打、2回には反撃のホームラン、9回に猛攻の口火を切るタイムリーを打ち、堂林投手から2打点挙げました。
今年も15日間に渡った高校球児たちの熱き戦いが幕を下ろしました。花巻東の菊池投手に注目が集まり、初戦は3被弾と不安を残したものの、2戦目以降は調子を取り戻してきました。しかし準々決勝で背中を痛めて途中降板、準決勝で一度登板したものの中京打線の勢いを止められず。菊池投手の涙とともに花巻東の夏が終わり、東北勢の悲願は持ち越しとなりました。ケガに泣いた菊池投手、秋のドラフトで11球団の指名が予想されているそうなので、今後も話題を呼びそうです。
菊池フィーバー、古豪・中京大中京の復活、日本文理の猛反撃と様々な出来事がありました。来年はどんなドラマが待っているのか…。中京大中京の選手の皆さん、優勝おめでとうございます。そして今年甲子園に出場した選手の皆さん、本当にお疲れ様でした。




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