「2012プロ野球日本シリーズ・北海道日本ハムファイターズVS読売ジャイアンツ」は31日、札幌ドームで第4戦が行われました。ここまでの対戦成績は巨人2勝1敗、第3戦は打線が覚醒した日本ハムが勝利し、巨人の王手を阻止。第4戦は日本ハムが21歳の中村勝、巨人は20歳の宮國椋丞(みやぐにりょうすけ)が先発。若手投手対決の投手戦から始まったこの試合は、1点を争う緊迫した展開となり、延長戦までもつれ込みました。
第4戦のスタメン
北海道日本ハム
1(中)陽 岱鋼
2(二)今浪隆博
3(右)糸井嘉男
4(左)中田 翔
5(指)稲葉篤紀
6(三)小谷野栄一
7(一)ホフパワー
8(捕)鶴岡慎也
9(遊)金子 誠
(投)中村 勝
巨人
1(右)長野久義
2(中)松本哲也
3(遊)坂本勇人
4(指)高橋由伸
5(三)村田修一
6(一)小笠原道大
7(左)矢野謙次
8(二)古城茂幸
9(捕)實松一成
(投)宮國椋丞
巨人は前日の試合で負傷した阿部慎之助が大事を取って欠場。代わりに高橋が4番に入り、実松がスタメンマスクを被りました。
巨人は1回、先頭の長野のセンター前ヒット、松本の犠打、坂本のヒットで1死1,3塁と日ハム先発・中村の立ち上がりを攻め立てます。しかし、高橋が遊撃フライ、村田は1塁ファウルフライと4,5番が相次いで凡退し無得点。中村は立ち上がりのピンチを何とか抑え切りました。
巨人先発の宮国は、3回まで日ハム打線を1安打無失点に抑えますが、4回に2死1塁から中田と稲葉に連続四球を与え、満塁の大ピンチを背負います。日ハムは絶好の先制のチャンスに小谷野に打席が回るも、宮国のシュートを打ち上げて1塁ファウルフライ。宮国の前に1点も取れず3者残塁。
5回以降も中村と宮国の好投が続き、中村は5回に矢野にヒットを許すも、後続を抑えて無失点。6回には長野にヒットを浴び、松本の犠打で1死2塁と得点圏に走者を背負いますが、坂本レフトフライ、高橋をストレートで空振り三振を奪い無失点。7回にはこの試合3度目の3者凡退に抑え、7回無失点。対する宮国は、6回に糸井にライトへの2塁打を許しますが、中田翔を遊撃ゴロに打ち取り3アウト。こちらも7回まで日ハム打線に得点を許しません。
8回終了時点でスコアレスのまま9回に入り、巨人は1死から高橋が日ハム3番手・武田久からライト前ヒットを放つと、続く村田もライト前ヒット。2死後、矢野が四球を選んで満塁とチャンスが拡がり、石井義人が代打で登場。石井は武田の3球目のストレートを上手く捉え、打球はレフトへ飛び、左中間を破るかと思われたが、日ハム左翼手・中田の守備範囲に阻まれてレフトフライ。抜ければ2点は確実に入っていた。巨人はビッグチャンスを逃し無得点。
その裏、日ハムは巨人3番手・山口鉄也の前に2死とされますが、稲葉がレフトへの2塁打、小谷野のライト前ヒットで1,3塁とサヨナラのチャンスを作り、代打・二岡智宏敬遠で2死満塁としますが、代打・杉谷拳士が2塁ゴロで凡退し3アウト。日ハムも満塁のチャンスを活かせず、両チーム無得点のまま今シリーズ初の延長戦に突入。
日ハムは10回から4番手・増井浩俊が登板し、2イニングを投げて無失点と盤石のリリーフ。対する巨人は11回、4番手で登板した高木京介が中田翔を直球で見逃し三振に仕留めると、稲葉にはカーブで空振り三振を奪い、日ハムクリーンナップを3者凡退に退けます。延長12回、日ハム5番手・宮西尚生が巨人の下位打線を相手に3者連続三振を奪い、その裏の日ハムの攻撃では、1死1塁から大野奨太の犠打を1塁ベースカバーに入っていた巨人2塁手・藤村大介が落球。1死1,2塁の場面で、飯山裕志が巨人5番手・西村健太朗の2球目のストレートを振り抜き、レフトへの打球は左中間を抜ける!2塁走者・中島卓也が生還して勝負あり!延長12回に均衡を破った日ハムが1-0でサヨナラ勝利を収めました!
試合結果 日本シリーズ 2012/10/31(水)
日本ハム-巨 人 4回戦 (2勝2敗、札幌ドーム、18:30、40433人)
G 000 000 000 000 0
F 000 000 000 001x 1
(延長12回)
【投手】
(巨)宮国、福田、山口、高木京、西村-実松
(日)中村、石井、武田久、増井、宮西-鶴岡、大野
【責任投手】
(勝)宮西3試合1勝
(敗)西村1試合1敗
次世代エース候補同士がどちらも無失点の好投を見せ、9回にどちらも満塁のチャンスを逸して無得点のまま延長戦にもつれこんだ第4戦は、延長12回に伏兵・飯山選手の決勝タイムリーで日本ハムがサヨナラ勝ち!速いテンポで試合が進み、もしかしたら夜9時前に終わっちゃうんじゃないかと思われましたが、試合時間4時間16分。2試合連続の4時間越えですよ。普段21時に始まる「ホンマでっかTV」も、2時間遅れの夜11時にスタートしました。日ハムはホームに戻ってから2連勝、対戦成績を2勝2敗の五分に戻しました。大きな1勝を挙げた日ハム、シリーズの流れはハムに傾きつつあります。
先発を務めた中村投手と宮国投手は、初めての日本シリーズで素晴らしいピッチングを見せました。宮国投手は7回まで100球を投げて被安打3・4奪三振・2与四死球・無失点。4回に満塁のピンチを作ってしまいましたが、小谷野選手を打ち取りピンチを凌ぎ、その後も日ハム打線を沈黙させました。一方の中村投手は77球を投げて被安打5・3奪三振・無四球。立ち上がりのピンチを絶ち切った後は、巨人打線を寄せ付けず。
試合を決める一打を放った飯山選手は、9回の守備から出場し、12回の2打席目に巨人の守護神である西村投手から左中間へのタイムリーを打ちました。普段は守備固めでプレーしているプロ15年目の苦労人がバットで大きな仕事を果たし、一夜にしてヒーローとなりました。
巨人は阿部選手の不在が大きく影響し、0点で敗れました。初回と9回に得点のチャンスがありながらもあと1本が出ませんでしたね。4番に座った高橋選手が4打数1安打、スタメン出場の小笠原選手は5打数ノーヒットに終わりました。7回の第3打席ではライトへの大きな当たりを放ったけど、スタンドまであと一歩届かずフライアウト。12回裏の藤村選手のエラーがサヨナラ負けに大きく繋がりました。普通に捕ればアウトのはずなのに、まさか落球するとは…。たった1個のミスで勝敗が決まるのも、野球の恐ろしさといえよう。
日本シリーズも4試合終えて2勝2敗。お互いホームでの試合で勝っており、内弁慶シリーズの様子を呈している感じがします。勝った方が日本一に王手をかける第5戦は、日本ハムが吉川光夫、巨人・内海哲也が先発予定。2人は初戦で投げ合い、内海投手は7回無失点の好投で勝利投手、吉川投手は4回5失点でKOされました。一部報道では杉内俊哉投手が、第5戦に先発するか思われましたが、左肩の違和感により登板NGのようです。阿部に続き杉内もアウトなら、巨人はさらに苦しい戦いを強いられそう。先に王手をかけるのは、サヨナラで波に乗る日ハムか?手負いの巨人か?