2014ブラジルW杯アジア最終予選・オマーンVS日本が14日、オマーンの首都マスカットにある「スルタン・カーブース・スポーツコンプレックス」で行われました。サッカー日本代表はこの最終予選を4試合終えて3勝1分け・勝ち点10で現在グループBの首位。もし今回の試合で勝てば、5大会連続の本大会出場に王手が掛かります。オマーンとは今年6月のホームでの試合で対戦し、日本が3-0で快勝しました。今回のアウェー戦は、11月なのに気温30度以上の猛暑の中での戦いなので、非常に苦しい戦いが予想されました。
スタメンはこちら。
GK 1 川島永嗣
DF 5 長友佑都
DF 15 今野泰幸
DF 21 酒井宏樹
DF 22 吉田麻也
MF 4 本田圭佑
MF 7 遠藤保仁
MF 8 清武弘嗣
MF 9 岡崎慎司
MF 17 長谷部誠
FW 18 前田遼一
試合直前の合宿で腰を痛めた駒野友一に代わり、右サイドバックには酒井宏樹を起用。清武が左の中盤に入り、FWは前田1トップ。
日本ボールで始まったこの試合、前半8分に左サイド・長友のスローインから岡崎がペナルティエリア手前からファーストシュートを放ちますが、大きく外します。前半10分、オマーンは自陣でボールを奪ってからカウンターを仕掛け、右サイドでボールを繋ぎます。その後、スローインからDFラインを抜け出したアルアジミのラストパス→左からフリーで上がって来たドゥールビーンが右足シュートを打つが、ゴール上に外してしまう。オマーン、絶好の先制のチャンスを逃した。日本は16分、本田のパスを受けた岡崎のシュートはGKにキャッチされ、17分には清武のクロス→岡崎が頭で合わせるもオマーンGK・アルハブシの手に阻まれ、こぼれ球を前田が詰めるも押し込めない。迎えた前半20分、今野が浮き球の縦パス→抜け出した長友がグラウンダークロス→清武の左足シュートが決まり、日本が1点を先制します!
1点を追うオマーンは、27分に左サイドスローインからアルアジミがオーバーヘッドを見せるが、サイドネットに当たる。対する日本は29分、清武のクロス→前田が飛び込むも届かず。38分、オマーンの左サイド・アルゲイラニのクロスをアルアジミがヘディングシュート。ボールはポスト左を直撃し、こぼれ球を長友が間一髪クリア。その1分後にはアルホスニのオーバーヘッドキックが今野の顔面に直撃。前半アディショナルタイム、サレハの右足シュートはGK川島の正面。前半は日本が清武のゴールによる1点リードで折り返します。
後半に入り、立ち上がりからオマーンが反撃に出ます。後半2分、FKをサッラムが蹴るも前田にクリアされる。後半5分、ムバラクが中央から右足の無回転気味のミドルを放ったが、GK川島のパンチングに阻まれる。対する日本は後半16分、左サイドでボールを繋ぎ、長友がクロスを入れ、清武がシュートを放つも、上手く押し込めずGKに押さえられた。後半17分、前田を下げて酒井高徳を投入。高徳は左SBに入り、長友は左の中盤、本田はトップに入った。後半21分、清武→長友折り返し→本田ヒールパス→清武が狙うも決まらず。
後半30分、日本は左サイドを突破した長友が、勢いそのままにペナルティエリア内に進入するが、折り返しのボールは味方に通らず。逆にオマーンがカウンターを敢行し、吉田がアルマクバリを倒してFKを献上。オマーン絶好の位置でのFKをムバラクがグラウンダーで狙い、ボールはそのままゴールに吸い込まれた。これで試合は1-1の同点。勢いづくオマーンは35分、GK・アルハブシが前線へロングキックを入れ、アルマクバリがDFラインを抜け出すが、飛び出した川島がスライディングで止め、高徳がクリア。
このまま引き分けで終わるかと思われた後半44分、日本は左サイドで高徳がクロスを上げると、ゴール前にいた遠藤が右足を伸ばし、最後は岡崎が押し込みゴール!後半終了間際に日本に勝ち越しゴールが生まれた!岡崎のゴールが決勝点となり、2-1で日本がアウェーで劇的勝利!
内田篤人、香川真司といった主力がケガで不在、気温35度越えの猛暑の中で行われた試練の一戦は、中東でのアウェー戦らしく非常に苦しい戦いを強いられました。前半に清武選手のゴールで先制しながらも、オマーンに2度の決定機を作られ、後半には吉田選手のファウルからFKで失点されました。これでオマーン代表も息を吹き返し、サポーターの応援も最高潮に達していました。しかし、後半44分に岡崎選手がスタジアムを静まりかえらせる値千金の決勝ゴールで勝負あり。日本が厳しい戦いを制し、アウェーで大きな勝ち点3を獲得。これで日本は5試合戦って4勝1分け・勝ち点13となり、ブラジルW杯本大会出場に王手をかけました!
この試合ではロンドン五輪組の2人が結果を残しました。前半20分に先制点を挙げた清武選手は、これがフル代表初ゴール。クロスでチャンスを演出したり、シュートを果敢に狙ったりと香川選手の穴を埋めようと奮闘しました。後半途中出場の酒井高徳選手は、終了間際に上げたクロスが決勝点に繋がりました。フル代表2試合目で初めて仕事をきっちり果たし、勝利に大きく貢献しました。それにしても長友選手が先制点をお膳立てしたり、高徳選手が見せ場を作ったりと、日本の左サイドバックは本当に素晴らしい!
決勝ゴールを挙げた岡崎選手は、この最終予選2得点目。オマーン戦ではホームの試合に続いてのゴールです。暑い中終始動き回ったことで「正直バテバテだった」そうですが、疲労困憊の中執念で押し込みました。10月に左足親指を骨折しましたが、代表復帰戦で完全復活をアピールしました。
2012年の最終戦を白星で飾ったザックJAPAN。今年は12試合で8勝2分け2敗という成績で終了しました。3次予選でウズベキスタンに敗れてホーム初黒星を喫し、最終予選では同組のライバルを圧倒してぶっちぎりの首位。10月のヨーロッパ遠征では、フランスに歴史的勝利を挙げたけど、ブラジル戦では0-4の完敗。フランス戦の時は勝った事が信じられない気分だったけど、ブラジルとの試合は厳しい現実を突きつけられたような感じでした。
来年は2月6日のラトビアとの親善試合から始まり、3月26日にはW杯最終予選第6戦・ヨルダン戦が控えています。6月にはオーストラリア(4日・ホーム)&イラク(11日・アウェー)との2連戦もあります。ヨルダン戦に勝てば、本大会出場が決定するので、早い内にブラジル行きの切符を掴める事を祈るばかりです。W杯予選の後はブラジルW杯の前哨戦・コンフェデレーションズカップに参戦。世界の強豪を相手に「アジア王者」の意地を見せられるか楽しみです。