2015年に活躍した競走馬と、騎手・調教師を表彰する「2015年度JRA賞」の受賞馬選考委員会が6日に行われ、年間6戦6勝の成績を挙げたモーリスが年度代表馬に選ばれました。
各部門の受賞馬
年度代表馬&最優秀短距離馬=モーリス(美浦・堀宣行厩舎)
モーリスは4月のダービー卿チャレンジトロフィーを勝ち、3連勝で重賞初制覇を飾ると、安田記念で初めてのGⅠタイトルを獲得。秋にはマイルチャンピオンシップを快勝し、12月の香港マイルではエイブルフレンドを破りGⅠ3連勝を達成しました。記者投票では215票を集め、「最優秀短距離馬」との2冠獲得です。
最優秀2歳牡馬=リオンディーズ(栗東・角居勝彦厩舎)
リオンディーズはデビュー2戦目の朝日杯フューチュリティステークスで、最後方から一気のごぼう抜きで優勝。今年春のクラシックでも派手なパフォーマンスを期待したいところ。
最優秀2歳牝馬=メジャーエンブレム(美浦・田村康仁厩舎)
2歳女王に輝いたメジャーエンブレムが満票で受賞。ここまで4戦3勝、連対率100%。3歳牝馬戦線の主役は間違いなくこの馬だ。
最優秀3歳牡馬=ドゥラメンテ(美浦・堀宣行厩舎)
ドゥラメンテは皐月賞と日本ダービーの2冠を制した後、骨折により長期休養中、今年3月の中山記念で復帰予定。今年はドバイに参戦し、秋には凱旋門賞に挑戦するプランもあるんだとか。
最優秀3歳牝馬=ミッキークイーン(栗東・池江泰寿厩舎)
オークスではルージュバックを一蹴すると、秋華賞ではオークス馬の貫禄を見せつけてGⅠ2勝目。記者投票でも満票を獲得しました。
最優秀4歳以上牡馬=ラブリーデイ(栗東・池江泰寿厩舎)
ラブリーデイは年度代表馬を逃したものの、「最優秀4歳以上牡馬」を受賞。中山金杯で重賞初勝利を挙げると、京都記念ではキズナとハープスターを撃破。その後、宝塚記念と秋の天皇賞を制覇し、この1年間で重賞競走を6勝しました。
最優秀4歳以上牝馬=ショウナンパンドラ(栗東・高野友和厩舎)
ジャパンカップを勝ったショウナンパンドラが、GⅠ2勝のストレイトガールを抑えて、最優秀4歳以上牝馬の座を獲得。
最優秀ダートホース=コパノリッキー(栗東・村山明厩舎)
混戦と言われた「最優秀ダートホース」は、コパノリッキーが選出。フェブラリーステークスで史上初の連覇を達成。骨折で半年休養した後、JBCクラシックで完勝して復活を印象付けました。
最優秀障害馬=アップトゥデイト(栗東・佐々木晶三厩舎)
アップトゥデイトは中山グランドジャンプ、中山大障害など重賞3勝をマーク。ジャンプレース界から久しぶりに「絶対王者」誕生です。
騎手・調教師部門
《調教師部門》
最多勝利調教師=堀宣行調教師(美浦) 56勝
最高勝率調教師=堀宣行調教師(美浦)0.234
最多賞金獲得調教師=池江泰寿調教師(栗東)19億3147万9600円
優秀技術調教師=松永幹夫調教師
《騎手部門》
最多勝利騎手=戸崎圭太騎手(美浦・田島俊明厩舎) 130勝
最高勝率騎手=クリストフ・ルメール騎手(栗東・フリー)0.195
最多賞金獲得騎手=ミルコ・デムーロ騎手(栗東・フリー)28億314万6,000円
MVJ=戸崎圭太騎手
最多勝利障害騎手=五十嵐雄祐騎手(美浦・フリー)11勝
最多勝利新人騎手=鮫島克駿騎手(栗東・浅見秀一厩舎)39勝
騎手・調教師部門では、堀宣行調教師が最多勝利調教師と最高勝率調教師の2冠を獲得。堀厩舎はモーリスとドゥラメンテのほかに、リアルインパクトが豪州GⅠ・ジョージライダーステークスを勝てば、アルバートもGⅡのステイヤーズステークスで圧勝。正しく堀厩舎イヤーとも言える1年でした。
騎手部門では130勝を挙げた戸崎騎手が2年連続の全国リーディングジョッキーを獲得。「JRA移籍1年目」のミルコ・デムーロ騎手は、重賞競走で10勝を挙げると、GⅠ競走も皐月賞、ダービー、チャンピオンズカップ、朝日杯FSと4勝をマークしました。2016年もミルコが大レースでの勝負強さを発揮しそうです。
2015年の競馬界は、エピファネイアやキズナ、ゴールドシップといったスターホースが去った一方で、モーリスやラブリーデイ、有馬記念を制したゴールドアクターといった「叩き上げ」タイプの馬が活躍しました。特にモーリスなんかは、1000万下の条件馬から、破竹の快進撃で「アジア№Ⅰマイラー」、そして年度代表馬まで手にしました。短距離・マイル路線から年度代表馬に選出されたのは、タイキシャトル、ロードカナロアに次いで3頭目です。モーリスの快進撃は今年も続くでしょうか?