競馬ファンの皆様、明けましておめでとうございます。2016年の中央競馬の開幕のときがやってまいりました。開幕日の1月5日は、新春恒例の東西金杯が行われました。今年最初の重賞ウィナーはどの馬に輝いたのでしょうか?
中山競馬場のメイン競走は、第65回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ・芝2000m)。昨年はラブリーデイがこのレースを勝った後、宝塚記念と秋の天皇賞を制覇。ラブリーデイの大躍進イヤーはここから始まりました。今年は14頭が出走しましたが、⑨ベルーフが本馬場入場時に放馬してしまい競走から除外。13頭立てに変更となりました。チャレンジカップで重賞初制覇を飾った⑩フルーキー、4歳になった⑤ヤマカツエースと⑥ブライトエンブレム、京成杯オータムハンデを勝った⑧フラアンジェリコ、昨年はシンガポールのGⅠ競走に挑戦した⑦マイネルフロスト、重賞初挑戦④ネオリアリズム、③ステラウインドなどが参戦しました。
横一線のスタートで始まったこのレース、マイネルフロストと②スピリッツミノルの先行争いから、フロストが前に出る。ネオリアリズムは4番手、ヤマカツエース5番手、ブライトエンブレム7番手、フルーキー8番手でスタンド前を通過しました。
1,2コーナーから向正面に出て、フロストが単騎で逃げ、スピリッツが2番手、ステラウィンド3番手。折り合いを欠く4番手のリアリズム、すぐ後ろの5番手にヤマカツ、6番手ブラエン、7番手にフラアンジェリコ。8番手①ロンギングダンサー、フルーキーは9番手追走。10番手に⑬マイネルディーン、11番手⑭ライズトゥフェイム、12番手⑪メイショウカンパク、最後方⑫バロンドゥフォールという展開。
縦長の状態で向正面中間点を過ぎ、積極果敢に逃げるマイネルフロストは、前半1000mを1分2秒台で通過。これはゆったり過ぎる。スピリッツミノルが2番手追走、外に出したヤマカツエースが4番手に押し上げ、ブライトエンブレムは中団馬群に控え、フルーキーはまだ中団より後ろのポジションにいる。4コーナーから最後の直線コースに差し掛かり、逃げるフロストにヤマカツとステラが追いかける。後続からフルーキーが脚を伸ばすが、逆転は厳しいか?ゴールまで残り100mのところでヤマカツエースがマイネルフロストを捕らえて先頭でゴール!2016年最初の重賞ウィナーはヤマカツエースです!
関東の最初の重賞競走・中山金杯は、単勝3番人気のヤマカツエースが優勝。スタートから逃げ続けたマイネルフロストを、ゴール前で差し切りました。スローペースで逃げたマイネルフロストは2着に粘り、1番人気のフルーキーは直線猛追するも3着まででした。2番人気・ブライトエンブレムは6着に終わっております。
なお、レース前に暴れて競走除外となったベルーフは、「左前肢挫創」というケガを負いました。報道などによると、メンコを外そうとしたときに馬具が外れて興奮状態に陥り、無人のウイナーズサークルに激突したとのこと。池江泰寿調教師には馬装について注意義務を怠ったとして過怠金10万円が科せられました。池江調教師と鞍上のフランシス・ベリー騎手は中山金杯3連覇がかかっていましたが、アクシデントにより3連覇が潰えたのでありました。
優勝したヤマカツエースは、昨年11月の福島記念に続いての重賞連勝で通算3勝目。中山金杯初勝利の池添謙一騎手は、昨年の京都金杯に引き続き「金杯連覇」を達成しました。ヤマカツエースは2000mで2勝・3着1回。中山コースは2戦2勝。小回りコースの相性が良いみたいで。この次は3月の中山記念に向かうってこともありそうだな。昨年のラブリーデイのように、金杯からGⅠホースへと登り詰めることができるかどうか…。
京都メイン・第54回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ・芝1600m 17頭立て)は、今年こそはスターの仲間入りを果たしたい⑯トーセンスターダム、重賞で3着2回⑨オメガヴェンデッタ、前走チャレンジカップ3着③シベリアンスパーブ、一昨年の勝ち馬⑫エキストラエンド、さらにはGⅠ3勝⑤メイショウマンボ、阪神カップからの連闘となる⑪ダイワマッジョーレ、⑦ウインプリメーラ、⑮タガノエスプレッソ、⑩マジェスティハーツ、⑬マーティンボロなどが出走しました。
スタートでトーセンスターダムが出遅れてしまい、最後方からの競馬となる。⑭テイエムタイホーが好スタートを切ったが、最内枠の①ニンジャが先手を奪い取る。2番手に⑤ミッキーラブソング、その後ろの3番手グループには②バッドボーイ・・ウインプリメーラ・④ケイティープライドの3頭が固まっている。シベリアンスパーブが6番手に下がり、テイエムタイホー7番手、8番手に⑧エイシンブルズアイ。中団の9番手にタガノエスプレッソ、10番手メイショウマンボ、11番手にオメガヴェンデッタ。外の12番手にマーティンボロ、内側13番手エキストラエンド。後方グループはトーセンスターダム・マジェスティハーツ・ダイワマッジョーレ・ドリームバスケットの4頭が一団を形成している。
外回り3コーナーに入り、後方待機のマーティンとスターダムが一緒に進出開始。前の方ではニンジャが単独先頭、ラブソング2番手、プリメーラとバッドボーイが3,4番手で並ぶ。ヴェンデッタとスターダムはまだ中団。
最後の直線コースを向いて、ニンジャが先頭をひた走るが、後続からミッキーラブソング、ウインプリメーラ、テイエムタイホーが襲い掛かる。トーセンスターダムとオメガヴェンデッタは苦しい。ラスト100mでプリメーラが抜け出し、タイホーが2番手に上がってプリメーラに詰めるも、ウインプリメーラが先頭ゴールイン。ウインプリメーラが8度目の重賞挑戦でついに初制覇を果たしました。
京都金杯は、単勝2番人気だったウインプリメーラが勝利。序盤から4番手あたりでレースを進め、直線で逃げるニンジャをかわすと、テイエムタイホーの追撃を抑えました。2着のテイエムタイホーは13番人気の伏兵、3着には7番人気のミッキーラブソングが入り、3連単「⑦-⑭-⑥」で34万7,310円の高配当決着となりました。1番人気だったトーセンスターダムは、スタートで後手を踏んだのが大きく響いて10着。プリメーラと同率2番人気だったオメガヴェンデッタは12着という結果でした。
勝ったウインプリメーラは、2015年のパールステークス以来の勝ち星を挙げ、通算でも5勝目。重賞ではこれまでチューリップ賞2着、昨年の小倉記念の3着という実績がありました。牝馬が京都金杯を勝ったのは、2000年のキョウエイマーチ以来16年ぶり。この年は2000mからマイル戦に移行して最初の年でした。プリメーラに騎乗した川田将雅騎手も、この勝利で東西金杯を制することになりました。馬主の株式会社ウインは、昨年のウインフルブルームに続き、同レースの連覇達成です。
2016年の中央競馬は9日か本格始動。10日は京都競馬場で明け3歳最初の重賞競走「シンザン記念」が行われ、11日には3歳牝馬の重賞競走「フェアリーステークス」が予定されています。そして6日は、2015年度JRA賞が発表されます。年度代表馬に選ばれるのは日本と香港のGⅠを制したモーリスか?それとも中距離GⅠ2勝・ラブリーデイか?