新春恒例のスポーツイベント・第92回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は、2日に往路(5区間・107.5キロ)が行われました。今年は前回優勝校・青山学院大学、全日本大学駅伝を制した東洋大学、8年ぶりの優勝を狙う駒澤大学、古豪・早稲田大学、明治大学、初出場の東京国際大学、オープン参加・関東学生連合を含めた21チームが出場。優勝争い、シード権争いを占う初日の往路はどうなったのか?
午前8時、東京・大手町の読売新聞社前を21チームの1区のランナーが一斉にスタート。中央学院・潰滝大記が先頭集団を引っ張り、入りの5区を14分13秒で通過。7.5キロ過ぎに中央大・町澤大雅が集団から飛び出したが、すぐに追いつかれた。8キロ過ぎたところから、法政大、上武大、東国大などが集団から遅れだし、11キロ過ぎには駒澤大も先頭グループから脱落。
16キロを通過したところで、青学大・久保田和真がスパート。明治・横手健が必死に食らいつくが、18キロ過ぎに久保田が引き離し、独走態勢に入る。後続に差をつけた久保田は、鶴見中継所をトップで通過。トップから22秒遅れで明治が2番手、その後、拓殖大と中央大がほぼ同時でリレーし、早稲田は5番手、東洋は7番手、駒大は14番手と出遅れた。東京国際大学は1区は17位。
エースランナーが集う2区、青学大・一色恭志が先頭をひた走る中、10位でタスキを受けた山梨学院大・ニャイロが、2.5キロ時点で7人を抜いて3位まで押し上げると、6.2キロ過ぎには明治・木村慎をかわし、8人抜きで2位まで浮上してきた。東洋・服部勇馬も7位から3位まで浮上。そして13位でタスキを受けた駒大・工藤有生が、快調な走りで5位集団に追いつく。
後半に入り、東洋・勇馬と山学大・ニャイロの2位争いが繰り広げられる。13キロ手前で勇馬がニャイロを捕らえるが、16キロ過ぎにニャイロが引き離して再び単独2位。しかし、18.7キロのところで再び勇馬が追いつき、19.7キロ辺りで勇馬が2位を奪った。
青学・一色は先頭を譲らぬままトップで戸塚中継所に入り、3区の秋山雄飛にタスキリレー。22秒遅れて東洋・服部勇馬が弟の弾馬にたすきを渡す。山学大・ニャイロはトップから58秒差の3位。駒大・工藤は6位で通過。1区で4位の中央は13位、5位の早稲田は15位まで順位を落とした。
3区、逃げる秋山雄飛に対し、服部弾馬が追いかけるが、遊行寺坂(5.5キロ)で49秒差、茅ヶ崎(14.3km)で1分15秒差まで開く。後続では一方、明治・坂口裕之がブレーキを起こし、4位からズルズルと順位を下げてしまう。3位争いでは、6位でタスキを受けた駒澤・中谷圭佑が3位の山梨学院・上田健太に一旦は並んだが、18キロ手前で上田が中谷を振り落とした。
快調なペースで走り続ける青学・秋山は、2位に大差をつけて平塚中継所をトップで4区のランナーにつないだ。弾馬は1分35秒遅れて2番手でタスキ渡し。山梨学院は3位キープ、駒澤は4位、中学大・塩谷桂大が4人抜きで5位まで押し上げ、明治は12位まで順位を落とした…。
往路最短区間の4区、首位の青学大・田村和希も快走を見せ、10キロを29分35秒で通過。2位の東洋・小笹椋も頑張ってはいるが、青学との差を詰められず、15キロ過ぎまでに2分以上も開いてしまった。
青学・田村の脚色は最後まで衰えず、小田原中継所で往路アンカー・神野大地にタスキリレー。18.5キロを55分17秒で駆け抜けた。東洋大は青学から2分28秒差の2位で通過し、山梨学院、駒大と続き、5位以降は中央学院・順天堂・早稲田・日本体育大・城西大・拓殖大・帝京大と1分以内に6チームが続々と通過した。
山登り区間の5区、青学の神野は、最初の5キロを15分00秒、10キロを32分15秒で通過する。後続では激しい順位変動があり、駒大・大塚祥平が山梨学院を抜いて3位に上がり、小田原中継所を13位でタスキを受けた東海大・宮上翔太が7人を抜いて、一時は6位まで浮上。14位でタスキを受けた日大・キトニーは、神野を上回るペースで前のランナー達を次々と抜き去り、17.4キロで宮上をかわし、0人抜き(学生連合含む)で6位までジャンプアップ。逆に中央学院・山本拓巳は苦しい走りを見せ、5位からシード圏外まで落ちた。
先頭の青学・神野は、終盤お腹を押さえる場面も見られたが、最後までトップの座を守りきり、FINISH地点の芦ノ湖をトップでゴールイン!青山学院大学が圧倒的な強さで往路優勝を果たしました!
往路成績
1位 青山学院大学 5:25:55
2位 東洋大学 5:28:59
3位 駒澤大学 5:31:15
4位 山梨学院大学 5:33:24
5位 早稲田大学 5:34:17
6位 日本大学 5:34:28
7位 順天堂大学 5:35:39
8位 東海大学 5:35:45
9位 帝京大学 5:36:36
10位 拓殖大学 5:37:42
11位 城西大学 5:37:42
12位 東京国際大学 5:38:06
13位 日本体育大学 5:38:12
14位 中央学院大学 5:38:19
15位 神奈川大学 5:40:36
16位 中央大学 5:41:08
17位 明治大学 5:43:22
18位 上武大学 5:44:37
19位 法政大学 5:45:54
20位 大東文化大学 5:48:48
OP 関東学生連合 5:39:01
区間賞
1区:久保田和真(青山学院大) 1時間1分22秒
2区:服部勇馬(東洋大) 1時間7分4秒
3区:秋山雄飛(青山学院大) 1時間2分24秒
4区:田村和希(青山学院大) 55分17秒
5区:ダニエル・ムイバ・キトニー(日本大) 1時間18分24秒
箱根駅伝の往路は、青山学院大学が2年連続2度目の往路優勝。1区から首位の座を守り切り、2位に大差をつけての圧勝でした。往路完全優勝は、第81回大会の東海大学以来、実に11年ぶりの快挙です。2位の東洋大学は、2区の服部勇馬選手が区間賞を獲得するも、最後は3分4秒差をつけられました。3位の駒澤大学は、1区で13位と出遅れましたが、その後に巻き返しました。
9人抜きの快走で5区区間賞を獲得したキトニー選手を擁する日本大学は6位。10位・拓殖大と11位・城西大学は同タイム。初出場の東京国際大学は往路12位と大健闘。シード権争いは、7位・順天堂から14位・中央学院まで3分以内にひしめき、10位から14位まで37秒差と混戦模様。東京国際大は初出場でシード権獲得なるか?上位進出が期待されていた明治大学は、3区と5区がブレーキを起こし、まさかの往路17位。シード確保は厳しいか?
青学大は5区間のうち、3選手が区間賞を獲得。1区の久保田選手が流れを引き寄せ、2区以降のランナーも久保田選手の力走に応え、後続との差を拡げました。4区・田村選手は2年連続で区間賞をマーク。5区を走った「新・山の神」神野選手は、昨年2月に左大腿骨を疲労骨折すれば、6月は右すねを疲労骨折。それでも2度の疲労骨折を乗り越え、箱根で復活を果たしました。往路で完勝しましたが、復路にも力のある選手が揃えているので、2年連続総合優勝も夢ではないかも。
3日の復路は、午前8時に青学大が復路スタート地点の芦ノ湖を出発すると、3分4秒後に2位・東洋大、5分20秒後に3位・駒澤大がスタート。首位がスタートしてから10分後に、9位・城西大以降の13チームが一斉にスタートします。往路王者・青学大がこのまま逃げ切るか、或いは王座奪還を狙う東洋大が3分4秒の差をひっくり返すか?そして、10位までに与えられるシード権争いを制すのはどの学校か?