バレンタインデーの14日は、東京競馬場で3歳馬の重賞競走「共同通信杯」、京都競馬場は古馬の中距離重賞「京都記念」が行われました。
京都メイン・第109回京都記念(GⅡ・芝2200m 15頭立て)は、京都記念を勝った⑨レーヴミストラル、中山金杯覇者①ヤマカツエース、エリザベス女王杯3着⑥タッチングスピーチ、不振脱出を目指す元ダービー馬⑩ワンアンドオンリー、昨年のダービー3着馬⑦サトノクラウン、他にも②アドマイヤデウス、④ショウナンバッハ、③トーセンレーヴ、⑭スズカデヴィアスなどが参戦しました。
正面スタンド前でのスタートで、レーヴミストラルがやや出遅れる。先行争いでスズカデヴィアスがハナを奪い、サトノクラウンとワンアンドオンリーも先行策。タッチングスピーチは7番手辺り、ヤマカツエースは中団よりやや後ろ、レーヴミストラルは最後方でスタンド前を過ぎていった。
1・2コーナーを回り、向正面に入ったところで、先頭はスズカデヴィアス、2番手にサトノクラウン、ワンアンドオンリーは3番手。外側の4番手に⑬ミュゼゴースト、5番手トーセンレーヴ。6番手集団には、内側アドマイヤデウス、真ん中にヤマカツエース、外側⑮コスモロビン。さらに⑤トウシンモンステラと④ショウナンバッハも集団に加わる。タッチングスピーチは11番手。その後ろには、⑧マイネルディーン、⑫ヒストリカル、⑪トラストワンの3頭が横並び。レーヴミストラルはポツンと最後方を追走。集団から離れてるけど大丈夫か?
外回り3コーナーに差し掛かり、モンステラがデヴィアスを抜いて先頭に躍り出る。デヴィアスも前を譲らない構えだ。サトクラは3番手に控え、ワンオン4番手。デウスとトーセンレーヴも好位待機。ヤマカツは中団8番手、タッチングは外に出し、ミストラルはまだ最後方。日経新春杯で見せた豪脚は炸裂するのか?
勝負は最後の直線。今度はサトノクラウンが先頭に立つと、リードを拡げに掛かる。2番手争いは、内でスズカデヴィアスが粘るが、ヤマカツエース、タッチングスピーチ、アドマイヤデウス、ヒストリカルが上がってきた。レーヴミストラルは全く伸びない。ゴールまで残り100mを切り、サトクラが完全に抜け出し、タッチングが2番手に上がるも、サトクラが押し切ってゴールイン!休み明けのサトノクラウン、重馬場の京都記念を制しました!
伝統の古馬重賞・京都記念は、単勝6番人気のサトノクラウンが優勝。スタートから前の位置につけ、直線に入ったところで前に出ると、タッチングスピーチらの追撃を振り切り、2着に3馬身差をつけての快勝。2着争いの方は、3番人気のタッチングスピーチが2着に入り、3着にはアドマイヤデウス。2番人気のヤマカツエースは5着、1番人気のレーヴミストラルは直線見せ場無く12着に終わりました。今月で引退する松田博資調教師に勝利をプレゼントできませんでしたね…。橋口弘次郎厩舎のワンアンドオンリーも6着でした。
サトノクラウンは昨年3月の弥生賞以来、およそ1年ぶりの勝ち星を挙げ、重賞もこれが3勝目。デビュー3連勝の後、弥生賞で1番人気に推されながらも6着、日本ダービーでは3着、秋の天皇賞では17着と大敗。今回は前走から約3ヶ月ぶりのレースでしたが、見事に復活を果たしました。それにしてもサトクラは重馬場の適性が高いですね。この先は大阪杯→香港or宝塚記念へと向かうかも。2歳時から期待されている一頭なので、今年こそはGⅠタイトルを獲れるといいですね。
東京メイン・第50回共同通信杯(GⅢ・芝1800m)には、3歳馬10頭が出走。このレースはゴールドシップ、ディープブリランテ、イスラボニータ、ドゥラメンテと、最近はクラシックホースを多数輩出しています。今年はというと、ホープフルステークスを勝った⑩ハートレー、東京スポーツ杯2歳ステークスを勝った①スマートオーディン、京成杯3着⑥メートルダール、京都2歳ステークス2着②リスペクトアース、⑨イモータル、④ディーマジェスティなどが参戦しました。
スタートでポンと飛び出したリスペクトアースが先手を奪い、⑤ダンディーアローが2番手を追走。3番手にイモータル、4番手のスマートオーディンは折り合いを欠いている。5番手に③ピックミータッチ、6番手⑦ファイアクリスタル、7番手にディーマジェスティ、ハートレーは8番手を進む。その後は⑧キングオブアームズ、メートルダールと続く。
ゆったりとした流れで3コーナーを回り、先頭を行くリスペクトは1000mを60.0秒で通過。3,4コーナー中間~4コーナー手前でダンディーが接近。イモータルは3番手キープ、オーディンはまだ4番手。そしてハートレーが6番手まで進出。絶好の位置だ。
最後の直線に入り、リスペクトアースが内で粘るが、外からイモータルが迫る。スマートオーディンは3番手から前を追いかける。ハートレーは伸び脚を欠き、後方に下がってしまった。もはや万事休すとしかいえない。オーディンも苦しんでいる。そんな中、先頭争いの方は、イモータルが先頭に立ったと思いきや、残り100mでディーマジェスティが外から抜き去ってFINISH!ディーマジェスティ&蛯名正義してやったり!そして、スマートオーディンとハートレーは着外に沈みました。
クラシックの登竜門・共同通信杯は、ハートレーVSスマートオーディンの2強対決になるかと思われましたが、勝ったのは6番人気の伏兵・ディーマジェスティでした。2着には5番人気のイモータル、直線追い込んだメートルダールが3着。ダールは前走の京成杯に続いての3着。ブロンズコレクター臭が漂う。スマートオーディンは序盤で掛かってしまい6着、単勝1.3倍の1番人気だったハートレーは9着惨敗。勝てば無傷の3連勝、クラシックへ弾みがついたはずでしたが、大きく躓いてしまいました。レースの内容を見て思ったことは、メジャーエンブレムが共同通信杯に出ても勝てたと思う。
勝ったディーマジェスティは、美浦の二ノ宮敬宇厩舎に所属し、父・ディープインパクト、母・エルメスティアラという血統。デビュー2戦は2着続きでしたが、3戦目の未勝利戦でようやく初勝利。ハートレーが勝った昨年12月のホープフルステークスに出走予定でしたが、フレグモーネで出走取消。仕切り直しとなった今回、未勝利戦からの連勝で重賞初制覇を挙げました。素質馬揃いのレースに勝ったことで、大きな自信がついたかと思います。
この週末は府中で春のクラシックを占う一戦が2日連続で行われ、クイーンステークスではメジャーエンブレムが2歳女王の貫禄を見せ、共同通信杯は「関東の星」と言われたハートレーが惨敗。クラシックでの活躍が期待される関東馬2頭の明暗がクッキリと分かれました。ハートレーは今後、トライアルで巻き返しなるか?
来週は東京競馬場で、冬のダートマイル王決定戦・フェブラリーステークスが行われます。3連覇を狙うコパノリッキー、根岸ステークスを勝ったモーニン、東海ステークスを制したアスカノロマン、ダートGⅠ10勝のホッコータルマエ、3年前の勝ち馬グレープブランデー、昨年の3歳ダート王者ノンコノユメ、ダート女王・ホワイトフーガ、コーリンベリー、ベストウォーリア、4連勝中のスーサンジョイ、ゴールデンバローズなどダート界のトップホースが集結。豪華メンバー揃い踏みだから、白熱したレースになるかもしれません。リッキーの3連覇も見たいし、ノンコノユメ・モーニンの4歳勢が世代交代を起こすところも見てみたいですねぇ。