2016年最初のJRAのGⅠ競走・第33回フェブラリーステークス(GⅠ・ダート1600m 16頭立て)が21日、東京競馬場で行われました。連覇中の③コパノリッキーがJRA史上初の同一GⅠ3連覇の偉業に挑み、⑦ノンコノユメ・⑭モーニン・②ホワイトフーガ・⑪スーサンジョイの4歳勢が「世代交代」をかけて参戦。他にも、3年前の覇者⑩グレープブランデー、左回りには安定感がある⑤ベストウォーリア、東海ステークスを制した④アスカノロマン、JBCスプリントを制した⑧コーリンベリー、古豪⑯ローマンレジェンドなどダート界のトップホースが集結しました。
単勝の人気は、1番人気ノンコノユメ(2.4倍)、2番人気モーニン(5.1倍)、ベストウォーリアが3番人気(7.2倍)。4番人気以降はコパノリッキー(7.9倍)、ホワイトフーガ(9.0倍)、ロワジャルダン、④アスカノロマン、スーサンジョイ、⑬タガノトネールと続きました。
芝コースでのスタートは、16頭出遅れはなし。先行争いでコーリンベリーが前に出て、モンドクラッセが追走。コパノリッキーは先行争いから遅れたか?ダートコースに入り、コーリンベリー先頭、スーサンジョイが2番手を奪い、モンドクラッセ3番手、タガノトネールが外側4番手。5番手に⑥ロワジャルダン、6番手の位置にモーニンがいる、その後ろの7番手グループには、内側コパノリッキー、真ん中ベストウォーリア、外にグレープブランデーと3頭が横に拡がる。10番手グループは、①パッションダンス・ホワイトフーガ・アスカノロマンの3頭が横並び。少し離れた13番手にノンコノユメが追走。14番手ローマンレジェンド、⑮サノイチ15番手、⑫マルカフリートがしんがりという展開。
3,4コーナー中間点を過ぎ、コリベリ・スーサン・トネールの3頭が先頭集団を形成し、モーニンが5番手浮上。リッキーとウォーリアはまだ中団待機、ノンコは大外に持ち出して、直線での末脚に全てを賭ける!
最後の直線コースに差し掛かり、先頭争いはスーサンジョイとタガノトネールの2頭が並び、4番手からモーニン、さらにはロワジャルダンが追いかける。コパノリッキーは前が開かず苦しい。ノンコノユメはまだ後方でもがいている。ゴールまで残り200mを切ったところで、モーニンが集団から抜け出して先頭に躍り出る!2番手争いではロワジャルダンが出るが、ノンコとウォーリアが襲い掛かる。それらを尻目にモーニンが先頭でゴールイン!そして大外強襲のノンコノユメが2着を確保し、4歳勢が上位独占!
フェブラリーステークス 全着順&払戻金
1着⑭モーニン 1分34秒0
2着⑦ノンコノユメ 1馬身1/4
3着④アスカノロマン アタマ
4着⑤ベストウォーリア アタマ
5着⑥ロワジャルダン クビ
6着⑬タガノトネール 1馬身1/2
7着③コパノリッキー クビ
8着⑨モンドクラッセ 3/4馬身
9着⑯ローマンレジェンド 1/2馬身
10着②ホワイトフーガ 1/2馬身
11着⑩グレープブランデー アタマ
12着⑪スーサンジョイ アタマ
13着⑮サノイチ 4馬身
14着⑫マルカフリート 3馬身1/2
15着⑧コーリンベリー 3馬身1/2
16着①パッションダンス 大差
単勝 ⑭ 510円
複勝 ⑭ 180円 ⑦ 120円 ④ 420円
枠連 [4]-[7] 530円
馬連 ⑦-⑭ 680円
馬単 ⑭-⑦ 1,510円
ワイド ⑦-⑭ 320円 ④-⑭ 1,690円 ④-⑦ 1,070円
3連複 ④-⑦-⑭ 3,820円
3連単 ⑭-⑦-④ 16,010円
ダート界にニュースターの誕生です!単勝2番人気のモーニンがフェブラリーステークスを制覇。勝ちタイム1分34秒0は、府中ダート1600mのコースレコードです。1番人気だったノンコノユメは、終盤に末脚を伸ばしたものの、モーニンに1馬身1/4差をつけられて2着。3着にはアスカノロマンが入りました。3番人気のベストウォーリアは4着、3連覇を狙ったコパノリッキーは7着に終わりました。先行争いに加われず、直線でも全く伸びませんでした。やはり同一GⅠ3連覇は難しいですね。4歳馬の2頭がワンツーを独占し、リッキーが着外に沈んだことで、ダート界も世代交代の時が来ましたな。
勝ったモーニンは、前走の根岸ステークスに続いての重賞2連勝。キャリア7戦目、デビューから282日目のGⅠ初制覇は、JRAダートGⅠ競走で史上最短記録となります。鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、フェブラリーステークス初勝利。モーニンを管理する石坂正調教師は、同レース2勝目です。石坂厩舎といえば、「ダート絶対王者」と言われたヴァーミリアンがいましたなぁ。
デビュー7戦目でGⅠ馬となったモーニンは、デビュー戦の昨年5月の未勝利戦から、秋嶺ステークスまで無傷の4連勝。重賞初挑戦となった武蔵野ステークスでは1番人気に支持されながらも3着。重賞のプレッシャーに負けて初黒星を喫しました。根岸ステークスを勝ったとき、「1400mがベスト距離で、マイルは長いんじゃないか」と思いましたが、レコードタイムを叩き出しての快勝。ミルコだから勝てたのもあるけど、モーニン自体が強かったです。これで7戦6勝、マイル戦に限っては4戦3勝です。
強い勝ち方をしたので、ドバイ国際競走の一つである「ゴドルフィンマイル」にも挑戦して欲しいなと思いますが、予備登録をしていない…。今のところは国内に専念、海外挑戦は来年に持ち越しか?ともかく、「砂の新怪物」モーニンには一時代を築いてほしいものです。
来週からは舞台を中山競馬場と阪神競馬場に舞台を移します。28日は中山競馬場で「中山記念」、阪神競馬場で「阪急杯」があります。中山記念には、昨年のクラシックで2冠を制したドゥラメンテが参戦。ダービー後に骨折し、8ヶ月間の休養を経て、遂にターフに戻ってきます。ドゥラメンテのほかにも、リアルスティール、アンビシャス、イスラボニータ、ロゴタイプ、ラストインパクトが登録。これはもう「スーパーGⅡ」だ。
高松宮記念の前哨戦「阪急杯」は、昨年の桜花賞馬・レッツゴードンキ、ダノンシャーク、ミッキーアイルのGⅠ馬をはじめ、ティーハーフ、ダイワマッジョーレ、ミッキーラブソング、ケントオー、ブラヴィッシモなどが出走を予定しています。