3歳牡馬クラシック第1戦・第76回皐月賞(GI・芝2000m 18頭立て)が17日、中山競馬場で行われました。今年の3歳牡馬世代は「近年で最もハイレベル」といわれており、その中でもデビュー3戦3勝の⑪サトノダイヤモンド、弥生賞馬③マカヒキ、2歳王者⑯リオンディーズの「3強」に注目が集まりました。3強の他にも、共同通信杯を制した⑱ディーマジェスティ、スプリングステークスを勝った⑤マウントロブソン、若葉ステークス覇者④アドマイヤダイオウ、朝日杯FS2着⑮エアスピネル、巻き返しを図りたい⑭ロードクエスト、京成杯覇者⑬プロフェット、ヴィクトワールピサ産駒⑨ナムラシングンなどが参戦しました。
単勝のオッズは、1番人気サトノダイヤモンド(2.8倍)、2番人気リオンディーズ(2.8倍)、3番人気マカヒキ(3.7倍)。4番人気以降はエアスピネル、ロードクエスト、マウントロブソン、アドマイヤダイオウ、ディーマジェスティと続きました。
スタートで⑧ミッキーロケットとディーマジェスティがダッシュつかず。マカヒキ、サトノダイヤモンド、リオンディーズは良いスタートを切った。スタンド前での先行争いで、⑫リスペクトアースがハナを叩き、リオンが2番手につける。マウントロブソンとエアスピネル5,6番手、サトダイは中団に控え、ロードクエスト、ディーマジェスティ、マカヒキは後方でゴール板を通過した。
1,2コーナーを通過して、向正面に差し掛かったところで、リスペクトアースが単独で逃げ、リオンディーズが2番手。3番手に⑰アドマイヤモラール、4番手マウントロブソン、5番手に②ジョルジュサンク、その後ろの6番手にエアスピネルが追走する。7番手にアドマイヤダイオウ、8番手①ドレッドノータス、9番手のポジションにサトノダイヤモンドがいる。10番手にロードクエスト、ナムラシングンと⑦ウムブルフ11,12番手で並走し、プロフェット13番手、その外側の14番手にディーマジェスティ。後方グループには⑥ミライヘノツバサ、マカヒキ、ミッキーロケットが固まって、最後方に⑩トーアライジンという展開。
3コーナーを回るところで、リオンがリスペクトを抜いて早くも先頭に躍り出る。これは勝負に出たのか?ロブソンが2番手、スピネルが3番手に進出。サトダイも中団から徐々に上がってきている。そしてマカヒキも上昇。馬群の中にいるロークエも前に押し上げている。
4コーナーを回り、いよいよ最後の直線勝負!リオンディーズが先頭をキープし、エアスピネルとサトノダイヤモンドが接近するが、ゴール残り200mのところで、リオンディーズがヨレて、サトダイが不利を受けたか?残り100mのところで、外から襲い掛かったディーマジェスティが一気に前の馬をかわして先頭に立ち、大外からマカヒキも追い込んできたが、ディーマジェスティが先頭でゴールイン!強烈な末脚で差し切ったディーマジェスティ、3強を捻じ伏せて1冠奪取です!
皐月賞全着順&払戻金
1着⑱ディーマジェスティ 1分57秒9
2着②マカヒキ 1馬身1/4
3着⑪サトノダイヤモンド 1馬身1/4
4着⑮エアスピネル 1/2馬身+ハナ
5着⑯リオンディーズ 4位降着
6着⑤マウントロブソン
7着⑨ナムラシングン
8着⑭ロードクエスト
9着④アドマイヤダイオウ
10着⑦ウムブルフ
11着⑬プロフェット
12着⑥ミライヘノツバサ
13着⑧ミッキーロケット
14着⑩トーアライジン
15着①ドレッドノータス
16着②ジョルジュサンク
17着⑫リスペクトアース
18着⑰アドマイヤモラール
単勝 ⑱ 3090円
複勝 ⑱ 530円 ③ 160円 ⑪ 150円
枠連 [2]-[8] 450円
馬連 ③-⑱ 6220円
馬単 ⑱-③ 17680円
ワイド ③-⑱ 1730円 ⑪-⑱ 1760円 ③-⑪ 320円
3連複 ③-⑪-⑧ 6000円
3連単 ⑱-③-⑪ 70390円
3強対決と言われていた今年の皐月賞でしたが、8番人気の伏兵・ディーマジェスティが優勝しました。優勝タイム1分57秒9は皐月賞レコードです。2着には3番人気のマカヒキ、1番人気だったサトノダイヤモンドが3着。「久しぶりだった」とルメール騎手が話していましたが、直線で不利を受けたのが響いたと思います。ルメール騎手は先週の桜花賞に続き、1番人気で勝利できず。「サトノはGⅠで勝てない」のジンクスはいつ破られる?
2番人気だったリオンディーズは4位で入線しましたが、直線で斜行してエアスピネルとサトノダイヤモンドの進路を妨害。スピネルが4位に繰り上がり、リオンは5着に降着。鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、4月23日から5月1日までの9日間騎乗停止。これにより、1日の春の天皇賞の騎乗がアウトとなりました。ミルコは昨年も騎乗停止処分を受けてましたね。
勝ったディーマジェスティは、前走の共同通信杯に続いての重賞連勝。未勝利から3連勝(ホープフルSは取消)でGⅠタイトルを獲得しました。鞍上の蛯名正義騎手は皐月賞2勝目、管理する二ノ宮敬宇調教師はクラシック初勝利。ディープインパクト産駒は同レース初勝利で、史上8組目の父子制覇を果たしました。
共同通信杯ではハートレーとスマートオーディンを破って重賞初制覇。今回は8番人気といま一つの評価でしたが、道中はサトノダイヤモンドより後ろ、マカヒキより前のポジションで待機。最後の直線では大外から追い上げ、サトノダイヤモンドらを一瞬でかわし、マカヒキの追撃を抑えました。前走と同じく素質馬たちを撃破、強い内容で勝ったので、共同通信杯の勝利がフロックじゃないことを証明。ここ最近の皐月賞は、共同通信杯組が勝ってますねぇ。
「大物キラー」のディーマジェスティは、次走の日本ダービーで2冠に挑戦。東京コースでは2戦2勝と相性は抜群。蛯名騎手と二ノ宮調教師ににダービー初制覇をもたらせるか?もしダービーを勝ったら、秋は凱旋門賞挑戦もあり得るかもしれないぞ…。
来週からは東京競馬場と京都競馬場の春開催がスタート。24日は東京でオークストライアル・フローラステークス、京都ではマイラーズカップが行われます。フローラステークスには、アネモネステークスを勝ったけど桜花賞を見送ったチェッキーノ、「フラワーカップ組」からゲッカコウとギモーヴ、クィーンズベスト、クロコスミア、パールコード、ビッシュなどが登録。
マイラーズカップは、グァンチャーレ、アルバートドック、ダノンシャーク、クラレント、フィエロ、レッドアリオン、ネオスターダム、ダノンリバティなどが出走を予定しています。
同じ日には、香港・シャティン競馬場で「クイーンエリザベスII世カップ(GⅠ)」が行われます。日本からはラブリーデイ、ヌーヴォレコルト、サトノクラウンの3頭が参戦。ヌーヴォは昨年の香港カップで2着、今回は武豊騎手との新コンビで挑みます。ラブリーデイには「香港№1ジョッキー」のジョアン・モレイラ騎手が騎乗します。昨年12月の香港カップの再現が実現できればいいが…。