ロシアで開催中のFIFAワールドカップは、25日からグループリーグの第3戦に突入。決勝トーナメント進出の16チームが出そろいます。25日はグループAとグループBの最終戦が行われ、グループAではウルグアイとロシアが1位通過を懸けて直接対決。グループBは最後まで波乱の展開となりました。
グループA ウルグアイ3-0ロシア@サマーラ・アリーナ
ロシアとウルグアイは共に2連勝で決勝トーナメント進出。ロシアは2試合で8得点と圧倒的な攻撃力を見せるのに対し、ウルグアイは2試合連続無失点中。A組首位に立ったのは一体どちらか?
前半10分、ウルグアイはペナルティアーク内でFKを獲得。FWスアレスが右足で狙い、低い弾道でゴール右隅に決め、ウルグアイが先取します。
ロシアは12分にチェリシェフが惜しいシュートを放つと、17分には左CKからFWジュバがヘッドで叩きつけたが、シュートはクロスバーを越える。
前半24分、ウルグアイは右CKのこぼれ球を拾ったMFラクサールが右足ミドルシュート。相手選手の足に当たってコースが変わり、そのままゴールイン。オウンゴールでウルグアイが追加点を奪います。
前半36分、ロシアのDFスモルニコフが、左サイドで競り合っていたウルグアイMFラクサールを倒してしまい、2枚目の警告を受けて退場。ロシアは残り10人で戦う羽目に。
後半、ロシアが一矢を報いようと攻め込みます。後半11分にDFフェルナンデスがジュバとのワンツーからペナルティエリア内に入ろうとするも、シュートまで持ち込めず。後半29分にはジュバのシュートも枠を捉えられず。後半40分にはFWスモロフがPA左でフェイントを見せてからクロスを入れたが、GKにキャッチされる。
ロシアがチャンスを逃し続ける中で迎えた後半終了間際、ウルグアイは右CKからDFゴディンが頭で合わせるもGKに弾かれる。しかし、FWカバーニがこぼれ球を押し込んで3点目。開催国・ロシアに快勝したウルグアイ、3連勝でA組首位通過を決めました。
グループA サウジアラビア2-1エジプト@ヴォルゴグラードアリーナ
最後に勝ち点が欲しいチーム同士の一戦は、前半22分にエジプトが先制します。味方のロングボールに反応したFWサラーが、左足ループシュートを決める。
サウジアラビアは39分、左サイドでクロスを上げたDFアルシャハラニが、相手選手のハンドを誘いPKを獲得。FWアルムワラドがPKを蹴ったが、エジプトGK・エルハダリ(御年46歳)のセーブに阻まれて同点ならず。それでも前半アディショナルタイムに再びPKを獲得し、MFサルマンが成功して1-1の同点に。
後半に入り、エジプトは後半12分に右サイドのクロス→FWトレゼゲのヘディングシュートは右に外れる。サウジも後半24分にMFアルモカハウィがヘディングで合わせたが、GKエルハダリに防がれて勝ち越しならず。
このまま引き分けで終わるかと思われた後半50分、サウジアラビアは右サイドの高い位置でボールを回し、アルブライク→オタイフと繋ぎ、アルダウサリが右足で流し込んでゴール!これが決勝点となり、サウジアラビアがエジプトに逆転勝利を飾りました。
グループAは3連勝のウルグアイが勝ち点9で1位。ロシアは2勝1敗・勝ち点6で2位通過を果たしました。24年ぶりの勝利を挙げたサウジアラビアは、勝ち点3で3位。サラーを擁するエジプトは3連敗でロシアを去ることになりました。
ウルグアイはグループリーグ3試合で5得点。全てセットプレーからの得点です。エースのスアレス選手は、サウジ戦とロシア戦で2試合連続ゴールを挙げております。前の試合では自らの代表100試合目を祝うゴールを決めると、ロシア戦ではFKを直接決めました。4年前のブラジル大会では相手の選手を噛みつくシーンが問題となってたので、今大会は「噛むなよ、絶対に噛むなよ」と願っていました。良い意味でおとなしくなったので良かったです。
グループB スペイン2-2モロッコ@カリーニングラードスタジアム
2試合で勝ち点4のスペインは、すでに敗退が決まっているモロッコと対戦。引き分け以上なら決勝トーナメント進出となりますが…。
前半14分、スペインは中盤でMFイニエスタがDFセルヒオ・ラモスにパスを送ろうとしたところを、モロッコFWブタイブに奪われる。ブダイブはドリブルで一気に上がり、左足でゴールネットを揺らす。ミスを突いたモロッコが、スペインから先制点を奪う。
しかしその5分後の前半19分、スペインは左サイドからイニエスタ→MFイスコ→FWジエゴ・コスタと繋ぎ、イニエスタの折り返し→イスコが右足で叩き込み、スペインが1-1の同点に追いつく。
後半、モロッコは10分にMFアムラバトが右サイドからミドルを放つが、ボールはクロスバーに当たってノーゴール。スペインも後半17分、右サイドのカルバハルのクロス→ファーサイドにいたイスコのヘッドは枠内に飛んだが、ゴール前でモロッコDFがクリア。
後半36分、モロッコは右CKからFWエンネシリが打点の高いヘディングシュートを決め、1-2と勝ち越し!スペインGKデヘアもまったく動けなかった…。
またもリードされたスペインでしたが、後半アディショナルタイムに右のショートコーナーから、途中出場のFWアスパスがヒールでゴールに押し込む。線審がオフサイドの判定を取ったが、VAR(ビデオ判定)でオフサイドが覆ってゴールと認定。土壇場で2-2の同点としたスペインが、辛くも引き分けに持ち込んで勝ち点1を獲得しました。
グループB ポルトガル1-1イラン@モルドヴィアアリーナ
勝ち点4のポルトガルは、クリスティアーノ・ロナウドが2試合で4得点と絶好調。勝ち点3のイランは、ベスト16入りするには勝利が絶対条件。
前半3分、ポルトガルは左サイドのMFジョアン・マリオのパスを受けたFWロナウドが、PAに進入してから右足シュートを打ったが、イランGKベイランバンドにキャッチされる。前半15分にはロナウドがFKを蹴ったが、相手の壁に当たる。
イランは前半34分、右サイドのFKをMFエザトラヒが合わせたが、ポルトガルGKパトリシオの正面。前半45分、ポルトガルはMFクアレスマが、味方とのワンツーから右足アウトサイドのシュートを見事に決める!前半はポルトガル1点リードで終了。
後半6分、ロナウドがペナルティエリア内で相手DFに倒される。VARで検証の末にPKを獲得し、自らPKを蹴ったが、相手GKに止められてしまう。
逆転したいイランは、後半27分に途中出場のFWゴッドスがペナルティエリア手前からシュートを打って行ったが、わずかに左に逸れる。
後半アディショナルタイム、右サイドのクロスから、ファーサイドでFWアズムンが頭で落とす。この際、アズムンと競り合っていたポルトガルの選手がハンドを犯し、ビデオ判定によってPKを獲得。このPKをFWカリムがしっかりと決め、1-1の同点。さらに後半49分、ロングフィードからアズムンが頭で落とすと、
ゴッドスのシュートはDFに当たり、左へ流れたこぼれ球をMFアミリがシュートを打ったが、サイドネット左…。試合は1-1でタイムアップ、両者ともに勝ち点1ずつ分け与えたが、イランの敗退決定。
グループBは、スペインとポルトガルが共に1勝2分け・勝ち点5。得失点差(+1)でも並びましたが、総得点でスペインが上回り(スペイン6点VSポルトガル5点)、スペインが首位、ポルトガルが2位となりました。勝ち点4のイランはあと一歩届かず3位、モロッコは勝ち点1で最下位でした。
スペインはモロッコに2度もリードされたんですが、土壇場でアスパス選手がチームの敗戦の危機を救いました。イニエスタ選手も失点につながるミスを犯しながらも、同点アシストで帳消しにしました。開幕直前の監督交代で、グループリーグ敗退の恐れもありましたが、終わってみれば無敗での1位通過となりました。
ポルトガルVSイラン戦は、ポルトガルが先制しながらも、エースのロナウド選手がPKを失敗して3試合連続ゴールならず。イランも終了間際に同点に持ち込んだけど、あと1点が取れなかった。展開次第ではイランの首位通過、ポルトガルの敗退の可能性もあり得たんですが…。
この結果、決勝トーナメント1回戦の組み合わせは、ウルグアイVSポルトガル、スペインVSロシアの2試合が決定。スアレスとクリロナの世界的ストライカーの2人がベスト16で顔を合わせるとは!この2人の対決は見逃せないですね~。グループリーグで快進撃を見せたロシアも、スペインには勝てないんじゃないかと思います。
26日はグループCとグループDの最終戦。グループDでは、敗退危機のアルゼンチンがナイジェリアと対戦。アルゼンチンは2試合終えて、アイスランドと並んで勝ち点1ですが、得失点差でD組最下位。ナイジェリアに引き分け以下ならば、決勝トーナメントに進めません。メッシのロシアW杯は、このまま終わってしまうのか!?