日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

東京五輪マラソン代表決定戦!MGC 2019

2019年09月15日 | Sports

来年の東京五輪のマラソン代表を決める「マラソングランドチャンピオンシップ2019」が15日、東京都内で行われました。マラソンの代表選考は毎回のように波乱が起きますが、今回は初めての「一発選考レース」。この大会で2位までに入れば、東京五輪内定。残り1人は「MGCファイナルチャレンジ」の設定記録を上回り、尚且つ最も早いタイムを出した選手、若しくはMGCで3位に入った選手に与えられます。
今大会は男子が30名、女子10名が出場。男子は日本記録保持者の大迫傑(ナイキ)、前日本記録保持者・設楽悠太(ホンダ)、アジア大会金メダリスト・井上大仁(MHPS)、福岡国際マラソン優勝の服部勇馬(トヨタ自動車)の「4強」に加え、ロンドン五輪代表の中本健太郎、かつて「山の神」と言われた今井正人と神野大地などが参戦。
女子は名古屋大学出身の才女ランナー・鈴木亜由子(日本郵政グループ)、「浪速の腹筋女王」松田瑞生(ダイハツ)、リオデジャネイロ五輪代表・福士加代子、前田穂南&小原怜の「天満屋コンビ」などが出場しました。



男子はスタートしていきなり設楽が飛び出し、後続勢を引き離して独走状態。最初の5キロを14分56秒、10キロを29分52秒で通過。15キロでは44分59秒で通過すると、2位集団に2分以上の大差をつけます。中間点では1時間3分27秒と2時間10分台を切りそうなペースで進みます。
ところが、設楽は前半飛ばしすぎたのか、後半に入って1キロ3分10秒台までペースダウン。2位集団が設楽との差を詰め、32.8キロの折り返し地点で55秒近くまで縮まります。そして37キロ過ぎにで2位集団が設楽を吸収。設楽は集団について行けず、ズルズルと後退してしまった。
39キロ過ぎに先頭集団が4人になり、橋本崚(GMOアスリーツ)が前に出るが、39.2キロで中村匠吾(富士通)がスパート!服部が2番手、大迫3番手で前の中村を追走する。40キロ時点で代表争いは中村,大迫,服部の3人に絞られ、40.8キロで大迫が2番手に上がると、下り坂を利用して中村に追いつく。服部は3番手だが、まだ2秒差。神宮外苑の上り坂、新国立競技場が見えたところで鈴木がラストスパートを仕掛けて大迫を突き放す。さらに42キロ手前で服部が大迫を抜いて2番手に浮上。
先頭の中村匠吾は最後の直線で勝利を確信し、2時間11分28秒のタイムでフィニッシュ!それから8秒遅れて服部勇馬が2位、大迫傑は2位に5秒差の3位でゴールしました。



10人の少人数で争われた女子は、序盤は一山真緒、福士加代子、安藤優香のワコール勢が集団を引っ張る一方、有力候補の松田が遅れる展開に。15キロ過ぎに前田が前に出ると、鈴木が2番手、小原が3番手で追う。20キロ手前で前田と鈴木の2人の争いとなるが、前田がペースを上げて鈴木を突き放す。
その後は前田の一人旅が続き、終盤の上り坂もペースは落ちず。最後は2位に3分以上の大差をつけ、2時間25分15秒で圧勝。鈴木が2番手をキープするが、残り1キロ過ぎに小原が猛追。しかし、鈴木が最後まで2番手を死守し、東京五輪内定。小原は4秒差の3位でゴールしました。




東京五輪のマラソン代表を争うサバイバルレースは、男子は中村選手と服部選手、女子は前田選手と鈴木選手が五輪代表に内定しました。男子の方は設楽選手が大逃げを打ったけど、後半に失速。39キロ過ぎからは中村・服部・大迫の3選手によるデッドヒート。中村選手が上り坂で2度も仕掛け、大迫選手らを振り切りました。服部選手も最後の最後で大迫選手を抜き返しましたね~。3位の大迫選手も下り坂で先頭に追いついた時は、日本記録保持者の意地で勝つのかなと思いました。現時点では代表の3枠目争いで一歩リードです。
女子の内定を勝ち取った前田選手と鈴木選手は共通点があり、前田選手は2017年の北海道マラソンで優勝、その翌年の大会で鈴木選手が初マラソンで優勝を果たしました。この日の東京は暑かったから、天気が味方したと思います。小原選手は前回1秒差でリオ五輪を逃し、今回のMGCは鈴木選手を追い詰めながらも4秒差で3位。ラストの執念の走りは素晴らしかったけど、またもや僅差で涙を呑みました…。

MGCが終わり、次は「MGCファイナルチャレンジ」が行われます。14位に終わった設楽悠太選手、まさかの最下位(27位)の井上大仁選手、4位の大塚祥平選手、橋本選手などが再挑戦すると思いますが、男子の設定記録は2時間5分49秒。つまり、日本新記録を出さないと東京五輪の代表にはなれません。これは正直厳しいんじゃないか?女子の3枠目争いは、最後まで分からないと思います。大阪か名古屋あたりで設定記録(2時間22分22秒)を突破する選手が出てくるかもしれません。最後の1枠を争う戦いにも目が離せない!


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