9月22日は東西で秋のGⅠを占う重要なGⅡ競走が行われました。阪神競馬場の菊花賞トライアル・神戸新聞杯は、GⅠ2勝のサートゥルナーリアと、ヴェロックスが3度目の直接対決。中山競馬場の産経賞オールカマーは、レイデオロとウインブライトのGⅠ馬2頭が激突しました。
第67回神戸新聞杯(GⅡ・芝2400m 8頭立て)は、皐月賞馬③サートゥルナーリア、ダービー3着⑤ヴェロックスの2強の他に、京都新聞杯を勝った④レッドジェニアル、若葉ステークス2着⑧ワールドプレミア、2連勝中の⑥シフルマン、函館で2連勝②ユニコーンライオンなどが出走しました。
注目のスタートは、サートゥルナーリア今回は上手く飛び出し、ヴェロックスは好スタートを決めた。スタンド前のポジション争いでは、シフルマンがスーッと先手を取り、サートゥルナーリアが2番手につけ、レッドジェニアル3番手、ヴェロックスは4番手あたりか。ワールドプレミアは7番手、①ジョウショウムードが最後方で1コーナーを回る。
1,2コーナー中間地点で縦長の展開となり、向正面に入ってシフルマンが先頭、2番手にサートゥルナーリア、3番手にレッドジェニアル、その内側の4番手からヴェロックスが並びかけ、前のサートゥルを追走する。5番手にユニコーンライオン、6番手⑦ヴィント、7番手ワールドプレミア、最後方にジョウショウムード。
外回り3コーナーに差し掛かり、シフルマンがスローペースで先頭を走り、サートゥルは手綱がっちり。3番手のジェニアルは掛かり気味だったが、ようやく落ち着いた。4番手のヴェロもどこで仕掛けるのか?残り800mで8頭が凝縮し、サートゥルがシフルに並びかけると、残り600mで早くも先頭に躍り出る。ヴェロまだ4番手、ワープレ後方2番手で4コーナーを回る。
最後の直線をサートゥルナーリアが先頭で入ると、ヴェロックスもようやく2番手に上がる。しかし、サートゥルが残り200mで突き放しにかかる。ルメール騎手もムチを入れてない!後方からワールドプレミアが3番手に上がってきたが、サートゥルナーリアが悠々と先頭でゴール!ヴェロックスが2着、ワールドプレミア3番手で入線。
これがGⅠ2勝の実力だ!単勝オッズ1.4倍の1番人気を集めたサートゥルナーリアが、秋初戦の神戸新聞杯を圧勝し、秋のGⅠへ弾みをつけました。2番人気のヴェロックスは、終始サートゥルにつけながらも、最後に離されての2着。3着にはワールドプレミアが入り、菊花賞の優先出走権を獲得しました。4番人気のレッドジェニアルは4着という結果に終わっております。
サートゥルナーリアはこれで重賞3勝目をマーク。前走の日本ダービーでは、スタートで出遅れ、上がり3ハロンで最速タイム(32.1秒)を出しながらも、ゴール前でヴェロックスにかわされて4着。それ以来のレースとなった今回は、スタートも出遅れず、道中は2番手追走。残り600mの時点で先頭に浮上すると、直線はノーステッキで後続との差を拡げ、最後は3馬身差をつけてゴール。世代トップの実力を改めて示しました。
今後については、菊花賞には向かわず、天皇賞orジャパンカップの古馬路線を進む予定。ルメール騎手にはアーモンドアイがいるので、代役は外国人ジョッキーが務めると思います。国内もいいけれど、右回りの相性がいいから、12月の香港国際競走に挑戦してもいいと思うけどなぁ。
第65回産経賞オールカマー(GⅡ・芝2200m 10頭立て)は、前回覇者⑧レイデオロ、香港のクイーンエリザベス2世カップを制した⑦ウインブライトのGⅠ馬2頭に加え、①ミッキースワローと③クレッシェンドラブの七夕賞1,2着コンビ、重賞2勝の⑨スティッフェリオ、④グレイル、②ゴーフォザサミットなどが参戦しました。
揃ったスタートで始まったこのレース、格上挑戦の⑤トニーファイブと、外枠のスティッフェリオの2頭が先行争い。ゴーフォザサミット・⑥エンジニア・ウインブライトが3番手を争う。レイデオロは7番手、ミッキースワローは後方2番手で正面スタンド前を通過した。
1コーナーを回り、外回りコースに向かうところで、スティッフェリオ先頭、2番手トニーファイブ、ゴーフォザサミットが3番手に浮上し、ウインブライトは4番手を追走。5番手にエンジニア、6番手クレッシェンドラブ、7番手グレイル、レイデオロは8番手。9番手ミッキースワロー、⑩ショウナンバッハがしんがり。
ゆったりとした流れで3コーナーを通過し、フェリオがペースを上げ、ゴーフォザが2番手、ウインブラが3番手に上がり、レイデオロもポジションを押し上げてきた。グレイル、クレッシェンドも追い出しを始め、ミキスワは大外に持ち出した。
4コーナーから直線コースに入ってもスティッフェリオがまだ先頭。ゴーフォザサミットが2番手で追いかけ、内からはエンジニアとグレイル、外からレイデオロとミッキースワローが猛追。ウインブライトは上り坂で後退。ラスト100mでフェリオがラストスパートをかけ、後続勢を寄せ付けず1着ゴールイン!スティッフェリオが2200mを逃げ切りました!
秋の古馬GⅠを占うオールカマーは、4番人気のスティッフェリオが快心の逃げ切り勝ちを収めました。序盤からマイペースに持ち込み、直線でもう一段階加速し、後続を振り切りました。スティッフェリオは、昨年の福島記念、今年2月の小倉大賞典に次いで重賞3勝目。ローカルに強い印象がありますが、中央場所でGⅠウィナーを破ったのは大きいと思います。
3番人気のミッキースワローが大外から脚を伸ばして2着、3着には6番人気のグレイルが入り、連覇を狙ったレイデオロは4着。2番人気のウインブライトは、直線沈んで9着。藤田菜七子騎手鞍上のトニーファイブは大差のしんがり負け。レイデオロは福永祐一騎手と初めてコンビを組みましたが、不完全燃焼の内容。ウインブラは距離が長すぎたとしか言えません。年末の香港カップが目標だろうけど、かなり不安ですね…。
来週は秋のGⅠシリーズの幕開けを告げる「スプリンターズステークス」が行われます。優勝候補と言われていたグランアレグリアとステルヴィオが怪我で回避を表明。初めてのスプリント戦でどんな走りをするか期待されていただけに残念です。
出走予定のメンバーには、高松宮記念を勝ったミスターメロディ、セイウンコウセイ、レッツゴードンキといったGⅠ馬に加え、セントウルステークスでレコード勝ちのタワーオブロンドン、キーンランドカップを制したダノンスマッシュ、北九州記念覇者・ダイメイプリンセス、中山が得意なモズスーパーフレア、さらに3歳世代からディアンドル,イベリス,ファンタジストなどが登録しております。