キズナが勝利した日本ダービーから1週間が経ち、今週末から早くも2歳の新馬戦がスタート。そんな中、2日は東京競馬場で春のマイル王決定戦・第63回安田記念(GI・芝1600m 18頭立て)が行われました。東京GI5連戦のフィナーレを飾る一戦には豪華メンバーが集結し、昨年の雪辱に燃える⑦グランプリボス、不振脱出を図る昨年の3歳マイル王①カレンブラックヒル、マイルチャンピオンシップを制した⑱サダムパテック、ヴィクトリアマイルでGI初制覇を果たした⑮ヴィルシーナといったマイルGI馬に加え、現役最強スプリンター⑩ロードカナロアがマイルGIに挑戦。他にも⑥グロリアスデイズと⑪ヘレンスピリットの香港馬2頭、②ショウナンマイティ、⑫ダークシャドウ、⑨ナカヤマナイトの「中距離組」、京王杯スプリングカップ覇者⑰ダイワマッジョーレ、3歳馬⑭エーシントップなどが参戦しました。
レース直前の単勝上位人気は、1番人気はロードカナロア(4.0倍)、2番人気グランプリボス(4.8倍)、ショウナンマイティ3番人気(5.7倍)。4番人気以降はカレンブラックヒル(6.7倍)、ダークシャドウ(7.7倍)、ダイワマッジョーレ、ヴィルシーナ、サダムパテックと続きました。
向正面でのスタートで、ショウナンマイティとグロリアスデイズは後方からのスタート。先行争いではヴィルシーナが好ダッシュを見せたが、⑬シルポートが押しながら鼻を奪う。ブラックヒル3番手、外のエーシントップが4番手。5番手には3頭が並び、真ん中のヘレンスピリットが前に出る。内に④ガルボ、ダークシャドウが外につける。中団の8番手の位置にカナロア、グラボス、インコースに③サクラゴスペル。グラボス掛かってる?その後ろの11番手集団は、グロリアスデイズ、⑧マイネイサベル、⑯ダノンシャークの3頭横一線。14番手にマッジョーレ、15,16番手にマイティとナカヤマナイト、サダムパテックは後方2番手で追走し、⑤スマイルジャックが最後方。
18頭が3コーナーを回り、先頭を行くシルポートは後続を引き離して逃げまくり、前半800mを45秒台のハイペースで通過。エーシントップ、ヴィルシーナ、カレンブラックヒルの2番手グループも懸命に前を追う。ダークシャドウは外に持ち出し、グランプリボスとロードカナロアはまだ中団待機。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、シルポートが残り400mを切ってもまだ先頭だが、差が徐々に縮まる。ヴィルシーナ、ブラックヒル、トップが追う中、内のガルボがシルポートをかわす。外からはロードカナロアとダノンシャーク、大外ショウナンマイティも追いこんできて、先頭争いは大激戦。残り100mでロードカナロアが先頭に躍り出て、大外からマイティが伸びて来て、最後は2頭がほぼ並んでゴールインしたが、わずかにカナロアが先着!スプリント王者がマイルGIまで制覇しました!
全着順&払戻金
1着⑩ロードカナロア 1分31秒5
2着②ショウナンマイティ クビ
3着⑯ダノンシャーク 3/4馬身
4着⑧マイネイサベル 1馬身3/4
5着③サクラゴスペル ハナ
6着⑫ダークシャドウ ハナ
7着④ガルボ クビ
8着⑮ヴィルシーナ クビ
9着⑰ダイワマッジョーレ 1馬身1/2
10着⑦グランプリボス クビ
11着⑥グロリアスデイズ ハナ
12着⑨ナカヤマナイト ハナ
13着⑱サダムパテック 1馬身
14着①カレンブラックヒル ハナ
15着⑥スマイルジャック 3/4馬身
16着⑪ヘレンスピリット 2馬身
17着⑭エーシントップ クビ
18着⑬シルポート クビ
単勝 ⑩ 400円
複勝 ⑩ 200円 ② 210円 ⑯ 680円
枠連 <1>-<5> 730円
馬連 ②-⑩ 1470円
馬単 ⑩-② 2570円
ワイド ②-⑩ 620円 ⑩-⑯ 3230円 ②-⑯ 3120円
3連複 ②-⑩-⑯ 18160円
3連単 ⑩-②-⑯ 62800円
世界最強スプリンターはマイルでも強かった!府中5連戦のラストを飾る安田記念は、単勝1番人気だったロードカナロアが、直線で外から抜け出し、ショウナンマイティの猛追をクビ差で抑えて優勝。春のマイル王に輝き、GI4連勝を達成しました。2着だったショウナンマイティは大外から一気に追い込みましたが、カナロアには届かず。それでも上がり3ハロン32.8秒は出走メンバーで最速タイムでした。3着には伏兵のダノンシャークが入線。この馬は当初除外対象馬だったんですが、出走予定だったフィフスペトルが調教中の骨折により死亡したため、急遽繰り上がりで出走してきました。緊急参戦で3着と好走できたのは、フィフスペトルが天国から後押ししてくれたものだと思います。
短距離組のカナロア、中距離組のマイティが上位に入る中、マイル実績のある馬たちはみんな掲示板圏外。ヴィルシーナは8着、ダイワマッジョーレは9着、グランプリボスは道中折り合えず10着、サダムパテックは見せ場なく、カレンブラックヒルは直線失速して14着と惨敗。3歳馬・エーシントップはブービーの17着。香港から参戦したグロリアスデイズは11着、ヘレンスピリットは16着に終わりました。
優勝したロードカナロアに騎乗した岩田康誠騎手は、2008年のウオッカ以来5年ぶりの安田記念制覇で、同レース2勝目。JRA・GIは通算20勝目となりました。なお、岩田騎手はレース後、最後の直線でロードカナロアが外側に斜行したとして、過怠金10万円が科されました。管理する安田隆行調教師は同レース初勝利。「安田記念は安田厩舎の馬が勝つ」と宣言した安田調教師。見事宣言通りの結果となりましたね。
1200mのGIで3勝しているロードカナロアが安田記念に参戦するというニュースを知った時、「おぉっ!マジか!?」と驚き、「これは楽しみだ!」と期待する一方で、「距離延長と府中の長い直線で脚が持たずに惨敗するかも」と不安な気持ちもありました。むしろ個人的には不安な方が大きかったです。マイルもジュニアカップの1戦のみ、府中コースは初めてという心配点がありましたが、距離不安を克服してマイル界も制圧してしまいました。同じ年にスプリントとマイルのGIを勝ったのはデュランダル以来。往年の名短距離馬・タイキシャトルに肩を並べたのではないでしょうか。これでカナロアは自身5連勝、今年に入ってからは3戦無敗。この秋にはスプリンターズSとマイルCSに参戦予定。年内限りで引退の情報もあるそうで、その前にまたGI勝ちしそうな予感がしまう。
府中5連戦が終わり、2013年上半期のGIは宝塚記念を残すのみとなりました。宝塚ではオルフェーヴルVSジェンティルドンナVSゴールドシップVSフェノーメノの4強対決に注目が集まっています。ファン投票第2回中間発表時点では、オルフェが首位、ゴールドシップ2位、ジェンティル3位、フェノーメノが4位となっています。6月6日に最終結果が発表されるので、上位4頭の順位に変動があるか注目です。