2019年の3歳牡馬クラシック最終戦・第80回菊花賞(GⅠ・芝3000m 18頭立て)が20日、京都競馬場で行われました。皐月賞馬とダービー馬が参戦しない今年は、悲願のクラシック制覇に挑む⑬ヴェロックス、神戸新聞杯3着⑤ワールドプレミア、京都コースは相性が良い⑫レッドジェニアル、ルメール騎手と初コンビ②ニシノデイジー、⑭サトノルークス&①ザダルの「セントライト記念組」、3戦4勝の⑦ヒシゲッコウ、夏に2連勝⑮ホウオウサーベル、紅一点⑧メロディーレーンなどが出走しました。
単勝のオッズは、1番人気がヴェロックス(2.2倍)、2番人気ニシノデイジー(6.0倍)、3番人気ワールドプレミア(6.5倍)、4番人気のヒシゲッコウ(9.6倍)までが10倍以下で、5番人気以降はホウオウサーベル、ザダル、レッドジェニアル、サトノルークス、③カリボールと続きました。
スタートで⑪シフルマンと⑱メイショウテンゲンが出遅れ。1周目の外回り3コーナーに向かっての先行争いで、⑩カウディーリョが先手を奪い、⑨ヴァンケドミンゴ2番手、出遅れたメイショウテンゲンが3番手、ホウオウサーベル4番手、④ユニコーンライオン5番手、ヴェロックスは6番手につけ、⑯ナイママ7番手、ワールドプレミアは8番手を追走する。中団勢は9番手レッドジェニアル、10,11番手の位置にサトノルークスとザダル、ヒシゲッコウ12番手、13番手集団にはニシノデイジー・メロディーレーン・タガノディアマンテが並ぶ。後方はカリボールとシフルマンが並び、⑥ディバインフォースが最後方。
1周目の正面スタンド前に差し掛かり、カウディーリョが前半1000mを1分02秒4で通過。ナイママが3番手に上がり、ヴェロックスは6番手、ワールドプレミアは内ラチ沿いを走る。レッドジェニアルは9番手、ヒシゲッコウとニシノデイジーは中団より後ろの位置、ディバインフォースがシフルマンをかわしてゴール板を通過した。
ゆったりとした流れで1,2コーナーから向正面へ。カウディが先頭、ヴァンケ2番手、ナイママ3番手、4番手ユニコーン、その外側にヴェロが並ぶ。6番手にテンゲンがつけ、ワープレ・ジェニアル・サーベルが7番手グループを形成する。中団の外からディアマンテが早めに仕掛け、11~13番手のところにザダル・ゲッコウ・ルークスがいる。ディバフォー14番手、デイジー15番手に下がり、メロディー16番手、17番手シフル、カリボールが最後方。
18頭が2度目の外回り3コーナーに突入。カウディがまだ先頭を走り、ヴァンケが2番手キープ。ヴェロが4番手に上がるが、ディアマンテが3番手まで上がって来た。ワープレ,ゲッコウ,ジェニアルは中団馬群、ザダルとデイジーは中団より後ろの位置だ。
4コーナーを回るところで、先頭争いはカウディーリョ、ヴァンケドミンゴ、ヴェロックス、ホウオウサーベル、タガノディアマンテの5頭が横一線。カウディーリョが粘り込もうとするが、真ん中からヴェロックス、その内側からワールドプレミアが接近。外からタガノディアマンテ、サトノルークス、大外からディバインフォースが追い込む。残り200mでワープレが先頭に変わり、ヴェロが2番手で追いかける。残り100mを切り、大外から脚を伸ばしてきたルークスが、ワープレとの差を詰めるが、ワールドプレミアがそのまま先頭でゴールイン!「平成の菊男」武豊に導かれ、最後の1冠を勝ち取りました!
菊花賞 全着順
1着⑤ワールドプレミア
2着⑬サトノルークス
3着⑭ヴェロックス
4着⑥ディバインフォース
5着⑧メロディーレーン
6着⑫レッドジェニアル
7着⑰タガノディアマンテ
8着⑩カウディーリョ
9着②ニシノデイジー
10着⑦ヒシゲッコウ
11着⑮ホウオウサーベル
12着⑱メイショウテンゲン
13着①ザダル
14着⑯ナイママ
15着④ユニコーンライオン
16着⑪シフルマン
17着⑨ヴァンケドミンゴ
18着③カリボール
【払戻金】
単勝 ⑤ 650円
複勝 ⑤ 180円 ⑭ 390円 ⑬ 120円
枠連 ⑶-⑺ 610円
馬連 ⑤-⑭ 4,680円
馬単 ⑤-⑭ 7,640円
3連複 ⑤-⑬-⑭ 3,070円
3連単 ⑤-⑭-⑬ 23,510円
ワイド ⑤-⑭ 1,460円 ⑤-⑬ 320円 ⑬-⑫ 720円
節目の80回目を迎えた菊花賞は、単勝3番人気のワールドプレミアが、最後の直線残り200mで抜け出すと、サトノルークスの追撃を振り切って優勝しました。2着のサトノルークスは、単勝8番人気で、上がり3ハロンは35.7秒とメンバー最速でした。1番人気のヴェロックスは3着。川田将雅騎手がレース後に「距離が長かった」とコメント。前走より馬体重が変わらなかったし、序盤折り合いが悪かった気もしました。皐月2着、ダービー3着、今度こそクラシック制覇と行きたかったんですが、無冠に終わりました。
4着以降ですが、16番人気だったディバインフォースが4着に入り、牝馬のメロディーレーンが5着。メロディーレーンは馬体重338キロの「JRA最軽量勝利」の記録を持っていて、この日は340キロで牡馬相手に掲示板に乗る大健闘を見せました。2番人気だったニシノデイジーは9着、4番人気のヒシゲッコウは10着に終わりました。
重賞初勝利をGⅠで飾ったワールドプレミアは、今年2月のつばき賞以来の勝利を挙げ、通算3勝目。栗東・友道康夫厩舎に所属し、父・ディープインパクト、母・マンデラの間に生まれました。ディープ産駒は昨年のフィエールマンに続いての菊花賞制覇。このレース初勝利の友道康夫調教師は、昨年のエタリオウの雪辱を果たしました。また、この勝利でディープ産駒はJRA・GⅠ競走通算50勝目を達成です。
鞍上の武豊騎手は、2005年のディープインパクト以来14年ぶり5回目の菊花賞制覇。昭和63年にスーパークリークとのコンビで勝ち、平成時代は3勝を挙げ、そして令和元年の菊花賞を勝ち、史上初の3元号でのGⅠ制覇の快挙達成。「令和」になってからは初めてのJRA重賞勝ちで、同時に「最年少&最年長菊花賞ジョッキー」まで成し遂げました。ユタカさんは今年で50歳だけど、スーパークリークの時は19歳でした。10代の頃からGⅠを勝ち続けるって本当に凄い。まだまだGⅠの舞台で暴れまわってほしいですね。
来週は東京競馬場で第160回天皇賞・秋が行われます。GⅠ6勝のアーモンドアイ、皐月賞馬・サートゥルナーリア、大阪杯を勝ったアルアイン、ワグネリアン&マカヒキの歴代ダービー馬、さらには香港GⅠ馬・ウインブライト、安田記念最下位からの巻き返しを狙うダノンプレミアム、アエロリット、スワーヴリチャード、ケイアイノーテックとGⅠ馬10頭が出走予定。「天皇陛下御即位慶祝」だからこそ、白熱したレースを期待したいです。