2023年の3歳牡馬クラシックの第1戦・第83回皐月賞(GⅠ・芝2000m 18頭立て)が16日、中山競馬場で行われました。朝日杯FS優勝・ドルチェモア、ホープフルステークス優勝・ドゥラエレーデの2歳GⅠ馬がいない今年の皐月賞は、例年にない大混戦と言われていました。共同通信杯を勝った⑦ファントムシーフ、弥生賞ディープインパクト記念を制した⑭タスティエーラ、スプリングステークス優勝⑮ベラジオオペラ、京成杯を勝った①ソールオリエンス、きさらぎ賞を勝った⑤フリームファクシといった今年の3歳重賞の勝ち馬たちに加え、ホープフル2着⑧トップナイフ、若葉ステークスを制した④ショウナンバシット、朝日杯2着⑪ダノンタッチダウン、武豊&幸四郎の兄弟タッグ⑯タッチウッド、⑨ホウオウビスケッツ、⑪シャザーンなども参戦しました。
単勝の人気は、1番人気がファントムシーフ(3.8倍)、2番人気ソールオリエンス(5.2倍)、3番人気ベラジオオペラ(6.3倍)、4番人気フリームファクシ(7.7倍)、5番人気タスティエーラ(9.0倍)、6番人気のタッチウッド(9.6倍)までが10倍以下でした。
正面スタンド前のスタートで、⑬グラニットがポンと飛び出した勢いそのままに先手を奪い取る。ホウオウビスケッツ、ベラジオオペラ、ダノンタッチダウン、タスティエーラも先団につけ、大外からタッチウッドが先団に加わる。フリームファクシは中団より前のほう、ファントムシーフとシャザーンは中団、ソールオリエンスは後方4番手でゴール板を通過した。
1,2コーナーを過ぎて向正面に入り、グラニットが先頭、タッチウッドが2番手まで押し上げるが掛かり気味か?3番手グループにはベラジオオペラ・③グリューネグリーン・ダノンタッチダウンが控える。内側6番手ホウオウビスケッツ、7番手タスティエーラ、8番手⑩ラスハンメル、9番手⑰メタルスピード、10,11番手のところにファントムシーフとフリームファクシが並んでいる。12番手にショウナンバシット、13番手シャザーン、14番手⑥ウインオーディン、15番手ソールオリエンス、16番手②ワンダイレクト、17番手トップナイフ、最後方に⑱マイネラウレア。
3コーナーを通過し、タッチウッドが先行するグラニットをかわして先頭に立つ。グリューネが3番手に上がり、ベラジオ4番手、タスティが5番手。タッチダウン7番手、ファントムとフリームは中団馬群、シャザーンが外に持ち出すと、オリエンスは後方2番手に下がると馬場の良い外側に進路を取った。
4コーナーを回り、最後の直線。先頭争いは内からグラニット、グリューネグリーン、タッチウッド、ショウナンバシット、タスティエーラ、メタルスピードと横一線。外からはシャザーンやファントムシーフも追いかける。残り200mでタスティが抜け出し、バシット2番手、後続からファントムが追い上げ、外からメタルとシャザーン、一番外からソールオリエンスも来ている。そして残り100mを切ったところで、オリエンスの末脚が爆発!ファントム、メタル、先頭のタスティエーラを一気に捕らえてゴールイン!ソールオリエンスがデビュー3戦3勝で皐月賞制覇!
【皐月賞 全着順】
1着①ソールオリエンス 2分00秒6
2着⑭タスティエーラ 1馬身1/4
3着⑦ファントムシーフ 1馬身3/4
4着⑰メタルスピード アタマ差
5着④ショウナンバシット 3/4馬身
6着⑪シャザーン
7着⑦トップナイフ
8着⑥ウインオーディン
9着⑤フリームファクシ
10着⑭ベラジオオペラ
11着③グリューネグリーン
12着⑬グラニット
13着⑯タッチウッド
14着⑱マイネルラウレア
15着②ワンダイレクト
16着⑩ラスハンメル
17着⑨ホウオウビスケッツ
18着⑫ダノンタッチダウン
【払戻金】
単勝 ① 520円
複勝 ① 220円 ⑭ 270円 ⑦ 160円
枠連 1⃣-7⃣ 1,280円
馬連 ①-⑭ 3,510円
馬単 ①-⑭ 5,520円
3連複 ①-⑦-⑭ 3,770円
3連単 ①-⑭-⑦ 24,780円
ワイド ①-⑭ 1,290円 ①-⑦ 560円 ⑦-⑭ 620円
本命不在と言われていた今年の皐月賞を制したのは、単勝2番人気のソールオリエンスでした。序盤は後方4番手を追走すると、3コーナーで後方2番手に下がりますが、最後の直線で大外からグイグイ追い上げ、ゴール前でタスティエーラを捕らえて差し切り勝ち。キャリア3戦目での皐月賞制覇は史上最少記録。京成杯優勝馬のGⅠ制覇はエイシンフラッシュ以来ですが、皐月賞馬になったのは史上初となります。
2着には弥生賞馬のタスティエーラ、1番人気のファントムシーフは3着。もう1頭の無敗馬・ベラジオオペラは好位を追走するも、3コーナー辺りから後退して10着という結果に終わりました。
皐月賞馬のソールオリエンスは、前走の京成杯に続いての重賞2連勝。社台ファーム生まれで、父・キタサンブラック、母・スキア。鞍上の横山武史騎手は、2021年のエフフォーリアに次ぐ同レース2勝目。おととしはエフフォーリアで3勝、菊花賞でタイトルホルダー、ホープフルステークスでキラーアビリティで勝ち、年間GⅠ5勝を挙げましたが、翌年は一転してGⅠ未勝利。自身にとって1年4カ月ぶりのGⅠ勝利です。オリエンスを管理する手塚貴久調教師は、皐月賞初勝利。日本ダービーで勝てば、クラシック競走完全制覇となります。
先週の桜花賞でリバティアイランドが後方から一気の末脚で差し切り勝ちを果たしましたが、この日のソールオリエンスは大外ぶん回しからの直線ごぼう抜き。残り100mでの急加速っぷりは半端なかったです。京成杯の時は4コーナーで外に膨れながらも、直線で加速して2馬身半差の圧勝。あの時は馬が幼かったのかなって思いました。この日は横山武史騎手がオリエンスを馬場の良い所にエスコートしました。
今年の3歳牡馬クラシックは主役がいないなぁと思いましたが、ソールオリエンスの1強に変わりました。キタサンブラック産駒は、先日のドバイシーマクラシックで完勝したイクイノックスが「ロンジンワールドベストレースホースランキング」で1位を獲得しましたが、今年もまた怪物クラスの馬が現れましたな。
皐月賞を最内枠で勝った馬は、平成になってからは1994年のナリタブライアン、2020年のコントレイルの2頭のみで、共に三冠馬になっています。もしかすると、ソールオリエンスも三冠獲っちゃう?次走の日本ダービーでは、リバティアイランドとの夢の対決が実現しないだろうか?