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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

The Great Game Audio Commentary その7

2018-10-06 15:37:29 | Sherlock S1E3 Commentary


コメンタリー続きです。

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ゲ:君のコメンタリーはこの1本だけだから聞いておく。
シャーロック・ホームズの役作りをする際にこれまでのホームず像で参考にしたものは?
あるいは新たに盛り込んだことはある?

BC:長くなるけど答えるよ。J・ブレッドやラスボーン、RDJ版は見たよ。
僕なりのホームズ像はパイロット版で完成したからRDJ版を見たのはそのあとだ。
だから影響を受けたのはブレットとラスボーン。
ブレットは芝居がかった感じと優美さを体現していた。
ネコ科の動物のようなどう猛でシャープな雰囲気だ。時々冷たい感じも受ける。

BC:ところどころ参考にしたよ。原作にも仕草の描写がある。
膝を抱えて椅子に丸くなって座る場面も。
その際両手はひざの上に祈るような形に組見たその上に顎を乗せる。
シャーロキアンに向けそういう描写も活かした。
パイプも鹿撃ち帽も虫メガネもない以上シャーロックらしさを表す記号が必要だった。
さっきレストレードのオフィスが登場したよね。シャフツベリー通りの被害者と話すシーンだ。
あそこでも手の演技を意識していた。
身体の動きには常に気を配っているけどいわゆる自然さより彼らしさを優先しているんだよ。
もちろんマーティン演じるワトソンも一緒だし時代は21世紀だ。
いつも黒いコートを翻して走っているわけにはいかない。かなり走ったけど。

ゲ:話長いよ。
BC:ごめん。
MF:予告通りだね。
BC:警告はしたよ。役者のイカれた頭の中を覗くとこういう事になるんだよ。
MF:ホームズは芝居がかった男だね。
BC:そう。普通とは違う。

ゲ:原作でレストレードも言っている。
「君はいい役者になるだろう」と。
演技のタイミングも心得ている。
BC:楽しんでるんだ。現場は彼の劇場なんだよ。

ゲ:ここはどこ?
BC&MF:マーサー・テイドヴィル
MF:撮影2日目だっけ?
BC&ゲ:そうだと思う。
ゲ:本物の遺体安置所だけど新しくてきれいだった。
雪で死にそうな日には居心地のいい場所だ。

BC:とはいえ・・・
MF:とはいえ?
BC:3か月後に追加撮影をするはめに。大雪や撮影監督の病気などが重なったから。
この日はあまりはかどらなかった。
遺体安置所ではホームズみたいに床を観察してしまう。
掃除後でもたまに証拠が残ってるからその日に何が行われたかわかるんだ。

ゲ:あまり見ない方が身のためだよ。
BC:心の強い人ならいいが・・・・
ゲ:僕たちのような人間は・・・・
BC:泣くはめに。

ゲ:普段なら絶対に行こうとは思わない場所だ。
何日も中にいるとすっかり慣れてしまうけど遺体を見せられるとハッとする。
MF:見たくないな。
BC:遺体安置所のスタッフはみんないい人だったよ。
いつも親切で控室も貸してくれた。奇策なので何でも尋ねていいような気分になった。
ゲ:総選挙前の党首討論もここの控室で見たよ。自民党のニック・クレッグが注目を集めた時だ。

BC:「第三の道」に希望が見えた。
政治は大変だね。
MF:「第三の道」も楽じゃない。

ゲ:コニー役はダイ・ボッチャー
堂々と横たわっていた。

MF:勇敢な女優だ。
BC:写真の少年はベン。
MF:第2助監督だ。
BC:第2にしてはハンサムすぎる。
ゲ:美少年の役なら・・・・
MF:バッチリだ。
BC:完璧だね。きっと彼のママも喜ぶよ。

ゲ:この女性は目が見えないという設定だ。
良俗に背くと批判されるリスクもあった。
「自爆攻撃」をやらされる一人が目の見えない老婦人とはね。
イヤホンを使おうと思いついた時はうれしかった。
すべてポケベルじゃなくイヤホンにすべきだったかも。
だが遅すぎた。撮影初日だ。



続きます。

瞳のアップ、ついつい連続で貼ってしまいます。
食堂の場面も大好きです。
S1はジョンのもぐもぐ場面は多いですがシャーロックはほとんど食べてませんよね。
捜査中は食べない、寝ないというシャーロック・ホームズらしさが活かされていたように思います。
あと何気にジョンがちゃんと無職なのも(E2を踏襲しているので)面白かったです。



The Great Game Audio Commentary その6

2018-10-03 14:02:32 | Sherlock S1E3 Commentary


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かなり間が空いてしまいましたがお久しぶりのコメンタリーです。
パトリック、E2の前にちょっと一息です。

12月にスターチャンネルでパトリックの放送が決まりましたね。
ストライクはDVD発売が決まったし、(Yam Yamさーん、日本版出ますね。)
リチャード・マッデンの「Bodyguard」もネトフリで配信するそうです。
きっとパトリックも放送後そう遠くない時期にDVDが出そうですね。

でも私はスターチャンネルもネトフリも契約をしていないので何も見れない・・・・涙



BC:本物の水だから足が濡れた。
MF:一番寒くてつらかった日だよ。
BC:衣装スタッフのルイーズ・マーティンが具合が悪くなって僕の腕の中に倒れて、
身体中に水のボトルを巻かれて運ばれていったよ。

ゲ:ロンドン郊外のデプトフォードの廃墟だ。足が濡れて身体が冷えたよね。
MF:ひどかった。
BC:横殴りの雨が降っていない時もずっと風がやまず寒かった。
ゲ:不平はよくないな。
BC:そう?
ゲ:でも事実だな。

BC:次のシーズンはバハマに行こう。
MF:ルパートは「宮殿殺人事件」がいいってさ。
BC:温かいカーペットも。

ゲ:ここでトリビアだ。
「Coronation Street」のアン・カークブライトは演技で泣けないそうだ。
だけどベネディクトは泣いたよね。寒かったからかもしれないけど。
見事だった。シャーロックの冷徹さがたまらないね。
欲しいもののためなら完璧な演技を見せる。最高だよ。

BC:今回のホームズで好きなのはtけ鼻やかつら眼鏡に頼らず演技だけで別人になるところだ。
それで欲しい情報を得たり状況をコントロールする。
MF:見事だね。
ゲ:言い忘れていたけど原作の彼は変装の名人だ。

BC:僕たちの後ろ姿のシルエットがいいね。
ゲ:原作ではつけ鼻などを使うが映像にするとおかしいんだよ。
だから現代版の「変装」として周囲に溶け込む方法を選んだ。

ゲ:ここで撮影中の笑える逸話を紹介しよう。
BC:看板の話?
ゲ:そう。手がかりになる「ヤヌス・カーズ」。本物の店を見つけて撮影した。
店の頭文字「J」と「C」がふたつの顔を表すのはいいが文字が薄すぎてヤヌスが「アヌス」に見えた。
それで急きょ文字を濃くしたんだ。
ちゃんと読めるだろう?でも今も思い出すと笑っちゃうんだよ。
店主はO・トビアスに似てる。
MF:確かに。
ゲ:彼みたいな役が演じられるよ。

ゲ:シャーロック役でパイプやたばこを吸いたかった?
BC:喫煙は身体に悪いよね。(←喫煙者)
ゲ:君が言うと面白いな。
BC:次のシーズンで吸う?

ゲ:君が?
BC:違うよ、ホームズの話だよ。
いや、パイプなんて吸いたくもないな。想像もできない。
きっとすごく変だよ。たばこの存在意義はわかるよ。
頭を使う人間がコーヒーやニコチンで刺激を得たいというのはよく理解できる。

BC:だからこそ彼を非喫煙者にしたのは実に大胆かつ賢明だったと思うよ。
ゲ:これも早い段階で決めていたことだ。
今回のホームズは刺激物はやらないけど過去に何かにハマっていた可能性はある。
BC:現在彼が身を亡ぼすほどハマっているのはこの謎解きゲームだよ。これぞ彼にとっての麻薬だ。
ゲ:本作の最後でうまく描けたと思う。
彼は冷酷に見えてもちゃんと心があるんだ。モリアーティとは違う。

BC:その通り。
MF:アンドリューだよね。
ゲ:バラしたな。もうみんな知ってると思うけど。
BC:またやらかした。
ゲ:この駐車場はどこだったかな。
BC:カーディフだよ。
ゲ:元ラグビー場か。このビニールシートと警察のライトが気に入っている。

BC:僕はこの車が好きだ。運転したい。
ゲ:じき「トップ・ギア」のオファーが来るから。
MF:すぐだよ。
BC:呼ばれるかな。
ゲ:コンパクトカーに乗るシャーロックか。
「トータル・ワイプアウト」にも呼んでもらおう。
MF:そのチャレンジ番組は僕も気に入っている。
BC:あの壁抜けだけは絶対に嫌だ。



続きます。

トップギアは実現しましたね。
もしかしてこの時には既にオファーが来てたのかな。

私はトップギアが大好きだったのでゲストに決まった時は踊りだしたいくらい嬉しかったです。
その頃はまだ今よりも全然英文を訳すことができなかったので、
友人たちの助けを借りながら訳したのを覚えています。

トータル・ワイプアウトはリチャード・ハモンドくんが司会をしているチャレンジ番組で
あの風雲たけし城がモデルだと言われていました。

シャーロックの百面相が好きなのでついつい大目に貼ってしまいます。
現代では変装ではなく演技で別人になるので泣くことも簡単にできる人物がシャーロックなら
まさにベネディクトが適役だったとあらためて思いました。
もしかしたらベネディクトだからそうしたのかもですけど。

The Great Game Audio Commentary その5

2018-08-15 09:40:17 | Sherlock S1E3 Commentary
コメンタリー続きです。



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ゲ:このシーンではポールの演出が冴えわたっている。
後部座席のショットを複数のカメラで撮るのは難しい。

BC:建物も美しいね。
ゲ:そう、由緒正しいロンドンの旅だ。
最高のルートだし特に素晴らしいのは建物が過ぎ去っていく様子だよ。
見えにくい状態から急に視野が開け木々や建物が完璧なフレーミングで現れる。
BC:ポールは空間の使い方がうまいね。
人物の配置や動き、画面に現れるメールの文面、車窓の反射など・・・・

BC:確かこのあとも街のシーンがあったね。ほかの被害者のときに・・・
ゲ:あるね。
BC:じゃ、先に言っておく。彼との通話中に見事な映像が現れるよね。
シャーロックが心の中で見る画だ。
ゲ:数ショットあるな。
BC:シャフツベリー通りに被害者の男性が立っているんだよ。
MF:マーク、質問がある。
ゲ:いいよ。
MF:世界最速の動物は?

(爆笑)

MF:じゃなく・・・
ゲ:チーターだな…
MF:番組の「トーン」はどう決めたの?

MF:このドラマはかなりダークだ。残虐さやおぞましさはないけど陽気ではない。
このトーンでいこうと決めたいきさつは?
ゲ:いい質問だね。熟考する価値のある問題だ。
実際、仕上がりは当初の予定よりダークになった。
その理由はおそらくE1とE3の殺人が陰惨な性質のものだからじゃないかな。
殺人はみな陰惨だけどね。

ゲ:アガサ・クリスティなどは殺しの描写を控え「死体」をめぐるやり取りを重視した。
だがE1の連続殺人と本作の「自爆攻撃」は軽く描きようがない。
暗くなりすぎるのを避けるため音楽を入れたりしたけど明るくは描けない。暗さに向き合うしかない。
MF:確かに。
MG:次シーズンを作る際はもっと心がけないとね。90分で壮大な事件を描くと得てしてこうなる。
本当はもっと笑いや恋愛模様を盛り込みたかった。
だけどこれは最終話だしカウントダウンのシーンも多い。
軽いシーンを入れる余地がなかった。

ゲ:ひどく場違いに見えてしまうから。カウントダウンの緊張感を保ち彼らの真剣さを見せなければ。
BC:でも所々に笑いはあるし2人の成長も伝わる。
「反社会的人間」のシャーロックは危機に瀕している人々を気にかけていない様子でジョンはそんな彼のモラルを疑う。
「何を考えている?」「人々を救う気もなくなぜ謎を解く?」
だけど最後は互いに理解をするしシャーロックも成長する。
このエピソードの終盤には。いい脚本だよ。
ゲ:Thank you.

BC:緊張感もあった。
MF:物語の流れを妨げることなく人物を描ききったしね。
BC:コミカルな部分もよかった。暗くなりかねないシーンもユーモアで救われてる。
ゲ:実生活と同じだよ。人はガス抜きを求めるんだ。
MF:いつでもね。
BC:僕たちが週末に旅行で気晴らしするようなものだね。

ゲ:ある人に聞かれたことがある。
「ドクター・フー」を見て「なぜ行く先々で面白いことが起こるのか」と。
それは作り手の努力だよ。時には失敗もあるし。
僕たちの立脚点は「シャーロック・ホームズの冒険」だ。
舞台は現代だし警察の力も増しているけどこれはあくまで日常とは離れた冒険物語だ。
MF:僕たちが見慣れた世界を舞台にしてはいるけど実際こんな生活は怖くて嫌だな。君は?

ゲ:そうだな。
MF:殺人の連続だし。
ゲ:僕の生活は撮影の連続だ。
BC:人の少ない警察だね。
ゲ:ここでヴィネットが登場だ。
BC:いい女優だね。適役だった。

MF:結婚すれば。
BC:どうせ断られるよ。
MF:ふたりとも弱腰だな。
BC:仕事仲間だよ。

ゲ:このロケ地は最高だった。僕たちの制作オフィスもここにあった。
ほぼ空っぽのオフィスビルで・・・・しゃべりすぎかな。

BC:これがさっき僕が話していたシーンだよ。
シャーロックは車の音から心の目で別の世界を見る。新たな爆弾の被害者だ。
オフィスのセットはデザインがよかったね。
パーテーションの角度などの工夫で面白い空間になっていた。一歩間違えば退屈な場所になるよ。
ゲ:病院みたいに?
BC:役所とか。

ゲ:ピカデリーサーカスだ。「狼男アメリカン」のクライマックスを思い出す。
彼らは実際に現地で撮影した。
現代のロンドンではとても不可能に思える。ほかの街に比べてもやりにくい。
ゲ:だがあの交通量の中、僕たちは無事にやり遂げた。
ロンドンらしさを演出しなくても勝手に2階建てバスが通る。皆になじみのある街の風景だよ。


続きます。

先日、このツイートが目に入りまして。
銀魂2の公式アカウントが誤投稿したものらしいです。
公式アカウントのツイートはおそらく削除されてしまったようですけど
いやほんとこれなのよ、って心の底から同意しました。
と、同時にトム・クルーズのMIが長くみんなに愛されている理由がわかった気がします。

シリーズ物に何を求めるかというと、
お馴染みのキャラクターが活躍しつつ、
ラストはいつもの大円団で終わるという安定したストーリーではないでしょうか。
大いなるマンネリ、最高ですよ。

ダークでショッキングな方向に行くのってすごく安易でしょ。
ワンパターンだと言われるのが怖いからそっちに行くだけなんじゃないかな、と思います。
誰の事かは言いませんけどね(暴言)


The Great Game Audio Commentary その4

2018-08-10 07:26:35 | Sherlock S1E3 Commentary
久しぶりにコメンタリー続きです。


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BC:あのロケ地はひどかった。
MF:本物のセント・バーソロミュー病院だね。
BC:そう。

MF:いい画だね。
BC:うん。
ゲ:このショットを撮った日、マーティンがけがをしたんだ。
BC:マーティン話して。
MF:撮影3日目だった。前日は大雪で撮影が早く終わった。

BC:どこだっけ。
ゲ:マーサー・ティドヴィル。
BC:本物の遺体安置所だ。

MF:不気味だった。
そして3日目、起きてメイクを済ませポリッジのボウルを持ったまま凍った階段で滑って転落。
この大事なシーンの撮影を一日休む羽目になった。
君はひとりで演じたんだよね、ベネディクト。
BC:そうだよ、架空の君を相手に演じた。推理シーンや僕のアップ、スニーカーも撮った。
マーティンと一緒のショットはあとから撮ったんだ。

ゲ:もう撮影終盤だった。
BC:まだ髪は切っていない。
MF:この撮影直後に切った。
BC:第一話の前だね。

BC:君の事故をネタにした歌もあったね。
フリーマンが落っこちた。♪
MF:ラリってるのか?
BC:まさか。
ゲ:僕がたどりついた事実を教えよう。
ホームズを演じた俳優はイカれるって事だ。
ベネディクトは役に入り込みすぎたんだね。
MF:(爆笑)そういう事だな。
BC:やめろって。もう君のメールは無視するから。

ゲ:これはカーディフ大学だ。
MF:そうだった。
BC:覚えてるよ。
ゲ:撮影監督のスティーヴ・ロウスの照明が見事だ。
元々はただの寂しい場所なのに・・・
BC:ゴージャスだ。
ゲ:様々な色の液体を並べたのも科学じゃなく美的な理由からだ。
カラフルな映像になる。
BC:それでいてちゃんと深みがある。

BC:無理に明るい照明を当てると普通は画面が白っぽくなるけどこれは陰影が美しい。
ゲ:君は神秘的に見えるね。
BC:顕微鏡を覗く姿は格好よくないと。
ゲ:見せ場だな。
MF:ルーとアンドリューが並んでる。うわさのふたりがそろって登場だ。

ゲ:ジムというキャラクターの誕生秘話を明かそう。
パイロット版の第一話で別のラボシーンを撮っていた時だ。
隣室でモニターを見ながらモリーの話をしていたんだ。
「彼女に恋人を作ろう。」
「シャーロックがゲイだと暴いたら面白い。」
この最終話で実現させたわけだが予想以上によかった。

BC:ちょっと技術面の話をしてもいいかな。
少し前に出てきた推理シーンは一眼レフで撮ったんだ。
高速で連射したスチール写真をつないだんだよ。
ホームズの目と同様ごく細部までとらえているが撮影はスチールカメラだ。
彼の思考や視点を表現するために様々な技術が使われているんだよね。
ポールもスティーヴもすごいよ。
MF:本当にそうだよ、最強のコンビだ。
BC:彼らは偉大だ。フリーマンの歌も書いて欲しいな。
MF:PVもね。
ゲ:もう撮ったらしい。

ゲ:これもずいぶん議論した事だけど推理の過程を説明するのはすごく難しいんだ。
原作者であるドイル本人でさえ時々あきらめていたほどだ。
こんなふうに始まる物語がたくさんある。
「わが友を脅かすほどではないがとにかく難事件だった。」
推理の過程を描くのは厄介で、僕たちも必死で考えたんだ。
今回は舞台を現代にしなければならない。19世紀なら懐中時計か何かを分析しただろう。
でもスニーカーの場合はどうなんだ?

BC:どうやって考えたの?
ゲ:自分の靴を眺めながら人物像が読み取れないか考えたんだ。
内側の底が減ってるから偏平足だとわかる。
スニーカーを塗りなおす案も思いついた。ヒモを何度交換したかもシャーロックならわかるはず。
名前に関しては学校時代にからかわれていた子がいたんだ。名前を書いたタオルをいつまでも持っていた。
BC:ひとつ告白していい?すぐ終わるから。
(小声で)僕もいまだに名前入りの靴下とタオルを持ってるんだよ。
あるインタビューの途中でシャツのタグに書かれた名前を指摘されたこともある。
26歳なのに学校のシャツを着てたし。

ゲ:なぜ学校時代のパンツや靴下をはいてるんだ。
BC:パンツはさすがに・・・・
ゲ:想像だ。
MF:僕も想像した。
BC:なぜなら、クリスマスに靴下を贈る習慣があるのは男は自分で買わないからだ。
買うのはおしゃれに敏感な男だけ。
MF:僕たちはファッショナブルだから。
BC:ふたりとも大人だね。
ゲ:買う店は言わないでおくよ。ここでブランド名は出せないからね。
BC:いいよ、お店はたくさんあるし。
ゲ:探偵もたくさんいる。
BC:そう、ホームズ以外にもね。


続きます。
やっぱりシャーロックの画像貼りは楽しいです♪
この辺りの裏話は盛りだくさんで面白いですよね。
ベネディクトの物持ちの良さもここで知りました(笑)
育ちもあるのでしょうね。
貴族は物持ちが良いらしいし。貴族じゃないけど。
それにしてもマーティンと御大はオシャレですね。
特にマーティンは細部のこだわりがすごく好きだわ。

The Great Game Audio Commentary その3

2018-06-29 22:48:52 | Sherlock S1E3 Commentary
コメンタリー続きです。


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ゲ:ここでマーティンにジョンの衣装について聞こう。
MF:彼のふたつの職業を服装にも反映させたかった。彼は医師であり軍人だ。



MF:いずれも物語伝統的に立派な職業だとみなされている。
それで自分なりに考えた。彼は多くの軍医を出している一族の出身だろう。
だから服装は控えめな英国風がいい。
MF:例えばチェックのシャツなど実用重視のファッションだ。
軍人に知り合いは?
MF:今はいない。いや前からいないけど。なんで?



ゲ:軍人はごく慎重に服装を選んでいると思う。
何人か会ったことがあるが服装はそろってアウトドア風。
清潔感はあるがあか抜けなてない。



MF:ワトソンは将校クラスだ。
将校も医師もいわゆる「上流階級」の職業にあたる。
彼は超上流ではないだろうけど育ちがいいしひそかにオシャレだと思う。
自分が何をどんな理由で着ているかわかっているんだ。



ゲ:ここに出てくるのは「オレンジの種五つ」からの引用だよ。
有名な物語だけどあまり映像化されていないんだ。
クー・クラックス・クランが絡んでいるからね。





ゲ:オレンジの種が入った封筒にKKKと書かれているから今の読者は拒否反応を起こす。
だがこの単純な怖さにゾクゾクさせられる。
封筒に入った五つの種(ピップ)が殺しの予告なんだよ。
だが僕たちは舞台を現代に置き換えないといけない。だから時報音(ピップ)にした。



ゲ:引用はここだけだ。
このシリーズは「寄せ集め」で作るのが原則だ。複数の物語から面白いところを使う。
MF:そうだね。
ゲ:ルパート・グレイヴスの話を、ベネディクト。
BC:彼はサッカーが得意で5人目の子が誕生予定。すばらしい俳優だ。
レストレードはホームズの成長を辛抱強く見守りその能力を信じている。
いや、役よりルパートの話をしよう。
彼はユーモアがあって一緒にいると楽しいんだ。
MF:そうだよね。
BC:最高だよ。




ゲ:いい男だ。
ルパートをレストレード役に選んだときは・・・
BC:思い切った配役だったけどルパートで正解だったよね。
ゲ:従来レストレードはいつも不機嫌そうに描かれてた。
自分の能力が評価されないといら立っているんだ。
だが原作ではホームズの言う通り彼は優秀な刑事なんだ。
ホームズがいなければきっと主役になってたよ。
BC:名探偵だ。
ゲ:新しいだろう?


BC:とてもいい選択だったよ。
現代の視点から物語を解釈する試みが功を奏したと思う。
ルパート扮するレストレードの圧倒的な魅力によってホームズの仕事がそれ以上のものだとわかる。
通常の警察の仕事とは別物だとね。彼の服装を見ればいろいろ分かるよ。
酒癖が悪く離婚歴あり。
MF:それルパートの話?
MC:えーっと、レストレードだよ。



ゲ:僕が昔からやりたかったことのひとつは「ベイカー街221C」の物語を書くことだ。
ずっと想像を膨らませていたよ。
BC:この部屋だね。
ゲ:声の話をしても?
BC:人質の女性の声を演じたのは有名な女優だけど・・・・
ゲ:デボラ・ムーア。
BC:そう、デボラ・ムーアだ。でも現場では・・・・
ゲ:シノスだね。
BC:現場ではシノスが演じてくれたんだけど本当に泣いていたんだ。
ゲ:僕らの記録係だ。



BC:職務を超えて協力してくれた。
MF:僕たちの演技がかすむほどの熱演だった。
ゲ:しかも何度もね。
BC:何度やっても最高だったよ。

ゲ:このロケ地にはミステリーがあって、
ホームズの下宿のみすぼらしい地下なのになぜか車で1時間半もかかる。
近くにいい建物がなかった。ひどくじめじめした場所だったね。住人の忘れ物もあった。
BC:僕はコメンタリーは初体験なんだけど、この場で個人的な復讐をしてもいい?
ゲ:それは賢明ではないな。
BC:次シーズンに出たければね。



続きます。
ベネディクトが本調子になってきたようで、(笑)
マーティンはあいづちのみになってきています。

ヤードでの場面、
地動説を知らなかったのをみんなが知っていた、のところも大好きな場面です。
ジョンの知らんぷりな表情も、サリーが燃料投下した時の表情も最高でした。
この頃はユーモアも光ってましたね・・・(しつこい)