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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

ゴッホ 真実の手紙 その2

2020-03-03 21:17:22 | ゴッホ 真実の手紙

Van Gogh: Painted with Words

Director :Andrew Hutton
Producer: Alan Yentob
Vincent Van Gogh :Benedict Cumberbatch
Theo Van Gogh :Jamie Parker

 

1873年、フィンセントはコベントガーデンにあるグーピルロンドンオフィスに異動になり

ブリクストンに引っ越します。

 

 

The Graphic」や「Illustrated London News」のモノクロで印刷される大衆芸術に熱中しそれらを数千点集めました。

 

これらの版画は芸術家にとっては聖書のようなもので気分を高揚させるために何度も読む。

私にとってイギリスの画家はディケンズのような文学の領域。気高く健全で常に立ち返る原点だ。」

 

コレクションの中にはディケンズの空の椅子がありました。

ロンドンの労働者階級の貧しい生活が描かれた版画やディケンズの社会的現実主義の題材はフィンセントに感銘を与えたのです。

 

「都市の住む人たちは宗教に心酔し、特に工場や店の労働者の純粋な若者たちは信心深かった。」

「説教壇で聖職者は揺るぎのない教義を説き、前後に身体を揺らしながら長年の習慣となった聖書を開く。」

 

イギリスの福音主義についてジョージ・エリオットの本を読んだフィンセントは宗教一家で育った頃を思い起こします。

父親と同じ道を歩もうと聖書の勉強に没頭しました。

しかし宗教に熱中するあまり美術商の仕事が疎かになり解雇されます。

 

 

次に彼は教師の助手の職を得ようとします。

牧師になる彼の目標に近づくことを期待していました。

 

「テオ

ラムズゲートの教師から手紙を受け取った。

1か月の試用期間を設けて私の適性を確認するから来ないかと誘われたんだ。

 

それは美しい景色だった。空は水色で灰色と白の雲が浮かんでいた。

もちろん、到着まで私はずっと窓の外を眺めていたよ。」

 

 

「学校の窓から見える景色の絵を同封する。

面会に来た両親が帰るのを生徒たちが見送る窓だ。」

 


ゴッホ 真実の手紙 その1

2020-02-28 22:17:55 | ゴッホ 真実の手紙

Van Gogh: Painted with Words

Director :Andrew Hutton
Producer: Alan Yentob
Vincent Van Gogh :Benedict Cumberbatch
Theo Van Gogh :Jamie Parker

これも2度目のチャレンジです。
今ちょうどアマプラで配信されているしちゃんと残しておきたかったので。

ほぼナレーションなのでベネディクトのセリフは少ないのですが
とにかく泣き顔のかわいいこと・・・←

これも不定期ですがよろしかったらお付き合いくださいませ。

 

 

狂気の芸術家フィンセント・ファン・ゴッホの神話は今もなお私たちを魅了します。
生前は見向きもされなかったゴッホは死後爆発的に絶賛されました。
今やゴッホの絵は誰もが知っている貴重な作品です。

「私はバイオリンを奏でる弓のように筆を持つ。それが実に楽しい。」

ゴッホといえば奇妙なイメージがあります。
狂気の天才は内に秘めた感情の炎をカンバスに表現することを本能で見出したのです。
しかし心の病により度々画家としての彼は鳴りを潜めました。

「静かに描かせてくれないか。
例え狂っていたとしても自分ではどうしようもない」

信じがたい話ですがフィンセント・ファン・ゴッホの真実は彼が残した手紙の中にあります。
彼自身が語らないことについては定かではありません。
ここに902通の手紙があります。
そのほとんどは彼の親友であり命綱でもあった弟テオにあてた手紙です。

このドラマは手紙の記述で作られました。
ゴッホと周囲の人たちの言葉だけを抜粋しています。
いわば真実の言葉です。

1888年12月23日、深刻なノイローゼに陥ったゴッホは左耳を切り取ると馴染みの娼婦に渡しました。
警察は血だまりのベッドの上で倒れている彼をを発見し地元のアルルの病院に搬送され隔離されます。

「親愛なるテオ、ここ以上に最低な場所はないだろうね。
鍵のかかった隔離病室にずっと閉じ込められている。」

「体調は良い。傷口も塞がったし血の量も回復している。
恐ろしいのは不眠だ。衰弱していくようで少し不安もあり脅えている。」

「兄さん、あなたと会って話を聞けたらいいのに。
あなたが苦痛の日々を送っていると知り胸が張り裂けそうだ。
あなたを愛する弟 テオ」

フィンセントは厳格なカルバン主義のもとで育ちました。
父親はオランダ改革派教会の牧師で、オランダの小さな町ズンデルトで成長します。

彼は全寮制の学校に入りそこで絵を描く基礎を学び外国語も上達したのです。

16歳になると彼は退学し美術商グーピルの見習いになります。
3年後、テオも同じ道を歩みます。そして手紙のやりとりが始まります。
フィンセント19歳、テオは15歳でした。

「これからは頻繁に手紙を出し合おう。
兄弟の絆は最も大きな支えとなる、それは昔から変わることのない真実だ。
私たちの愛は決して消えることはない、それは経験を積み重ねて更に深くなっていく。
お互い実直なままでいよう。お互い実直なままでいよう。隠し事は無しだ。今のように。」