Enola Holmes
Directed by Harry Bradbeer
Produced by Mary Parent Alex Garcia Millie Bobby Brown Paige Brown
Written by Jack Thorne
Based on The Enola Holmes Mysteries: The Case of the Missing Marquess by Nancy Springer
2020 UK
アメリカの作家ナンシー・スプリンガーのパスティーシュ、
「エノーラ・ホームズの事件簿シリーズ」を映画化されましたが
コロナ禍のため上映はされずNetflixオリジナル映画として配信されました。
シャーロックの20歳年下の妹、エノーラの母親が失踪したのをきっかけに
母親を探しつつ事件を解決していくミステリー。
エノーラはストレンジャー・シングスでイレブンを演じた
ミリー・ボビー・ブラウン。
原作では14歳ですが映画では16歳になっています。
ストレンジャー・シングスを観ている身としては
すっかり大人の女性になったなぁ、と感慨深いです。
彼女の才能は演技だけにとどまらず姉のペイジとプロデューサーも兼任しています。
ホームズ兄弟、そしてエノーラの母ユードリアにヘレナ・ボナム=カーター。
ヘレナさんは相変わらず安定した活躍ぶりです。
文武両道に秀でているユードリアはエノーラに様々な事を伝授しています。
従来のイメージとは違いますがこんなホームズ兄弟の母親もアリではないでしょうか。
少なくとも某現代版よりは・・・・コホンコホン
マイクロフト・ホームズはサム・クラフリン
この格好だとわかりづらいですが素のサムさんはかなりイケメンです。
太ってないしイケメンだし口うるさくて頭かたいし
RDJ版とBBC版のマイクロフトをこよなく愛する私としてはちょっと悲しい・・・
そして!
シャーロック・ホームズのヘンリー・カヴィルさん。(つい、さん付けしてしまう)
さわやかさでは歴代ホームズイチですね。
ホームズに妹がいる設定だけでも受付けない人は多々いると思いますが
さらにカヴィルさんのホームズも好みが分かれそうです。
私は全然OKでした。
エノーラが奇想天外的な行動をするのでバランスを考えると
このくらい落ち着いたシャーロックでちょうどよいかなと。
さて、ストーリーです。
この作品はデッド・プールでおなじみ、
第4の壁を破る「観客へ語り掛け」の手法を採用しています。
カメラ目線で語り掛けるエノーラがものすごく可愛いのもポイントです。
時代は1884年。
ホームズ兄弟もそれぞれ独立し母とふたりで暮らすエノーラ。
学校には行かず家にある本と母の教えから学ぶ日々に満足していましたが
エノーラ16歳の誕生日に突然母が姿を消してしまいます。
エノーラはホームズ兄弟を呼び寄せ助けを求めますが彼らは興味を示さず
マイクロフトはエノーラを寄宿学校に入学させようとします。
母を探したいエノーラは学校に入ればそれも叶わなくなる。
そんな時、母が暗号で残した手掛かりに気づきます。
手掛かりを追うと隠された大金がありました。
エノーラはそれを手に母が身を隠したと思われるロンドンに向かいますが
列車の中で出会ったバジルウェザー・テュークスベリー侯爵を取り巻く事件に巻き込まれます。
バジルウェザー・テュークスベリー侯爵を亡き者にしようと暗躍する殺し屋に
命を狙われたエノーラは侯爵を助ける決心をしてテュークスベリー邸に乗り込みますが
そこで出会ったレストレード警部からマイクロフトに情報が渡り
捕まったエノーラは寄宿学校に入れられてしまいます。
しかし面会に来たシャーロックのアドバイスで勇気をもらい学校を抜け出すエノーラ。
侯爵の命を狙う犯人を突き止め、母を探しだそうと行動に出ます。
以下、ネタバレです。
ストーリーの中心になっているのは選挙法改正で1884年に自由党内閣のもとで
実施された改正法の投票です。
若き貴族儀銀のテュークスベリー侯爵は改正法賛成に投じようとしていたため
イギリスの伝統を案じた祖母が侯爵の暗殺を命じ、
エノーラの母は女性参政権実現のために闘うために家を出ました。
ラストで母子は再会しユードリアはエノーラの成長を見て取ります。
そしてエノーラも母や兄のように自分の力で歩き出すために私立探偵を目指します。
ホームズの妹の活躍を描いたこの作品、
とにかくミリーの観客への語りかけや健気に頑張るのが可愛いくて
ホームズに妹がいるのはちょっともにょりますが犯罪の天才よりは全然良いです。
全体的に明るくてテンポも良く謎解きもやアクションもあり楽しめます。
ホームズ兄弟、基本的にはクールですが
マイクロフトが寄宿学校に入れたがるのもエノーラの将来を考えての事だし
シャーロックはエノーラの理解者で度々手を差し伸べています。
特にシャーロックは母が失踪した理由をいち早く突き止めていますし
さすがにエノーラより数枚も上手です。
始めにも書きましたがカヴィルさんのシャーロックの評判はどうなんでしょうね。
私の中ではもちろんBCシャーロックに勝るシャーロックは存在しませんが
RDJともジェレミーさんとも違う、これはこれで面白いのではないかと思います。
ミリーのファンだというカヴィルさんは続編に意欲的だそうですが
大人の事情的に続編は難しそうです。
キャストを変えてドラマ化は可能性がありそうですけど
私としてはこのキャストで続編が観たいかな。