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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

FARGO/ファーゴ Season1の感想 5/3

2016-03-29 19:25:11 | FARGO
FARGO/ファーゴ

Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen

これでラストです。
結局、3ページ中5ページ目という訳わからないタイトルになってしまいました。


E10:モートンの熊手 "Morton's Fork"
※これは「誤った二分法」なんだそうです。他にも選択肢があるのに2つの選択肢だけしか考慮しないという意味です。
モートンの熊手は英国の貴族の課税が起源だそうで、
「英国の貴族が裕福なら課税しても問題はないし、貧しそうに見えるなら質素に暮らして
お金を貯めこんでいるのでやはり課税しても問題はない」
流動資産を持たない貴族を考慮していない誤った二分法だそうです。
誤った二分法

リンダ殺しの嫌疑が自分にかからないようにレスターはパパのダイナーに入りアリバイ作りをします。
殺人事件の捜査でモリーたちに現場に呼び出され再び被害者を装いますが警察署まで連行されます。


事件を聞きつけたモリーの父親が、ダイナーに来たマルヴォの事を話します。
その時、モリーに「このまま進むか、立ち止まるかふたつの道がある」とモリーに問います。


FBIを交えた事情聴取が始まります。
FBIはマルヴォの写真を見せ、見覚えあるだろうと問い詰めます。
レスターはビルに助けを求めますが今回は味方をしてくれないので弁護士を要求します。
モリーはレスターを家に帰しマルヴォをおびき寄せる事にします。


レスターを解放するときに「僕はそんなに恐ろしい人間ではない」と言うレスターにモリーは例え話をします。
「ある男が手袋の片方をホームに落としたのを気づかないまま電車に駆け込み、
気づいた時は電車が走り始めていた。男はどうしたか。
残ったもう片方の手袋も窓からホームに投げ込んだ。拾った人が両手がそろっている手袋を使えるように。」
レスターは訳がわからず「何が言いたいんだ?」と聞きますがモリーは「さよなら」とだけ返します。
モリーがここでなぜこの例え話をしたのか未だによくわからないのですが、
「良心」「善良とは何か」とかそんな事をレスターに言いたかったのでしょうか。


危険を察知したモリーの父親は孫娘を守るため家の前で銃を持ち待機していました。
ガスはマルヴォが戻ってきたことを知りモリーに署から出ない事を約束させます。

父ちゃん、カッコよすぎます!
でも、グラントリノみたいな展開だったらどうしようとドキドキしましたよ。

電話を終えたガスの前にオオカミが立ちふさがっていたので急いで車を停めます。
そしてふと横を見るとあの赤いBMWがありました。
[user_image
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車を目立たないところに止めそっと近づくと山小屋があり、
そこからマルヴォが出て行くのが見えたのでガスは山小屋に入っていきます。


ビルは警察官の資質はないし平凡に暮らしたいと警察をやめる事を決意しモリーを署長に推薦すると言います。


FBIのふたりがレスターを家に届ける途中、狐と兎とキャベツの問題をレスターに出しますが
あっさりと正解を言うレスター。頭の回転が早いんです。


レスターを乗せた車をマルヴォが尾行しレスターの家を突き止め、FBIをあっさりと撃ち殺します。
それを見ていたレスターはマルヴォの侵入に備え罠を仕掛けます。
ここからレスターとマルヴォの戦いが始まります。


侵入したマルヴォはレスターの仕掛けた獣用の罠に足を取られ大けがを負います。
その隙にレスターが銃を撃ちますが弾が出ずバスルームに逃げ込みマルヴォの攻撃に備えます。

このレスター、一見かっこいいんだけど鼻から血を出してたりしてイマイチかっこつかないんですよ。
普通のドラマだったら頭から血を流すとかするじゃないですか。
でもそこがファーゴでありレスターなんでしょうね。
これも超かっこいいのに・・・・


何の気配もしなくなったのでバスルームから出てみるとマルヴォは消えていました。
マルヴォは山小屋に戻り自分で足の手当てをしますが、背後から銃を構えたガスが現れます。


ガスは緑のなかでなぜ目が利くのか、その答えを伝えたあとマルヴォを撃ち殺します。

元警察官とはいえ今は一般人のガスが撃っていいのか?とか思いましたが、
彼は自分で決着をつけることを選んだのでしょうね。

現場にモリーがやってきます。


ガスはモリーに山小屋に残されていたカセットテープを聞かせます。
それはマルヴォが録音していたレスターの妻殺しの証拠でした。


2週間後、指名手配されたレスターは警察に追われます。


追い詰められたレスターは凍った湖の上を逃げ回りますが氷が割れ水の中に消えていきます。


モリーは自宅で知らせを受けます。
表彰されることになったガスはモリーが表彰されるべきだと言いますが、
今回の手柄はガスだし自分は署長になるから、とモリー。


ここで終ります。
あまりにも詰め込み過ぎてものすごく長くなってしまいました。

映画版のジェリーは逮捕で終りましたがレスターは死んでしまうんですね。
ジェリーとは比べ物にならないくらい殺してますもんね。
自分の手で殺したのは妻だけですがサムもリンダもレスターが手を下したも同然ですし。

映画版も今回のドラマ版もポール・バニヤンの人形が出てくるのは
冒頭の「真実の物語」は嘘でーすという意味なんでしょうか。
そして映画版のジェリーもドラマのレスターもさも真実かのように嘘で固めているんですよね。
いろいろと仕掛けがあって面白いです。

エミー賞の頃は未視聴でしたがマーティンとビリーさんふたりとも主役にノミネートされて、
結局どちらも受賞できなかったのがとても残念に思えます。

1話1話に沢山詰め込まれていて、それでいて中だるみもなく、
最後まで楽しめたドラマでした。高評価だったのも頷けますね。

最後に今さらな話ですが狐と兎とキャベツの答えです。

始めに兎を舟に乗せます。
兎を向こう岸に置いて次にキャベツを乗せます。
キャベツを置いた後兎を乗せていったん戻ります。
今度は狐を乗せて向こう岸に渡り最後に兎を迎えに行きます。

私はこれを解くとき紙に書きながら悩んでいました。
私のメモリーの乏しさよ・・・・

FARGO/ファーゴ Season1の感想 4/3

2016-03-27 11:36:38 | FARGO
FARGO/ファーゴ

Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen

これで最後にしようと思ったのですが読むのが嫌になるほどめちゃめちゃ長くなってしまったので
E9とE10を分けました。なのでこの次で終ります。


ネタバレを含みますのでご注意ください。

E9:狐と兎とキャベツ "A Fox, a Rabbit, and a Cabbage"
※川渡り問題です。ドラマの中でこの問題が出てきますが、
昔、私のまわりでも流行りまして出題された時は一晩中考えてましたよ。
いろいろなパターンがあるみたいですが私の時もこのパターンだったと思います。

マルヴォは次の仕事に取り掛かっていました。
保護承認プログラムで隠れているマフィアの男を見つけ出すために歯医者になりすまし
その男の兄弟のカントンに近づきます。
カントンの信用を得るために半年かけて良い人間を演じます。


そしてついにカントンが弟を会う時にマルヴォを同席させることになり、みんなでラスベガスに来ていました。
そんなマルヴォにレスターが声をかけますがマルヴォは他人のふりをします。


ここでレスターは素直に引き下がり部屋に戻っていれば良かったんです。
しかし「昔の自分とは違う」というレスターはエレベーターで部屋に戻ろうとしていたマルヴォ達を追いかけます。
マルヴォに今の自分を見せつけたかったんでしょうね。
マルヴォはレスターに「これがお前の望みなのか?」と聞き、
サムの時にはYesと言えなかったレスターは今度こそはっきり「Yes」と言います。


その瞬間、マルヴォはサイレンサー付きの銃を取り出すとエレベーターに居たレスター以外の人をすべて殺します。


半年かけたマルヴォの仕事をダメにしたレスターはこの時点でマルヴォの敵となってしまいました。
レスターはその場から逃げ出すと寝ているリンダを起こし、すぐにラスベガスを発ちます。
慢心しちゃったレスターの行動が結局すべてを失う羽目になります。

ファーゴのFRI支局では二人組が資料室で暇そうにしています。


ここで狐と兎とキャベツの出題をしています。
「狐と兎とキャベツを持っている男が川を渡ろうとしていますが舟には自分の他にひとつしか積めません。
キャベツを積むと男が居ない間に狐が兎を食べてしまいます。
狐を積むと兎がキャベツを食べてしまいます。
どうやってすべてを無事に向こう側の岸に運びますか?」

彼らはファーゴの組織を皆殺しした犯人を知っているというモリーの事を知りベジミーに向かいます。

この日はビルが不在なのでモリーが署長代理を務めることになっていました。
パパのダイナーで朝食をとっていると電話がかかってきます。
ベガスで起こった殺人事件をレスターが目撃しているというのでモリーはレスターに話を聞きに行きます。

突然孫娘が出来ちゃったパパですが結構気が合っています。

一方レスターは警戒しながらも家にたどり着きます。


家に入ってからも外の様子をしきりに伺いながら地下室に行きチャズの持ち物だった狩猟の道具から
獣用の罠と拳銃を取り出します。そこにモリーがやってきます。
レスターは目撃などしていないとシラを切り最後はリンダの機転でその場を切り抜けます。


ガスが配達しているとマルヴォによく似た男が運転している赤い車がガスの車を追い越していきます。


その車はマルヴォ本人でした。
レスターは新しい家に引っ越し自分の保険会社を設立していましたがそれを知らないマルヴォは
以前の家に行き住人から会社の所在地だけ聞き出すことができました。


今の家を知りたいマルヴォは情報を仕入れるためにパパのダイナーに入ります。
一方、モリーもFBIの二人組と落ち合うためダイナーに向かいます。


マルヴォはパパからレスターの家を聞き出そうとしますが、
そこは元警察官、パパは教える事はしませんでした。
そうしてマルヴォが店を出て行った瞬間、モリーが裏口から入ってきました。

FBIのふたりはモリーの作った相関図にとても興味を示し、
立ち会っていたビルの言い分をあっさり却下するとレスターを調べるためにベジミーに滞在することになりました。


レスターはリンダとメキシコに行くことし航空券を予約しますが、
パスポートが会社にあるので取りに行くことになりました。


会社の裏に車を停めると腰を痛めたと言ってリンダに自分のコートを着せフードを被せ取りに行かせます。
息をつめて車の中から様子を伺っているとオフィスに入ったリンダが隠れていたマルヴォに拳銃で撃たれてしまいます。

レスター、清々しいほど他人を犠牲にしています。

ところで映画版で2回ほど映し出されるポール・バニヤンの人形(上段)はアメリカの「ほら話」の象徴と言われているそうですが
この場面に出てくる人形(下段)もポール・バニヤンなんですね。
斧は持ってないけど巨大な青い牛を連れているのも特徴のひとつらしいので。


続きます。

FARGO/ファーゴ Season1の感想 3/3

2016-03-22 07:32:25 | FARGO
FARGO/ファーゴ

Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen

ネタバレを含みますのでご注意ください。

E6:ビュリダンのロバ "Buridan's Ass"
※ビュリダンのロバは左右に同じ量の干し草があるのにどちらも選べなくて餓死してしまうお話のロバです。

ここでファーゴの組織が出てきます。組織はサム殺しの犯人を殺すよう命令します。

マルヴォはインストラクターを使ってマイロスに電話をかけお金の受け渡し場所を指定し、
そのあとインストラクターを罠にかけます。
銃撃戦を装い踏み込んだ警察官にインストラクターが射殺されてしまいます。
やり方はヒドイけど結果的にマルヴォはきちんと任務を完遂します。


一方、モリーはガスのもとを訪れています。
ガスは本当は郵便配達の仕事がしたかったとモリーに打ち明けます。
その時、銃撃戦のことを知り現場に駆けつけます。


銃撃戦を見届けたマルヴォをナンバーズとレンチが襲い掛かります。


吹雪の中で始まった銃撃戦を聞きつけモリーとガスも銃声のするほうに向かいます。
マルヴォはナンバーズをとらえ、雇い主を吐かせたあとに殺します。
ホワイトアウトの中、モリーの姿を見失ったガスは誤ってモリーを撃ってしまいます。


レスターの病院に弟のチャズが訪れます。
レスターにサムと妻殺しの容疑がかけられており、病室の前には警官が見張っていました。
それを知ったレスターは、自分の無実を主張し兄弟なんだから信じてくれと言いますが
チャズは受け入れず、知っている事を警察に話せと言って去っていきます。


レスターは無実ではないしチャズのいう事は最もなんですけど、
どこか釈然としないのはチャズにはレスターへの兄弟に愛情が感じられず
ただ正論を言っているだけだからなのかもしれません。
ここでチャズがもう少しレスターの話を聞き愛情をもって接していれば何か変わったのかも・・・

マイロスは長男をボディガードとともに避難をさせ受け渡し場所に向かいますが、
神の許しを請うには、あの時手にしたお金をすべて元の場所に戻す事だと思いつきます。
マイロスの指示で長男とボディガードは自宅に戻ろうとしますが途中、竜巻で大量の魚が道にばらまかれ
長男を乗せた車が横転し、死んでしまいます。信心深かったばかりに起きた事故でした。
もしマイロスが神にお金を返そうとしなければ、もう少し長男を避難させていれば・・・



一方レスターは逮捕されたも同然の状態に危機感を感じ病室を抜け出します。
そして隠しておいた凶器や妻の写真をチャズの所持している銃の秘密の隠し場所にそれらをしのばせ
さらにチャズの子どものリュックにチャズの拳銃を入れてしまいます。


そうしてチャズが妻と不倫の末に殺してしまったような状況を作り出し、何事もなかったかのように病室に戻ります。
この笑顔が怖いんです。マルヴォとは違った狂気が垣間見える場面です。


E7:理髪師の髭を剃るのは誰? "Who Shaves the Barber?"
※「床屋のパラドックス」の引用です。
ウィキ
床屋のパラドックス

学校でチャズの子どものリュックから銃が見つかったことで家宅捜査を受け、チャズの銃の隠し場所から
レスターの妻を殺害した凶器が見つかりチャズは逮捕されます。

レスターはビルの事情聴取でチャズが妻と不倫しこじれて殺害し自分はずっとチャズをかばっていたと
ストーリーをでっち上げます。
モリーは撃たれて入院中なのですがここにモリーが居たらどうなっていたんでしょうね。
晴れて自由の身になったレスターはチャズの叫び声を背中に去っていきます。

悪そうな笑いです。

モリーは一命をとりとめます。
ガスが落ち込んでいるのでモリーがガスを励ましたりしています。


モリーのパパも駆けつけます。
こうなることを恐れていたパパは最初の頃、娘に転職を勧めたりしていたので
パパの心中ははかりしれませんが、何も言わずいつものパパとして振る舞っています。
本当にステキなパパです。


マルヴォは仕事の元締めからファーゴの組織の場所を聞き出し報復しに行きます。


組織には常にFRIが張り込みをしていましたがその目の前を堂々と機関銃を持って押し込み皆殺しにしてしまいます。
あっけにとられるFRIの二人組を後ろでマルヴォは堂々と姿を消します。


レスターは心機一転で仕事に復帰します。
サム・ヘスの奥さんに支払う保険金のことで訪問したついでに奥さんとちゃっかり寝てしまうレスター。
これですっかり自信をつけてしまいます。やっぱり自信を持つって大事なんですよね。


一方、退院したモリーはレスターの妻殺しの犯人としてチャズが逮捕されたことを知り茫然とします。


E8:砂山のパラドックス "The Heap"
※砂の山から砂を取り去って最後の一粒になっても砂山と言えるかどうか、という問題だそうです。
パラドックスの定義なぞ考えようとすると気を失いそうになります、私。
ウィキです。
砂山のパラドックス

レスターは妻の所持品を処分し、洗濯機を新しくします。
洗濯機を納品した業者が今まで使っていた洗濯機は粗悪品ですぐにリコールされたと言います。
すべての原因はこの洗濯機なんですよね。
リコールを知って交換していればもしかしたらレスターは妻を殺さなかったかもしれません。
快適に動く洗濯機を見詰めながらレスターは笑っています。
すべてを切り抜けた今の状況を考えるともしかしたらレスターは不良品の洗濯機に感謝すらしているかも。


復帰したモリーは殺人事件の情報をきちんと図にまとめ、チャズの犯人説には矛盾があると訴えますが
もちろんビルはそれを却下します。人生なんて不満だらけだがそれを受け入れないといけないと諭します。

ビルは悪い人ではないんですよ。難民の子どもを養子に迎えてたりしているし、
すごく人情味に溢れた人なんですけど、だからこそ警察官には向かないのかもです。

サムが保険の掛け金を払っていなかったので保険金がおりないことを知ったサムの妻が押しかけてきます。
レスターはその事を知ったうえで妻と関係を持ったわけですが、
そのことを暴露されてもレスターは冷静に堂々と対処し、妻を追い払う事に成功します。
その様子を見ていた同僚のリンダがレスターに愛の告白します。
いやー、自信を持った人間て怖いですね。


モリーに撃たれて入院中のレンチにマルヴォが会いにいきます。
マルヴォがレンチに話を聞かせます。
「熊が罠から逃れるために自分の足を食いちぎって逃げたが結局近くの小川で死んでいた。自由になって死んだんだよ。」
マルヴォはレンチに手錠のカギを渡し、「治ったら会いに来い」と言って去ります。

自由になって死ぬかこのまま閉じ込められるかの選択を迫られるレンチですが・・・・

結局モリーはそれ以上捜査することはできませんでした。
ガスから贈られた花束があふれたデスクに座ったモリーはガスと会う約束をします。


そうして1年が過ぎました。
ガスは警察官をやめて当初の希望だった郵便配達の仕事をしています。
モリーはガスと結婚し、妊娠をしていました。
映画版ファーゴのマージも妊娠していましたもんね。
映画版のラストでマージのダンナの絵が3セント切手に採用されたという場面があるので
もしかしたらガスの郵便配達の仕事はそのオマージュなのかもですね。


それでも事件を忘れられないモリーです。


ファーゴの組織の張り込みをしていたFBIの二人組は左遷で資料室の住人と化していました。
「資料室から資料を持ち出してもここは資料室だけど、繰り返し持ち出され資料がなくなっても
ここは資料室と言えるのか?」などと砂山のパラドックスの話をしています。


レスターはリンダと結婚し、保険販売の年間最優秀賞の授賞式のためにラスベガスに来ています。
自分の嫌疑をはらすために身内を陥れたレスターはその工作をやり遂げ自信を持ち始めた時から
何もかもうまくまわるようになっている感じです。すかりダークサイドに堕ちています。
元々頭の回転は早かったんでしょうね。ただ自分に自信がなかっただけで。


授賞式のあとにナンパしようと妻をホテルの部屋に帰しバーに繰り出しますが
そこで見たのは、風貌が変わっていたマルヴォでした。


ものすごく飛ばしたのですが余裕で終らなかったです。
続きます。

FARGO/ファーゴ Season1の感想 2/3

2016-03-20 11:17:40 | FARGO
FARGO/ファーゴ

Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen

ネタバレを含みますのでご注意ください。

この記事をまとめていてふと、E6のタイトル「ビュリダンのロバ」って餓死するロバの話だと思って
それからファーゴのタイトルを調べていったらそれぞれ引用元があると今更ながら気づきました。
タイトルもちゃんと考えられているんですね。深いわ。
E1の「人喰いワニのジレンマ」はルイス・キャロルが創作した自己言及のパラドックスだそうです。
ウィキです。
ワニのパラドックス

E2:おんどり王子 "The Rooster Prince"
※このタイトル、日本語版を見つける事ができなかったのですが自分を雄鶏と信じ込んだ王子、といった内容の寓話のようです。
ある日突然裸になり床で餌をついばむようになった王子に賢者が「あなたが服を着てちゃんと食事をしても
心が雄鶏であるならあなたは雄鶏なんです」と言った、というお話です。

殺されたサムはファーゴにあるある組織に属しており、サムを殺した犯人に報復すべく、
ファーゴからナンバーズとレンチがやってくるところから始まります。
このコンビ、すごく好きなんですよ。


ヴァーンの後継にビル・オズワルドが就任。
モリーは今回の事件にレスターが関わっていると言いますが、レスターの同級生だったビルは
レスターにそんな事ができるはずはないと否定します。
それでも食い下がるモリーにヴァーンの妻の口添えもありビルはモリーとレスターに会いに行きます。
ビルが自分を全然疑うどころか妻を殺されたことで同情し、レスターはかわいそうな被害者を演じますが、
モリーはひとり納得がいかない様子です。


レスターの話を信じきったビルはこの事件を強盗殺人と断定します。
警察官は署長の捜査方針に従わないとダメらしいですよ。
しかし納得のいかないモリーはレスターを問い詰めますがレスターはビルの好意を最大限活用し、
ビルに苦情を入れビルはモリーを捜査から外してしまいます。


小さい町だとみんなが知り合いなのでこういう慣れ合いになりがちなんですよね。
そんな中でモリーは小さな町の警察官(一応副署長ですけど)にしておくには勿体ないくらい
冷静さと勘の良さを持ち合わせています。
父親が優秀な警察官だったこともあると思いますが資質もあるんでしょうね。
レスターを問い詰めていく様子を見ると、ついレスター逃げてー!と叫びそうになります。
だってマーティンだし・・・・
それにしてもレスターは自分に暗示をかけているんじゃないかと思うほど被害者になりきっています。

レスターの奥さんは日常的にレスターにひどい事言ってたし衝動的に殺してしまった時も
言っちゃいけない領域を踏み越えていたからレスターに同情できる部分もあるんです。
でもこのあたりからじわじわと内に秘めた狂気のような部分が表面化していて、
多分レスターはもうかなり前から壊れていたのかもしれません。


ビルとモリーが訪ねてたとき、レスターは奥さんの服に顔を埋めて泣いていたのですが、
次の瞬間には保身のためだけに行動していて、その表情には恐ろしさを感じます。
マーティンはすごいですよ、本当に。

一方、マルヴォの雇い主は「ミネソタ州のスーパーマーケット王」マイロスでした。
マイロスは何者かに脅迫されており、マルヴォに犯人を捜させます。


マルヴォは依頼主の電話やメッセージを録音しているようで、この時もレスターから
妻を殺したという電話の録音を聞いています。
もちろん保身のためもあるのでしょうけどそういえばマイロスから彼の著書にサインをもらっていたので
よくシリアルキラーが被害者の持ち物を収集していたりするような感覚なのでしょうか。


E3:泥の道 "A Muddy Road"
※これは禅公案のようです。
調べようと思ったのですが禅公案たくさんありすぎてよくわかりませんでした・・・

レスターはサム・ヘスの保険金のことでサムの奥さんに会いに行きそれをナンバーズとレンチに目撃され、
以後、ナンバーズとレンチにサム殺しの疑いをかけられつきまとわれます。


一方、凍死した男の捜査をしていくうちに防犯カメラが犯人らしき男をとらえていたことを知ります。
そして見逃してしまった男がずっと気になり車を調べると持ち主がレスターだったのでベミジーを訪れモリーに会います。
モリーは防犯カメラの画像をガスに見せ、レスターの車に乗っていた人物とと凍死した男を連れ去った人物が同一だとわかります。


マルヴォはマイロスを脅迫していた人物をすぐに突き止めます。
マイロスの妻のスポーツインストラクターでした。
しかし、マルヴォは彼と結託し聖書に出てくるエジプトの十の災いをなぞらえ、
マイロスのシャワーに豚の血を次に店に大量のコオロギを放ちます。


ちなみに10の災い一覧です。
http://www.lets-bible.com/ten_calamities/

E4:知らぬ存ぜぬ "Eating the Blame"
※これも禅公案の引用みたいです。

で、マイロスが何者かと言うと、1987年に借金から逃れるため妻と子どもを親戚を頼ろうと
ミネソタ州の雪道を車で走らせていた途中ガス欠になり、動きがとれなくなります。
どうにもならなくなったマイロスが外で神に祈っていると大金が入ったケースを見つけます。
これが映画版でカールが埋めた身代金なんです。


モリーはマルヴォが滞在していたモーテルを割り出し、マルヴォがベジミーにいたことを確認します。

ガスはマイロスの家の近くでマルヴォを見つけ、今回は見逃せないと無理やり逮捕してしまいます。
ガスはすぐにモリーを呼び、ダルースに向かおうとしますがビルに止められてしまいます。
神父に扮していたマルヴォはすぐに釈放されますが別れ際にガスに、
「なぜ人は何よりも緑の中で目が利くのか?」という言葉を残して去っていきます。


一方、レスターはナンバーズとレンチに拉致されてしまいます。


サム殺しの自白を迫られたレスターは自分ではないと言いつつ弟のところから持ってきていたスタンガンを使って切り抜け、
途中で会った警察官を殴って無理やり逮捕をさせ逃げ切りますがが、結局すぐに留置場でふたりと再開してしまいます。

そしてガスはモリーからマルヴォの問いかけの答えを教えてもらいます。
森の中で敵を見分けるため・・・だそうです。


E5:愚か者の群れ "The Six Ungraspables"
※これも禅ですね。

ナンバーズとレンチに脅された挙句、化膿していた手をさらに痛めつけられマルヴォの存在を教えてしまいます。


モリーはレスターとマルヴォの関係を捜査に基づいてビルに説明し、ビルもようやくモリーの話を聞き入れます。
留置場にいるレスターに話を聞こうとしますが手の化膿が悪化し朦朧としているレスターは病院に運ばれます。
病院でモリーは医師からレスターの手には散弾が入っていたと聞きます。


信仰深いマイロスは災いの最後が長男の死だと信じ、マルヴォにお金を用意すると言います。
脅迫の裏にマルヴォがいるとは知らないマイロスです。
この時息子がやってきてコオロギの出どころを突き止めるのですが神の罰だと信じきっているマイロスには届きません。
この息子、ダジャレばかり言っていてちょっとバカっぽいのですが実は結構頭が良いんじゃないかと思います。
ここでマイロスがちゃんと息子の話を聞いていれば・・・・


このエピソードの中でガスが隣人から聞いた話がちょっと印象的でした。
あるお金持ちの男が悲惨な世界を嘆き、自分の全財産を寄付しますがそれでも世界は良くならず、
次に臓器を提供しますが、それではひとりしか救えません。最後は自分の全てを提供して死んでしまいます。
世界の問題はひとりでは解決できないというちょっとした教訓でした。

私もたまにひとりであがいて空回りすることがあるんです。
自分が出来る事ってたかがしれているんですけどね。
そういう時はひとりで背負わないで身近な人に相談したり助けてもらったりするようにしています。
3人寄れば文殊の知恵って言うし、意外なところから意外な解決策が出てきたりするもんです。
そういえば「世界中の悩みをひとりで背負ってたあの頃~」という歌があったような気が・・・


続きます。

FARGO/ファーゴ Season1の感想 1/3

2016-03-18 07:58:28 | FARGO
FARGO/ファーゴ

Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen


映画を観た後にドラマも観たくなって久しぶりに見返しましたが忘れていた部分が結構ありました。
しかし、やはり面白いです。一度観始めるとノンストップになります。
やっと観終わったので忘れないうちにまとめてみようと思います。

ネタバレですのでご注意ください。

ファーゴS1はふたりの男を中心に話が進みます。
まったく別の世界に生き、性格も生き方も絶対に接点などないだろうふたりが偶然に偶然が重なり
関わりを持ってしまった事でお互いが破滅の道を歩んでいく、そんなストーリーです。

漠然と書いているととっ散らかりそうなのでエピソードを追いながら書いてみます。
冒頭にはいつもこの説明が表示されますがフィクションです。

This is a true story.
The events depicted took place in Minnesota in 2006.
At the request of the survivors, the names have been changed.
Out of respect for the dead, the rest has been told exactly as it occurred.
これは実話である。
実際の事件は2006年にミネソタ州で起きた。
生存者の希望で人名は変えてあるが、死者への敬意を込めその他は忠実に描いた。


E1:人喰いワニのジレンマ "The Crocodile's Dilemma"
冒頭はローン・マルヴォがベミジー近くを走っている途中、鹿とぶつかりその反動で後ろのトランクが開き
下着姿の男が逃げ出していく場面から始まります。


一方、ベミジーで保険会社に勤めるレスター・ナイガードはうだつの上がらない男で、
いつも妻からバカにされ出来の良い弟と比較されながら暮らしていました。
この日も昔からのいじめっ子、サム・ヘスに鼻の骨を折られ病院に行きます。


そこで、車の事故で頭を怪我したマルヴォと出会います。
鼻が痛くて缶ジュースが飲めないレスターにマルヴォがそのジュースちょうだいって言ったのをきっかけに、
レスターはサム・ヘスに殴られたことを話し、マルヴォがその男殺してやろうか?と尋ねます。
君がYesと言えば殺してやるよ、と言われますがレスターは最後までYesともNoとも言わずにその場は終わります。


マルヴォは報酬で殺しの依頼を受ける殺し屋さんなのですが、この時はジュースのお礼だったとか?
ストーリーの中でたまに出てくるマルヴォの例え話が実は彼の生い立ちなんじゃないかと思います。
飲んだくれの父親から虐待を受け母親からも捨てられたような、そんな壮絶な子ども時代が
彼を心を持たない冷徹な人間に作り上げたのかもしれません。
だから、もしかしたらマルヴォは苛められ侮辱されるレスターに興味を抱いたのかもしれませんね。
しかし、ここできっぱりとNoと言えないのがレスターなのですが、
レスターにとってマルヴォの悪魔の囁きはとても甘美で、
口にこそ出さなかったけど心の中ではYesと叫んでいたんだろうし、
でもYesともNoとも言わないところがレスターの小狡いところなのかなーと思いました。

ともあれこれを機に彼の人生は大きく変わります。

その頃、警察官のモリーは署長のヴァーンと事故を起こして置き去りにされたマルヴォの車の捜査をし、
凍死した下着男の死体を見つけ、捜査を始めます。


サム・ヘスが殺された事を知ったレスターは再びマルヴォと会い、頼んだ覚えはないと詰め寄りますが、
「立ち向かえ」と逆に説教されます。
そしてその夜、レスターは以前から調子の悪い洗濯機に立ち向かおうと修理し妻の前でスイッチを入れて見せますが
直ったどころか故障させてしまった事で妻にバカにされ今度は妻に立ち向かってしまいます。


つまり、妻をハンマーで殺してしまいます。
その地下室の壁に貼ってあったポスターがこれ。
「もしあなたが正しくてみんなが間違っていたら?」


このドラマは「Whatif」の連続なんだと思います。
もし、レスターがサムに会わなかったら?殴られなかったら?病院に行かなかったら?洗濯機が壊れなかったら?
もし、マルヴォの運転する車の前に鹿が飛び出さなかったら?
そして、もしレスターがサムに立ち向かっていたら?
そんな感じでずっと続くんです。
ほんの少し違う行動をしていたら未来はまったく違うものになっていたんだろう想像をかき立てられるドラマでした。

妻を殺害してしまったレスターはハンマーと返り血を浴びた服を隠しマルヴォに助けを求めます。
そして電話のあとは散弾銃を用意したり、セリフの練習をしたりと、
多分マルヴォを妻殺しの罪を着せようとしていたような感じです。
普段は不器用なレスターがここではテキパキと動いています。
自信の無さが彼を余計に鈍らせていたけど実は意外とやれば出来る子なんですよね。
しかしそこは運の悪い男、レスター。

病院でのマルヴォと会話をしていたという目撃証言があったのでレスターを良く知るヴァーンが
話を聞きに彼の家を訪れ、妻の死体が見つかってしまいますが、
タイミングよくレスターの家に来たマルヴォにレスターが用意していた銃で撃たれてしまいます。


そのあとすぐに警察が駆けつけますがマルヴォが姿を消したので、
レスターは侵入者に妻とヴァーンを殺されたように見せかけます。

マルヴォはレスターの車で次の仕事先に向かう途中交通違反でダルース警察のガスに止められますが、
マルヴォはガスを脅し、ガスはそれに屈して見逃してしまいます。


レスターの手にマルヴォが撃った散弾の破片が入りますが、治療を受けないまま化膿しレスターを苦しめる事になります。


1回でまとめるつもりだったのに1話目から長々と書いてしまいました・・・・
少し長くなりそうなので分ける事にします。