Based on Patrick Melrose by Edward St Aubyn
Written by David Nicholls
Directed by Edward Berger
続きです。
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Patrick Melrose:PM(パトリック・メルローズ)
David Melrose:DM(デイヴィッド・メルローズ パトリックの父)
Eleanor Melrose:EM(エレノア・メルローズ パトリックの母)
Nicholas Pratt:NP(ニコラス・プラット デイヴィッドの親友)
Anne Moore:AM(アン・ムーア ヴィクターの恋人?)
Sir Victor Eisen:VE(ヴィクター・アイゼン デイヴィッドの大学の友人 アンの恋人?)
Bridget Watson Scott:BS(ブリジット・ワトソン・スコット ニコラスの愛人)
Johnny Hall:JH(ジョニー・ホール パトリックの友人)
アンがダイニングに戻ります。
NP:みんな楽しんでいたよ、絞首刑になる男もね。
DM:家族みんなが楽しめる。
アンがエレノアに話しかけます。
AM:階段のところにパトリックがいるの。
あなたと話したいって。
エレノアが立ち上がりアンと部屋を出ようとします。
DM:エレノア?
EM:はい。
DM:パトリックが駄々をこねて泣くたびに駆け付けるようなことはもうしないと話し合ったんじゃないのか。
EM:さっき高いところから落ちてしまったの。だから痛がってるのかもしれないわ。
DM:だとすると必要なのは医者だろう。
デイヴィッドが立ち上がりますがアンが止めます。
AM:痛がってるんじゃないの。母親と話がしたいだけよ。
DM:ほら、痛がってはいないようだ。
だから感情の問題なのだ。脅しに屈するのか?
一同静まり返ります。
デイヴィッドが座ります。
DM:座って、それから話し合おう。
エレノアとアンは自分の席に戻ります。
DM:教育とは子どもが成長した時に「あれを乗り越えたのだから何でも乗り越えられる。」と言えるようにする事だと私は思う。
AM:おかしいしそれは間違いだとわかってるはずよ。
VE:確かに子どもはチャレンジさせるべきだと思う。
AM:ヴィクター、あなたまで。
エレノアは後を振り返りリビングに続くドアを見つめます。
NP:誰かを責めようなどとは誰も思っていない。
私たちはただ・・・
AM:私たち!あなたは彼に逆らう事などしないでしょうけど。
NP:・・・子どもを過保護に甘やかしても何にもならないって言ってるんだ。
それが時代遅れだということはわかっているよ。でも子ども頃の問題など大したことではないよ。
AM:大した事ではないということではあなたがリストのトップね。
偉そうに聞こえないように戯言を言い、戯言に聞こえないよう偉そうなことを言う。
NP:アメリカの若い選手からの強烈なバックハンドか。哀れだな。
BS:じゃあ、あなたの子ども時代の問題も大したことはなかったのよね、ニコラス。
みんなの期待に応えたってことよね。
NP:平穏な子ども時代だからといって謝罪はしないし、
楽しかったことを苦しみに上書きしたりもしない。
広い芝生にバケツやスコップ・・・
デイヴィッドはイチジクを手に持ちナイフでテーブルの下からブリジットの足をさわります。
驚くブリジット。
NP:リッツにある金色のプールにコインを投げ入れたりもした。
デイビッドはイチジクを手にブリジットに話しかけます。
DM:イチジクはいかがかな。今年は最高の出来だ。
君がどれ程好きか私は知ってるぞ。
ブリジットは冷静に返します。
BS:ナイフをちょうだい。
AM:ごめんなさい、もう駄目だわ、我慢できない。
突然アンが立ち上がりニコラスに言います。
AM:あなたは尊大で愚かな太鼓持ちよ。
そしてデイヴィッドを見ます。
AM:あなたにできるのは彼を怖がらせて思い通りにすることね。
何よりあなたは人間として失格者だわ。あなたの息子がかわいそう。
私は失礼するけどヴィクター、あなたはご友人たちとここにいてくれて構わないわ。
もちろん、今後あなたとお会いすることはないけれど。
立ち去ろうとするアンにヴィクターも立ち上がります。
VE:僕も君と一緒に失礼するよ。
エレノアがアンを止めようとします。
EM:そんなにすぐに行かなくてはだめなの?
VE:いや、エレノア、明日は早起きして少し執筆を進めておかないとなんだ。
アンがエレノアに言います。
AM:エレノア、パトリックは廊下にいるわ。
あの子は悲しい思いをしてるわ。ひとりぼっちで怯えてるのよ。
私はあの子にあなたを連れてくるって約束したの。
あの子に会って何があったのか聞いてあげて。
デイヴィッドが葉巻に火をつけます。
無言のエレノア。
AM:エレノア、お願いよ。
エレノアはわかったと言うようにアンの腕を掴んだその時、
「エレノア」と呼ぶデイヴィッドを顔を見ます。
それからあきらめたように少しだけ笑い、席に戻ります。
部屋を出るアンとヴィクター。
続きます。
パトリックの周囲の大人はみんな人間のクズすぎて・・・・
アンだけが唯一まともなんですけど、
それでもやっぱりパトリックにとっての母親はエレノアだけなんですよね。