That's awesome

海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock 1-1 A Study in Pink その6

2015-03-23 07:23:51 | Sherlock S1E1
「ピンクの研究」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat


シャーロックが飛び出して行った後、アンダーソンたちは作業を始めます。
誰もジョンを顧みることもなく、ジョンはひとり階段を下りていきます。

ここのジョンがかわいそうすぎて・・・(涙)

建物の外に出るとテープが張ってあるところにドノヴァンがいました。

SD「彼、消えたわよ。」
JW「シャーロック・ホームズのこと?」
SD「そう、どこかに行っちゃったわ。いつもそうなの。」
JW「戻ってくるかな?」
SD「戻らないと思うわよ。」
JW「そう。」
ここがどこだかわからないジョンはあたりを見回しながら「そうか・・・」と呟きます。


JW「ごめん、ここがどこだか教えてくれる?」
SD「ブリクストン。」
JW「わかった。それで・・・タクシーをつかまえられるところあるかな?
その・・・足がさ・・・。」
SD「ああ・・・大通りに行ってみて。」
そう言ってドノヴァンはジョンが通りやすいようにテープを上げます。

JW「ありがとう。」
ジョンはお礼を言ってテープをくぐるとドノヴァンが話しかけます。
SD「あなた、彼の友人じゃないわよね。彼に友人なんていないもの。あなたは何なの?」
JW「僕は・・・何者でもないよ。出会ったばかりだし。」
SD「そう、じゃあ少しだけアドバイスしておく。彼には近づかないで。」
JW「なぜ?」
SD「彼がなぜここにいるのかわかる?彼は何の報酬ももらってないのよ。
好きでいるの。興奮するのよ。奇妙な犯罪ほど興奮するの。
いい?いつか彼は犯罪を見るだけでは済まなくなるわ。
いつか、シャーロック・ホームズが置いた死体のまわりに我々が立つことになるのよ。」
JW「どうしてそんな事をすると?」
SD「彼はサイコパスだからよ。暇を持て余しているサイコパスなのよ。」
そこにレストレードからドノヴァンに声がかかるので「今行きます」と答えると
SD「シャーロック・ホームズから離れるのよ。」
そう言いながらレストレードのもとに行きます。

何なんだ、というような顔でジョンは大通りに向かって歩き出します。
すると右手にあるボックスの電話が鳴り始めます。
ジョンはボックスを見て、それから腕時計を確かめ再び歩き出します。
ジョンが通り過ぎると電話は鳴りやみます。


大通りに出ますがなかなかタクシーがつかまりません。
その時、ジョンの後ろにあるお店の電話が鳴ります。
※このお店は「Chicken Cottage(チキンコテージ)」というファーストフードレストランなんですね。
一瞬、ロゴマークが映ります。↓これ。


お店のスタッフが電話をとろうとした時、電話は鳴りやみます。
ジョンは少し不可解だというような表情をしますが再び歩き出すと、
再び電話ボックスの電話が鳴り始めるので、とうとうジョンは電話をとりました。


JW「ハロー?」
?「防犯カメラが君の左側の建物にあるのだが見えるかね?」
電話の相手の男が唐突にそう言います。

JW「誰ですか?電話をしているのは誰なんです?」
?「カメラが見えるかね?Dr.ワトソン?」
JW「ああ、見える。」
?「見てるんだ。」
男がそう言うとジョンに向かっていた防犯カメラが横に向きます。


?「別のカメラが向かい側にあるのだが、見えるかね?」
?「それから、右側のビルの上。」

カメラは次々と向きを変えていきます。

JW「なぜこんな事をしてるんだ?」
?「車に乗りたまえ、Dr.ワトソン。」
男がそう言うとボックスの前に黒塗りの車がとまります。
?「ある意味脅迫になるが君は状況をよくわかっている思うがね。」

ジョンは受話器を戻しボックスのドアを開けます。
※しかし、ジョンのこの落ち着きは何?
そしてアンシアとの場面はさすが三大陸先生!と言うほかありません(笑)

後ろのシートに乗ったジョン。隣には女性が乗っていました。
女性はずっと下を向いてモバイルを操作しています。
ジョンは「ハロー」と話しかけますが女性は「Hi」と言うとすぐにまた視線はモバイルに移ります。
しばらく沈黙のあと、再びジョンが話しかけます。

JW「で、君の名前は?」
An「んー・・・アンシア。」
JW「それ本当の名前?」
An「No」

JW「僕はジョン。」
An「知ってるわ。」
JW「どこに行くか聞いておきたいんだけど。」
An「答えは出ないわよ・・・ジョン。」
ジョンはOKと答えて再び沈黙します。


しばらくすると車は倉庫の中に入り、そこで止まります。
そこには傘を持った男性が立っていました。
ジョンが車を降りて歩き出すと、「かけたまえ、ジョン。」と傘で椅子を指します。


ジョンはそれには反応せずに近づきながら言います。
JW「僕は電話を持ってるんだけどね。
つまり、いろいろと賢いんだからさ・・・電話だってできただろう。僕の電話に。」
そして椅子には座らずに、男の目の前に立ちます。

?「シャーロック・ホームズに気づかれないようにするには慎重にならないといけないのでね。
それ故この場所になった。」
男はそう言うと胡散臭く微笑みながら「足が痛むだろう。座りなさい。」と椅子を勧めます。
JW「結構だ。」
?「君はあまり恐れてはいないようだな。」
JW「あんたも脅かしているようにはみえないな。」
?「ああ、勇敢な兵士だったね。
勇敢は愚行に対する最も思いやりに満ちた言葉だと思わないか?」
ジョンの言葉に男は笑いながら言いますがジョンは無表情のまま見ています。

?「シャーロック・ホームズとはどんな関係なのかな?」
JW「関係もなにも彼の事はほとんど知らない。彼に会ったのは・・・」
ジョンは一度言葉を区切ってから「・・・昨日だ。」と言います。

?「そして昨日、君は彼と一緒に引っ越しをして今は一緒に犯罪を解決してる。
週末までには結婚の報告がありそうだから楽しみにしているよ。」
*結婚の報告の部分はHappy announcementとなっていましたが日本語字幕通りにしました。
日本語字幕GJと思いましたよ。あ、いえ、変な意味ではなく・・・(説得力なし)


JW「あんたは誰なんだ?」
?「利害関係者。」
JW「シャーロックと?なぜだ?あんたは友人ではなさそうだ。」
?「彼に会っただろう。彼にはどのくらい友人がいると思っている?
私はシャーロック・ホームズが持ち得る友人に最も近い存在だ。」
JW「つまり何だ?」
?「敵だよ。彼にとってはね。もし君が彼に尋ねたらおそらく宿敵と言うだろう。
ドラマチックな事が好きだから。」
JW「あんたのほうが上手だろうけど。」


その時、ジョンの携帯にテキスト受信の着信音が鳴ります。
ジョンはポケットから携帯を取り出し、テキストを見ます。

Baker Street.
Come at once
if convenient.
SH

ベイカーストリートだ。
都合がよければすぐに来てくれ。
SH


?「気を散らさないでくれないか。」
JW「集中してるさ。」
?「君はシャーロック・ホームズとのつきあいを続けるつもりか?」
JW「問題があるかもしれないけど・・・だけど、あんたには関係のないことだろう。」
?「関係はあるんだよ。」
JW「あり得ないな。」


?「もし君が、えーと・・・」
男は内ポケットから手帳を取り出します。
?「ベイカーストリートの221Bで同居をするなら、
私は喜んで君の生活が楽になるだけの金額を定期的に支払おう。」
男は手帳をポケットに戻します。

JW「なぜ?」
?「君は裕福ではないから。」
JW「見返りはなんだ?」
?「情報だよ。無思慮なことではない。君が気まずさを感じることなど何もないよ。」
JW「Why?」
?「彼の事が心配なのだ。常にね。」
JW「それは優しい事で。」
?「だが、諸般の事情があるので私の懸念については言及しないでほしい。
我々の関係はいわゆる・・・・こじれてしまっているのだ。」


その時ジョンは再びテキストを受信します。


If inconvenient,
come anyway.
SH

都合が悪くても、
来てくれ。
SH

JW「No.」
?「しかしまだ金額の提示をしていないよ。」
JW「おかまいなく。」
?「早くも忠誠心を発揮してるね。」
JW「違う、興味がないだけだ。」
その言葉に男は再び手帳を取り出します。

?「『信頼の問題』、ここに書いてある事によれば。」
JW「それは何だよ。」
?「ひょっとして君は他の誰よりもシャーロック・ホームズを信用しているのかね?」
JW「僕が彼を信用しているなんて誰が言った?」
?「君は簡単に友人を作るような人間ではない。」
JW「話はこれで終わりか?」
?「君次第だよ。」
ジョンは少し考えますが、その場を去るために歩き出そうとします。


男はジョンの背後から話を続けます。
?「彼から離れるよう既に誰かが君に警告したようだが、君の左手からそんな事にはならないというのがわかる。」
男の言葉にジョンは足を止め振り向きます。

JW「僕の何を知ってるんだ。」
?「見せて。」
そう言われたジョンはその場で手を出しますが、距離があるので男は2、3歩前に出ます。
ジョンの手に触ろうとする男に「やめろ。」と手を引っ込めますが、
無言で促され、再び手を出します。
↓この顔ですよー。逆らえない何かがありますがこんな上司がほしいなーと思ったりもします。


?「なるほど。」
JW「何が?」
?「大部分の人間は都市の周囲をうろうろと歩き、通りや店、そして車を見ている。
君がシャーロック・ホームズと一緒に歩くなら、君は戦場を見る事になる。
君は既にそれを目にしてきてるだろうがね。」
JW「僕の手が何だと言うんだ。」
?「君の左手は断続的な震えがある。」
ジョンがそれに頷きます。
?「君のセラピストはPTSDが原因だと考えている。
戦場の記憶の悪夢に取りつかれていると彼女は思っているんだ。」
JW「あんたは何者なんだ。どうしてそれを知っているんだよ。」
?「彼女は解雇だな。まったく逆に捉えているよ。
今、ここで君はストレスに晒されているが君の手はまったく震えていない。
君は戦争の悪夢に取りつかれているのではないよ、Dr.ワトソン。戦場が恋しいんだ。」
この時のジョンは何とも言えない表情です。


?「Welcome back.」
男はそう言うと傘を回しながらその場から離れます。
ジョンの携帯に着信音がなったので、見ようと反応した時、
男に「どちらかを選びたまえ、Dr.ワトソン。」と言われます。


男が立ち去ると、後ろからアンシアが近づき、「家まで送るわ。」と視線を画面に落としたまま言います。
ジョンはテキストを確認します。

Could be dangerous.
SH

危険があるかも
SH

ジョンは自分の左手を見て少し微笑みます。
アンシアに住所を聞かれ
「ベイカーストリート。ベイカーストリートの221Bだ。」と言いながら車に乗ります。

続きます。


ジョンに送られたシャーロックからのテキスト。
このテキストがジョンの背中を押していたようにも思います。
何というか、何度も自分にテキストを送ってくるなんてかわいいじゃないですか。
放っておけない、とこの時に思ったのかもしれません・・・と、妄想してみる。

このテキストの元ネタは這う男(The Adventure of the Creeping Man)だと思います。
ワトソンのもとに電報が届くんですね。
「都合がよければすぐ来てくれ。もし都合が悪くても来てくれ。」

お兄ちゃんとジョンの対峙する場面、ここもとても好きです。
歩く政府に真っ向から対峙できるのはやっぱりジョンだけ、の始まりの場面だし。
それにしてもマーティンの感情を抑えた演技も秀逸ですよね。

そんなわけで長くなってしまいましたが、
今回はシャーロックの出番がテキストを除けば1ミリも無いんです。
それじゃあまりにも私が寂しいので、懐かしい画像を引っ張り出してきました。

大好きなホームズ兄弟の画像。
ともにS3のビハインドですが、右の画像は御大のツイートからです。
確か「Lovely Brother」と言う感じのツイートでした。お兄様ったら!


BAFTAでSHERLOCKが受賞したときです。
残念ながら主演の受賞はありませんでしたが、助演と作品賞でしたっけ。


S3撮影の時の画像。マーティンが遅刻してきた時だったような気がしますが、逆だったかも。
嬉しそうにマーティンをお迎えするベネさんが印象的です。


何度も貼っちゃっていますが、ホームズ兄弟とジョンのこの画像が好きなんです。
上は珍しく?キリっといているベネさん。


最後にダメ押し。


Sherlock 1-1 A Study in Pink その5

2015-03-08 12:02:28 | Sherlock S1E1
「ピンクの研究」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat

ブリクストン。
ローリストンガーデンズに着いたふたりは現場に向かって歩いています。

SH「間違いはあったか?」
そう言いながらシャーロックはコートの襟を立てます。

JW「ハリーと僕はうまくいってないし会ってもいない。
クララとハリーは3か月前に別れ、彼らは離婚する。そしてハリーは酒飲みだ。」
SH「完璧じゃないか。まさか全部当たるとは思っていなかった。」
JW「ハリーはハリエットの愛称なんだ。」
その瞬間シャーロックは立ち止まります。

SH「ハリーは君の姉か。」
JW「それより、具体的に僕は何をしなければならないんだ?」
SH「姉なのか!」
JW「いや、マジで。僕はここで何を?」
SH「いつも何か間違えるんだ。」 ← 聞いてねー。

現場でドノヴァンが待ち構えていました。
SD「ハロー、フリーク。」
SH「レストレード警部に会いにきた。」
SD「なぜ?」
そう言われたシャーロックはドノヴァンと向き合います。

SH「招待されたんだ。」
SD「なぜ?」
SH「現場を調べて欲しいからだと思うけど。」
SD「それで、私が何を考えてるかわかってるわよね?」
SH「相変わらずだな、サリー。」
シャーロックはテープをくぐると臭いを嗅ぎながら言います。

僕は君が昨夜家に帰らなかったことも知ってるんだ。」
SD「何を・・・この人は誰?」
近づいてきたジョンにドノヴァンが聞きます。

SH「僕の同僚、ドクター・ワトソンだ。ドクター・ワトソン、サリー・ドノヴァン巡査部長だ。」
SD「同僚?どうやって同僚なんてゲットしたの?」
そしてジョンに、「彼に家まで追いかけられたんじゃないの?」と言います。

JW「僕はここで待ってた方が良さそうだ・・・」
シャーロックはすぐに「No.」と言ってジョンのためにテープを上げます。
ドノヴァンはあきれたように無線で「フリークがビルに入ります。」と伝えます。

建物の入り口でアンダーソンが近づいてきました。
SH「アンダーソン。また一緒だな。」
PA「犯罪現場なんだから汚染しないでくれよ。わかったか?」
SH「もちろんだ。ところで君の奥さんはしばらく家を空けてるんだな。」
PA「おっと、自分が推理したなんて言うなよ。誰かに聞いたんだろう。」
SH「君のデオドラントが僕に話してくれたよ。」
PA「デオドラント?」
SH「男性用だな。」
PA「もちろん男性用だよ。僕は男性用をつけるんだよ。」
SH「ドノヴァン巡査部長も男性用だ。」
そう言われたアンダーソンはドノヴァンの方に振り向きます。

SH「多分それの匂いだよ。入ってもいいかな?」
PA「おい、お前は一体何を言いたいんだ・・・」
SH「他意なんか無いさ。サリーがちょっとおしゃべりをするためにやってきて一晩泊まったってだけだろう。」
シャーロックは入口に向かって歩き出しドノヴァンの横を通り過ぎると、
振り向きざまに「膝の状態から彼女は床の掃除をしたようだな。」と皮肉な笑顔をします。

奥の部屋に入るとレストレードが作業服を着ていました。
シャーロックは作業服を指して「君はこれを着るんだ。」とジョンに言います。
レストレードはジョンを見てシャーロックに聞きます。
GL「誰だ?」
SH「僕の同行者だ。」
GL「いや、だから誰なんだ?」
SH「同行者だって言っただろう。」

ジョンはラテックスの手袋だけ手にしているシャーロックに「君は着ないのか?」と聞きますが、
無言でジョンの顔を見るシャーロックでした。
SH「現場はどこだ?」
GL「上の階だ。」

階段を上りながらレストレードが「2分やるよ。」とシャーロックに言います。
SH「長くなるかも。」
GL「クレジットカードによると彼女の名前はジェニファー・ウィルソン。
詳しい繋がりを調べるためにここにきた。そんなに時間は経っていない。子供たちが彼女を見つけた。」

3階の部屋にピンクのコートとハイヒールの女性がうつ伏せに倒れていました。
ジョンは少し痛ましい顔をしています。
シャーロックは死体に集中します。

↑これこれー!この画像がどの場面かわからなかったのですがコメントで教えていただいたんです。

わずかの沈黙のあと突然シャーロックが「うるさい。」と言うのでレストレードが
?な顔で「何もしゃべってないぞ。」と言いますが、「考えてるだろう。それが気に障る。」とシャーロック。
思わずジョンと顔を見合わせるレストレードでした。

シャーロックは2、3歩前に進み、床に書かれた文字とEでとまってる女性の手を見ます。


left handed
(左利き)

RACHE
German (n.) revenge
(ドイツ語 復讐)
ドイツ語が浮かびますが頭を振り考えを変えます。

Rachel
(レイチェル)

そして死体の前に座りコートをなぞります。

wet
(濡れてる)

コートのポケットに入っている傘を出します。

dry
(乾いている)



襟の内側を触ります。

wet
(濡れてる)

拡大鏡を出し、ブレスレットなど身につけたジュエリーを観察。

ブレスレット
clean
(きれい)

イヤリング
clean
(きれい)

ネックレス
clean
(きれい)

指輪
dirty
(汚れている)

married
(既婚)

unhappily married
(不幸な結婚)

unhappily married 10+ years
(不幸な結婚 10年以上)

指輪を外しさらに詳しく観察。
dirty
(汚れている)
the inside registers as
clean
(内側はきれい)
regularly removed
(定期的に外す)
serial adulterer
(浮気の常習者)

ここでにやりと笑うシャーロック。

「何かわかったか?」とレストレード。
シャーロックは立ち上がり手袋を外すと「あまり無いな。」といいます。
その時、アンダーソンが口を挟みます。
PA「彼女はドイツ人だよ。Racheはドイツ語で復讐。我々に何かを伝えようと・・・・」
シャーロックはすぐにアンダーソンに近寄るとドアを閉めながら
「意見をありがとう。」
そしてモバイルを操作し英国の天気を調べながらレストレードの質問に答えます。

UK Weather

Maps(地図)
Local(ローカル)
Warnings(強風)
Next 24 hrs(24時間後)
7 day forecast(7日の予報)

GL「で、彼女はドイツ人なのか?」
SH「もちろん、違う。だが、彼女は郊外から出てきている。ロンドンには1泊する予定でいた。
カーディフに戻る前に。ここまでは明白だ。」
JW「え?明白?」
GL「だが、あのメッセージは?」
SH「Dr.ワトソン、君はどう思う?」
JW「メッセージの事か?」
SH「死体だよ。君は医療従事者だ。」
GL「待てよ、我々のチームがすぐそこに待機してるんだ。」
SH「そいつらとはうまくいかない。」
GL「俺は規則を無視してお前をここで自由にさせているんだぞ。」
SH「ああ、僕が必要だからね。」
GL「そう、情けないことにな。」
ふたりのやりとりを見ているだけのジョンでしたが、
「Dr.ワトソン。」とシャーロックに言われ、困ったようにレストレードの顔を見ます。
「ああ、そいつの言う通りに。好きにやってくれ。」
レストレードはそう言うと部屋の外に出てアンダーソンに指示を出します。
「アンダーソン。2分間は誰も入れないでくれ。」

そしてふたりは死体の前に座ります。

SH「さて。」
JW「僕は何をすればいいんだ。」
SH「僕の推理に手を貸してくれ。」
JW「僕は君の家賃の支払いを助けるんだろ。」
SH「ああ、だがこれはもっと楽しいぞ。」
JW「楽しい?女性が倒れて死んでるんだぞ。」
SH「正しい分析だが、君にはもっと深く切り込んでほしい。」

レストレードが戻ってきました。
ジョンが検死を開始しするとシャーロックは黙ってそれを見守ります。

JW「わかった・・・・おそらく窒息死。気絶により吐いたものが詰まったんだ。
アルコールの臭いはしない。薬物による発作かもしれない。」
SH「君はそれが何を意味するか知っている。君は新聞を読んだだろう。」
JW「え、彼女が自殺者のひとりなのか?4人目・・・?」

その時レストレードが「シャーロック、2分経ったぞ。わかったことを教えてくれ。」と声を強めます。
シャーロックは立ち上がると推理したことを話し始めます。

SH「被害者は30代後半の女性。
彼女の服装から専門家。驚くほどピンクの色調からメディアに関連していると推測する。
ロンドンに一泊するつもりで今日カーディフから出てきた。
彼女のスーツケースの大きさから明らかだ。」
GL「スーツケース?」
SH「そう、スーツケースだ。彼女は少なくても結婚して10年になるが幸せではなかった。
彼女は愛人を次々に作ったが彼らは彼女が結婚している事を知らなかった。」
GL「おい、もしでっち上げてるんだったら・・・」
SH「彼女の結婚指輪。少なくとも10年は経っている。
他のジュエリーは定期的に磨いているのに結婚指輪は磨いていない。結婚の状態を表している。
指輪の内側が外側より輝いているのは定期的に外しているからだ。
指から外すことで磨かれる。仕事のためではない。彼女の爪を見ろ。勤めている手ではない。
何のためというよりはむしろ誰のために外しているのか?
明らかに愛人はひとりではない。一定期間を超えて独身を装う事はしないから愛人を次々に作る。
簡単な事だ。」
シャーロックの推理に思わずジョンが絶賛。
JW「ブリリアント!」
シャーロックがジョンの顔をちらっと見ると「ごめん。」と謝ります。
GL「カーディフ?」
SH「明らかだ、そうだろう?」
JW「僕には明らかではないよ。」
SH「まったく、君たちのおかしい小さな頭の中はどんな様子なんだろうか?
かなり退屈には違いないな。」

SH「彼女のコートはわずかに湿っている。
彼女は数時間前まで土砂降りの雨の中にいたからだ。ロンドンはその時間に雨は降っていない。
コートの襟の内側も湿っている。向かい風とは逆向きに立っていたからだ。
左のポケットに傘が入っていたが乾いている。
使用していないのは風が吹いていたなんてものではなく強風、風が強すぎて傘がさせなかったんだ。
彼女が一泊するつもりだったのはスーツケースを見れば明らかで、
多少離れた場所から来た事は間違いないが、まだ乾いてない事から移動は2~3時間以内だろう。
旅行時間の半径の範囲内で土砂降りの雨と強風だったのはどこか?」
シャーロックは先ほど調べていた天気の画面を見せながら
「カーディフだ。」
と言います。

「ファンタスティック!」
ジョンの更なる絶賛に「声に出してるぞ。」とシャーロックは言いますが、
「ごめん、うるさいね。」とジョンが謝ると「いや・・・いいんだ。」とツンデレなシャーロックです。


GL「なぜスーツケースにこだわってるんだ?」
SH「そう、それはどこにある?」
と、くるくるまわるシャーロック。
SH「彼女は電話かシステム手帳を持っていたはずだ。レイチェルが誰なのか調べてくれ。」
GL「彼女はレイチェルと書いたのか?」
SH「いや、彼女はドイツ語で怒りのメッセージを残したんだ。← おいおい(笑)
もちろん彼女はレイチェルと書いたに他ならない。問題はなぜ彼女は死に際にこれを書いたのか。」
GL「なぜ彼女がスーツケースを持ってたと?」
SH「右脚の後ろ。小さい泥はねがふくらはぎとかかとにあるが左脚にはない。
彼女は車輪のついたスーツケースを右手で引いていた。
そうでなければこんな風に泥はねはつかない。よごれの範囲から小さめのケースだ。
服装にこだわる女性からすればこのサイズは一泊しかできないので彼女は一晩の滞在予定だったことがわかる。
で、それはどこにある?どこにおいた?」
GL「ケースはなかったぞ。」
レストレードの言葉にシャーロックはゆっくりと振り向きます。

SH「何て言った?」
GL「ケースはなかった。スーツケースなんてものはどこにもなかったぞ。」
それを聞いたシャーロックは部屋の外に出ながら叫びます。
SH「スーツケースだ!誰かスーツケースを見なかったか?ここにスーツケースがあっただろう?」
GL「シャーロック、ケースはないんだ。」
SH「だが、彼らは自分で毒を飲んだ。自分で錠剤を飲み込んだんだ。
明確に示されているんだ、いくら君たちでもこれを見逃すはずがない。」

シャーロックは階段を降りはじめます。
GL「そうだな、うん、ありがとう。で・・・?」
レストレードは階段の下にいるシャーロックに向かって声を張り上げます。
SH「彼ら全員は殺されたんだ。方法はわからない。だが自殺ではない。殺人だよ、連続殺人。」
そして楽しそうに再び階段を降りはじめます。
SH「僕たちで連続殺人犯を見つけよう。これだよ。こういうのを楽しみに待ってたんだ。」
GL「何を言ってるんだ。」
SH「スーツケース!さあ、スーツケースはどこにある?彼女が食べたか?
他の誰かがスーツケースを持って行った。
彼女を車に乗せてきたはずだから車の中に置き忘れたかもしれない。」
JW「ホテルにチェックインできるんだから、そこに置いてきたんじゃないのか。」
SH「いや、彼女はホテルには行ってない。髪を見ろ。彼女は口紅と靴の色を合わせている。
彼女の髪はまだ整ってないからホテルには行ってない。」
そこまで言うとシャーロックは何かに気づいたように、
「Oh!」
「Oh!」
と繰り返します。

JW「シャーロック?」←初めて呼んだ?
GL「何だっていうんだ?」
SH「連続殺人犯は常に慎重なんだ。君たちは犯人が間違いを犯すのを待たなければならない。」
GL「待てるわけないだろう!」
SH「待つのは終わりだ。彼女をしっかりと見るんだ!ヒューストンだよ、犯人がミスをしたんだ。
カーディフと連絡をとれ。ジェニファー・ウィルソンの家族や友人を調べろ。レイチェルを見つけるんだ!」
シャーロックは興奮しながら階段を駆け下りていきます。
GL「言われるまでもないさ。ところでミスって何だよ?」
レストレードの質問に、
「PINK!」
と叫ぶシャーロックでした。



レイチェルのくだりは「緋色の研究」が元ネタですね。
BBC版はこれを逆の結果にしています。

「意味?分からんのか。その意味は、これを書いた奴が、女性名のレイチェル(Rachel)と書くつもりだったという事だ。
しかし、この男、いや女かもしれんが、は書き終わる前に邪魔された。覚えておくといい。
この事件が解決された時、レイチェルという名前の女性が事件に関係していた事が分かるだろう。
お笑いになるのは大いに結構だ、シャーロックホームズさん。
あなたは非常に頭が切れるかもしれない。しかし所詮、経験を積んだ猟犬には敵わない」

中略

「この男が殺害されたとすれば、どういう方法で?」レストレードが訊いた。
「毒だ」シャーロックホームズはぶっきらぼうに言った。そしてつかつかと歩いて行った。
「もう一つ、レストレード」彼は戸口で振り返って、付け加えた。
「『Rache』はドイツ語で『復讐』だ。レイチェル嬢を探して時間を無駄にしないようにな」

泥はねの部分は「まだらの紐」だったような。記憶が・・・
依頼人の女性をプロファイルするときですがこの場面はバスカヴィルでも登場しています。

先日、ちょっとせつないファンアートを見つけてしまいました。シャーロック・・・(涙)

それにしてもどうやったらこんなステキなものが作れるんでしょうね。

続きます。

Sherlock 1-1 A Study in Pink その4

2015-03-02 07:27:06 | Sherlock S1E1
「ピンクの研究」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat

超スーパーウルトラ今さらな話しなのですが、
このあたりはまだお互い名前で呼んでないんですね。
どこから名前を呼ぶのか・・・言われてみると記憶が・・・

タクシーの中の場面、この場面で私はこのドラマに惚れました。
シャーロックの早口推理トーク、初めて聞いたときこの役者さんすげー!と思いましたよ。

しかしこの場面、ふたりがほとんど目を合わせないんですよね。あ、いつもか(笑)



ブリクストンに向かいタクシーの中。

シャーロックがせわしなくモバイルフォンを操作している間、
ジョンは黙ってじっと座りながら時々シャーロックをチラ見しています。
そしてシャーロックは電話を下ろし、口を開きます。

SH「質問があるようだ。」
JW「ああ、僕たちはどこにいくんだ?」
SH「犯罪現場。次は?」
JW「君は何者?仕事は何だ?」
SH「何だと思う?」
JW「私立探偵・・・」
SH「でも?」
JW「でも私立探偵のところに警察は行かない。」
SH「僕は諮問探偵だ。世界で唯一のね。僕が考案したんだけど。」
JW「どういう事だ?」
SH「事件が警察の手に余ったとき、それはいつもなんだけど、彼らは僕に相談するんだ。」
JW「警察は素人に相談しないだろう。」
ジョンの言葉にシャーロックは一度だけジョンに視線を移します。

SH「昨日君と初めて会ったときに『アフガニスタン、それともイラク?』と聞いたときに君は驚いていた。」
JW「そうだよ。なんでわかったんだ?」

回想、バーツの場面です。
SH「僕は知っていたわけではない、見たんだ。君の髪型や姿勢から軍人だとわかる。
だが、君たちが部屋に入ってきたときの会話・・・」
JW「僕がいた頃とはちょっと変わったんだな。」

SH「バーツで学んだのなら、軍医だろう。明白だ。
君の顔は日に焼けているが手首より上は白い。君は海外にいたが日光浴はしていない。
君は歩くときにひきずる足は実際に状態が悪いのだろうが、
その事を忘れているかのように立ったままで椅子に座ろうとしないので少なくともある程度は心因性だ。
ケガの状況からトラウマが根本だと言える。戦闘中の負傷、そして日焼け。
アフガニスタンかイラクだ。」


JW「僕にはセラピストがいると君は言った。」
SH「君の足が心因性なら、セラピストがいるのは当然だろう。
それから君の兄の事けど。」
JW「うん?」
SH「君の携帯。メールが使用できMP3プレイヤーもある高価なものだが、
君はフラットシェアできる相手を探しているくらいだから無駄なものに金はかけられないだろう。
ならばそれはプレゼントだ。」

SH「ひっかき傷。ひとつではなくかなりの傷が徐々についている。
カギやコインと一緒にポケットに入れているからだ。
僕の隣に座っている男は高級品をこのように扱わないだろうから、前の持ち主がいた。」

SH「次のは少し簡単。君は既に知っている事だ。」
JW「刻印か。」

携帯の裏には刻印がありました。
Harry Watson
From Clara
xxx

SH「ハリー・ワトソン。明らかに君に携帯を贈った家族だ。
これは若い男性が使う道具だから父親ではない。
いとこの可能性もあるが、君は戦争の英雄なのに住むところもない。
親戚とはあまり縁がないか、身近にひとりもいないと言える。だったら兄弟だ。
ではクララとは誰だ?3つのキスは恋愛感情が込められている。
電話を購入したのは妻だ、ガールフレンドではない。
彼女が贈ったのは最近だ。このモデルが出たのはわずか6か月前の事だからだ。
彼女が彼の元を去ったのならば電話は手放さない。人はそうするものだ。感情だ。
だが違う。彼が別れを望んだ。彼が彼女から去ったんだ。彼が君に電話を与えた。
それは彼が君と連絡を取り合いたかったからだ。」

SH「君は安い部屋を探していたが、兄に助けを求めなかった。
彼との間に問題があったんだ。君は彼の妻が好きだったか、或いは彼の飲酒が嫌いだったのかもしれない。」
JW「どうして飲酒の事がわかったんだ?」
SH「そこは当て推量。だがうまくいったな。充電の接続。端のあたりに小さなひっかき傷がたくさんある。
毎晩、彼は充電するためにプラグを差し込むが手が震えるんだ。
しらふの男の電話にそんな傷は見当たらない。そうじゃない酔っ払いは見たことがない。」

SH「君の言う通りだよ。君は正しい。」
JW「正しいって何が?」
SH「警察は素人に相談をしない。」

少し間をあけてからジョンが言います。
JW「・・・アメージング。」
その言葉にシャーロックはちょっと不思議そうな表情をして視線を忙しく動かします。
SH「そう思う?」
JW「ああ、もちろんだ。驚いたよ。すごく驚異的だ。」

SH「普通の人はそんな事言わない。」
JW「普通の人は何て言うんだ?」
SH「Piss off!(うせろ)」

この時の寂しそうな笑顔がちょっと切ないんですが、
すぐに嬉しそうな表情になります。嬉しかったんだね~


電話から兄弟を推理するネタは「四つの署名」からです。
「違う、違う、僕は当て推量など絶対しない。それは不愉快な習慣だ、 ―― 論理能力には破壊的だ。
君が奇妙に思えるのは、ただ、僕の思考の流れや、小さな事実を観察する事で大きな推定が生み出される事を理解していないからだ。
例えば、僕は最初に君のお兄さんが不注意だと言った。
その時計の外側の下部を見ると、へこみが二箇所あるだけでなく、全体が擦り傷だらけだというのに、気づくだろう。
コインや鍵のような固い物を、同じポケットに一緒に入れる習慣があったからだ。
50ギニーの時計をこれほどぞんざいに扱う人物は不注意にちがいないと仮定するのは、間違いなくそれほど凄いことではない。
そんな貴重品を相続する男は、それ以外の点においても生活に困っていなかったと考えるのも、そう強引な推定ではない」
※引用元 コンプリート・シャーロック・ホームズ 

「当て推量」の部分、シャーロックは「当て推量」だと言っていますが、
正典では「当て推量などしない」と言っているのも面白いですね。
そんな話を御大たちが話していたと思います。

続きます。

Sherlock 1-1 A Study in Pink その3

2015-02-21 14:01:13 | Sherlock S1E1
「ピンクの研究」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat

今日は2月21日なので間に合うように頑張ってみました。
221B最初の場面ですし。(ばか)


バーツのあと、自宅に戻ったジョンは携帯を取り出しシャーロックが送信したテキストを見ます。
「If brother has green ladder arrest brother. SH」
(弟が緑のはしごを持っていたら弟を逮捕しろ。SH)
メッセージを見たジョンはラップトップを開き「Sherlock Holmes」を検索します。

※これはシャーロックが解決した事件ですが詳細はシャーロックのサイト「推理の科学」に掲載されているので
次回、この事件を載せますね。

ピンクのコートとハイヒールの女性が床に置かれたカプセルの入った瓶を震える手で持ち上げています。


ベイカーストリート。
ジョンが杖をつきながら歩き221Bのドアをノックするタイミングで
シャーロックがタクシーから降ります。
「Hello」とご挨拶。
シャーロックに気づいたジョンは「ああ、ミスター・ホームズ」と言うので
シャーロックは「シャーロックと呼んでくれ」と言いながら握手をします。

JW「一等地じゃないか。家賃高いだろうね。」
SH「実はハドソンさん、ここの大家だけど、特別サービスをしてくれたんだ。
彼女は僕に借りがあるんだよ。数年前に彼女の夫がフロリダで死刑の宣告を受けたので僕が助けたんだ。」
JW「え?彼女の夫の処刑を阻止したのか?」
SH「いや、死刑を確定させたんだ。」

そこにハドソンさんがドアを開けます。
MrsH「シャーロック、いらっしゃい。」
ハドソンさんとシャーロックはハグをします。

シャーロックはハドソンさんにジョンを紹介するとみんなで中に入ります。

シャーロックが先に階段を上がりますがドアの前でジョンを待ちます。
※この場面、大好きなんですよ。
ちゃんとジョンを足を気遣いながらエスコートしてジョンが2階に上がるまでドアを開けずに待っていて、
ジョンが上がりきってからドアを開けてあげるとか、
本当に人の心がわからないソシオパスだったらこんな事はしないですよね。


JW「いい部屋だね、すごくいい感じだよ。」
SH「そうなんだ、僕もそう思ったんだ。」

そして同時に。
S「だからわき目も振らずに引っ越してきたんだよ。」
J「すぐにゴミを全部片付けないと・・・」

まだ引っ越し前だと思ったジョンは部屋の中のものがゴミではなくシャーロックの持ち物だと気づき、
シャーロックもジョンが言った意味を理解し、ちょっとだけ固まります。
JW「それじゃ、これ全部・・・」
その言葉にシャーロックは少しだけ片付けながら
SH「いや、もちろんもう少し・・あー・・・整理することはできるよ。」
と、封筒などをマントルピースの上に置いてナイフで突き刺します。

マントルピースの上にある骸骨を見たジョン。
JW「それ頭蓋骨だよね。」
SH「僕の友人だよ。友人と言っても・・・」
そこにハドソンさんが登場です。
MrsH「どうかしら、ドクター・ワトソン。もしベッドルームがふたつ欲しいなら上の階にもうひとつあるわよ。」
JW「もちろんふたつ必要ですよ。」
MrsH「あら、心配はいらないわ。このあたりにはいろいろな人が住んでるのよ。
隣のターナーさんは結婚したし。」
そしてハドソンさんはキッチンに入ります。
「あら、シャーロックったら、こんなに散らかして。」

ジョンはユニオンジャックのクッションを背中において椅子に座ります。
シャーロックがラップトップを開くのを見て「昨夜、君の事をインターネットで調べたよ。」と言います。
SH「何か興味をひくようなことは載ってた?」
JW「君のサイトを見つけた。「推理の科学」」
SH「どうだった?」
JW「君はそいつのネクタイでソフトウェアのデザイナー、
左手の親指で飛行機のパイロットだと特定することができると言っていたな。」
SH「そう、そして僕は君の顔や足を見れば軍隊の経歴がわかるし、
君のモバイルフォンからお兄さんの飲酒癖がわかる。」
JW「どうやって?」
そこにハドソンさん。
MrsH「あの自殺はどうなったの?シャーロック。あなたの得意とするところでしょう。
3人はまったく同じ死に方なのね。」
ハドソンさんの言葉にシャーロックは窓の外を見ながら「4人だ。」と言います。

221Bの前にパトカーが止まりました。
SH「4人目が出たようです。しかし今回は異なる何かがあったようだ。」
レストレードが部屋に入ってきました。
SH「どこだ?」
GL「ブリクストンのローリストン・ガーデンズだ。」
SH「新たなものとは何だ?異なる何かがなければ君は迎えに来たりしないだろう。」
GL「彼らはみな遺書を残してないだろう?」
SH「ああ。」
GL「今回は残したんだ。来るだろう?」
SH「鑑識は誰が?」
GL「アンダーソンだ。」
SH「アンダーソンとはうまくいかない。」
GL「彼はお前の助手じゃないけどな。」
SH「僕には助手が必要だ。」
GL「来てくれるのか?」
SH「パトカーでは行かない。すぐに後から行く。」
レストレードはお礼を言うと部屋から出ます。

ジョンは何が起こっているのかわからずに困惑した様子です。
シャーロックはレストレードが下のドアを閉める音を確認すると突然飛び上がり嬉しそうにピョンピョン跳ねます。
「ブリリアント!イエス!連続自殺4人目で遺書が出たぞ!クリスマスだ!」
そしてキッチンで身支度をします。
SH「ハドソンさん、僕は遅くなりますので夜食をお願いします。」とドアに向かいます。
MrsH「私は大家なのよ、ハウスキーパーじゃないの。」
SH「冷えていてもいいですよ。ジョン、お茶でも飲んで楽にしていてくれ。先に寝てていいから。」
それだけ言うとシャーロックは出ていきます。

MrsH「「見てよ、威勢がいいわね。私の夫を見てるようだわ。」とハドソンさんはジョンに話しかけます。
ジョンはややしかめ面で相槌をうっています。
MrsH「だけどあなたは座っていた方がいいわね、私にはわかるの。
お茶を入れるからあなたは足を休ませて。」
ハドソンさんがお茶を入れに行こうとしたときジョンが「いまいましい足め!」と突然怒鳴るのでハドソンさんはびっくり。
JW「すみません、時々つい、こいつが・・・」と杖で足を叩きます。
MesH「わかるわよ、私も腰がね。」
JW「お茶をいただけるのはありがたいです。」
MrsH「今回だけよ。私はハウスキーパーではありませんからね。」
JW「もしあればビスケットも。」
MrsH「ハウスキーパーじゃないわ!」
ジョンが横に置いてあった新聞を取り上げ目を通すとそこにはベス・ダベンポートの自殺報道と、
レストレードの顔写真が小さく載っていました。」

「君はドクターだね。」
突然のシャーロックの声にジョンが驚いて顔を上げます。
SH「それどころか軍医だ。」
ジョンは「イエス」と答えると椅子から立ち上がります。
SH「少しは役に立つ?」
JW「かなり役に立つよ。」
SH「負傷者をたくさん見てきた。酷い死体も。」
JW「ああ。」
SH「ひどいものもあっただろうね。」
JW「もちろんだ。一生分見てきたよ。」

「もう少し見たい?」
シャーロックの言葉にジョンは「Oh God, yes.」と答えふたりで部屋を出ます。


階段を下りながらジョンは「すみません、ハドソンさん、お茶は結構です。出かけますので。」と断ります。
「あら、ふたりとも?」とハドソンさんが言うとシャーロックはハドソンさんにキスをします。
SH「自殺などあり得ない?彼ら4人とも?
いよいよ面白くなってきたのに家でただ座っているなんて無意味ですよ。」
MrsH「嬉しそうにしちゃって、不謹慎よ。」
SH「そんな事気にしていられませんよ。ゲームが始まったんですから。」


そしてシャーロックは通りで「Taxi!」と手を上げます。


続きます。

Sherlock 1-1 A Study in Pink その2

2015-02-18 07:29:17 | Sherlock S1E1
「ピンクの研究」

Directed by Paul McGuigan
Written by Steven Moffat



バーツのラボでピペットを手に実験をしているシャーロック。
そこにマイクとジョンが入ってきました。

JW「僕がいた頃とはちょっと変わったんだな。」
MS「それはそうだろう。」
SH「マイク、携帯電話を貸してくれないか?僕のは電波が入らないんだ。」とシャーロック。
「固定電話は故障しているのか?」
「テキストを送りたいんだ。」
「悪い、コートの中だった。」とマイクが言うとジョンが「僕のを使って。」と携帯を出します。
「ありがとう。」とジョンのところに行くシャーロック。
マイクが「僕の旧友、ジョン・ワトソンだ。」と紹介します。
ジョンから借りた携帯でテキストを打ちながらおもむろに「アフガニスタンそれともイラク?」と言います。

(スタンフォードさん、マジ天使の微笑みっすよ!)

ジョンは少し間をあけてから「・・・は?」と聞き返すとシャーロックはジョンを見てもう一度、
「アフガニスタンかイラク、どっちだ?」と聞きます。
「アフガニスタンだけど。何で知ってるんだ?」
と、ジョンが言い終わる前にモリーがコーヒーを持ってきたので「ああ、モリー、ありがとう。」コーヒーを受け取ります。
SH「口紅はどうしたんだ?」
MH「あまり効果がなかったみたい。」モリーがそう言うと
「そうか?僕は大きな改善だと思ったんだが。君の口は小さすぎるしね。」
シャーロックはそう言いながら実験に戻ります。
モリーは小さい声で「OK」と言い、部屋を出ます。報われないよね、モリーちゃん。

そしてシャーロックはラップトップのキーをたたきながら、
「ヴァイオリンはどう思う?」と言います。
話の飛躍についていけないジョンは再び「・・・は?」そしてマイクも再び天使の微笑みです。
「僕は思考中にヴァイオリンを弾く。時々何日も喋らない時がある。
君は気になるか?同居の可能性があるならお互い最悪の部分を知っておいた方がいい。」
シャーロックは一気に言うと、うさんくさい笑顔でジョンを見ます。
ジョンは驚いて「マイク、君は僕の事を話したのか?」と聞きますがマイクの答えはもちろん「No」
「じゃあ、誰がフラットメイトの話を?」
シャーロックはコートを着ながらジョンに説明をします。
SH「僕だよ。今朝マイクにフラットメイトを探しているけど見つからないと話した。
現在、彼はランチの後明らかにアフガニスタンの兵役から戻ってきた旧友を連れてここにきた。
そこに辿りつくのは難しくない。」
JW「なぜアフガニスタンの事を知ってるんだ?」
SH「ロンドン中心部に良い場所があるんだ。2人でも余裕で住める。
では、明日の夕方、7時に会おう。
すまない、急ぐんだ。遺体安置所にムチを忘れたようだ。」
シャーロックはそれだけ言うと部屋を出ていこうとするのでジョンが「それで終わりか?」と突っ込みます。
その言葉にシャーロックは「何が?」とジョンの方に向きを変えます。

JW「今会ったばかりなのに、もうフラットを見に行く?」
SH「問題があるか?」
そう言われたジョンはマイクの方を見てから、不機嫌そうな笑みを浮かべます。
JW「僕たちはお互いの事を知らないじゃないか。
どこで会うのかもわからないし、僕は君の名前さえ知らないんだぞ。」
そこでシャーロックはジョンをざっと見渡すと早口で推理を披露します。
「君は軍医で、アフガニスタンから傷病兵として送還された。
君を心配する兄がいるが助けを求めるのを良しとしないのはおそらく彼がアルコール中毒でしかも彼は最近妻と別れた。
君のセラピストは君の足は心因性だと考えている。・・・・間違っていないと思うが。」
ジョンは一瞬自分の足元を見ます。

「ひとまずはこれで十分だと思うけど?」
シャーロックはそう言いながらドアを開け出ていこうとしますが、足を止めドアから顔を出します。
「名前はシャーロック・ホームズ、住所はベイカー街221Bだ。」

大げさにウィンクをし、マイクに「では失礼。」と言うと出ていきます。
マイクは少しだけ手を上げそれに応えます。
シャーロックが出ていくとジョンはマイクの顔を見ます。
マイクは一言、「そう、いつもあんな調子だよ。」と言います。

以上、出会い編でした。

去年の1月にブリティッシュ・カウンシル主催の英会話ワークショップ「シャーロックで英会話」に申し込んだときに、
当日までにホームズとワトソンの出会いの場面に目を通しておいてね、と届いたものが「緋色の研究」の原文です。
目を通すってアンタ!てな感じでレベルの高さに慄いたのは良い思い出です(笑)
当日はもちろんかなり無口になっていましたよ。

なので保存しておいた原文を載せてしまおうと思います。
原文のあとに拙訳も載せましたので、よかったら読んでみてください。

ちなみに、シャーロックが名乗る部分、
「The name’s Sherlock Holmes and the address is two two one B Baker Street.」は原文にはありません。
007のボンドも「The name’s 」と名乗っていますが、相当かっこつけた言い方だそうで、
絶対にマネしてはいけません、とカウンシルの講師が仰っていました。


“A Study In Scarlet” by Sir Arthur Conan Doyle

There was only one student in the room, who was bending over a distant table absorbed in his work.
At the sound of our steps he glanced round and sprang to his feet with a cry of pleasure.
"I've found it! I've found it," he shouted to my companion, running towards us with a test-tube in his hand.
"I have found a re-agent which is precipitated by haemoglobin, and by nothing else.
" Had he discovered a gold mine, greater delight could not have shone upon his features.
"Dr. Watson, Mr. Sherlock Holmes," said Stamford, introducing us.
"How are you?" he said cordially, gripping my hand with a strength for which I should hardly have given him credit.
"You have been in Afghanistan, I perceive."
"How on earth did you know that?" I asked in astonishment.
"Never mind," said he, chuckling to himself.

中略

"We came here on business," said Stamford, sitting down on a high three-legged stool,
and pushing another one in my direction with his foot.
"My friend here wants to take diggings,
and as you were complaining that you could get no one to go halves with you,
I thought that I had better bring you together."
Sherlock Holmes seemed delighted at the idea of sharing his rooms with me.
"I have my eye on a suite in Baker Street," he said, "which would suit us down to the ground.
You don't mind the smell of strong tobacco, I hope?"
"I always smoke 'ship's' myself," I answered.
"That's good enough. I generally have chemicals about, and occasionally do experiments.
Would that annoy you?"
"By no means."
"Let me see—what are my other shortcomings.
I get in the dumps at times, and don't open my mouth for days on end.
You must not think I am sulky when I do that. Just let me alone, and I'll soon be right.
What have you to confess now?
It's just as well for two fellows to know the worst of one another before they begin to live together."
I laughed at this cross-examination.
"I keep a bull pup," I said, "and I object to rows because my nerves are shaken,
and I get up at all sorts of ungodly hours, and I am extremely lazy.
I have another set of vices when I'm well, but those are the principal ones at present."
"Do you include violin-playing in your category of rows?" he asked, anxiously.
"It depends on the player," I answered. "A well-played violin is a treat for the gods—a badly-played one——"
"Oh, that's all right," he cried, with a merry laugh.
"I think we may consider the thing as settled—that is, if the rooms are agreeable to you."
"When shall we see them?"
"Call for me here at noon to-morrow, and we'll go together and settle everything," he answered.
"All right—noon exactly," said I, shaking his hand.

We left him working among his chemicals, and we walked together towards my hotel.
"By the way," I asked suddenly, stopping and turning upon Stamford,
"how the deuce did he know that I had come from Afghanistan?"




ひとりの研究者が部屋にいた。
その男は奥のテーブルに覆いかぶさって研究に没頭していた。
我々の足音がするとあたりを見回し、喜びの叫びを上げながら飛び跳ねるように立ち上がった。
「見つけた!見つけたぞ!」
彼は試験管を手にこちらに駆け寄ると私の友人に向かって叫んだ。
「ヘモグロビンのみに反応し、沈殿する試薬を見つけたんだ。」
彼が金鉱を見つけたとしても、彼の表情はこんなにも輝かなかっただろう。
「彼はドクター・ワトソンだ。そして彼がミスター・シャーロック・ホームズ。」
スタンフォードは我々を紹介しながら言った。

「こんにちは」彼は信じられないほどの強さで私の手を握りながら丁寧に言った。
「君はアフガニスタンにいたようだ。」
「どうしてそれを知っているのですか?」私はびっくりして尋ねた。
「気になさらずに」彼はそう言うとほくそ笑んだ。

中略

「我々は話があってここにきたんだ」スタンフォードはそう言うと3本足のスツールに座り、
足でもうひとつの椅子を私の方に押しやった。
「僕の友達が下宿を探している。
そして君は家賃を折半する相手がいないと不満を言っていたから僕はふたりを引き合わせるのがいいと思ったんだ。」
シャーロック・ホームズは私と部屋を共有するアイデアに喜んでいるようだった。
「ベイカー街に目をつけている部屋がある。」と彼は言った。
「そこはすべての点で僕たちに都合が良い。君は強いタバコの臭いが気にならないか?」
「私はいつも海軍たばこを吸っているんだ。」と私は答えた。
「それはよかった。僕はいつも周囲に化学薬品を置いていて、時々実験をする。それはダメだろうか?」
「そんな事はないよ。」
「僕の欠点は他に何があったかな。そうだな、僕は時々気分が沈んで口をきかないことが何日も続く。
その時は僕が不機嫌だと思わないでほしい。放っておいてくれればすぐに元に戻る。
君は何か告白する事はあるか?一緒に住む前にお互い最悪の事を知っておいた方がいいからね。」
私はこの反対尋問に大笑いした。
「私はブルドッグの子犬を飼っているよ。」と私は言った。
「私は神経が弱っているので騒音を嫌うし、いつもとんでもない時間に起きる。そして私は極めて怠惰だ。
健康な時は他にも悪習がいくつかあるが、今のところはこれらが主なものだ。」
「ヴァイオリンの演奏は騒音に入るか?」と彼は心配そうに尋ねた。
「それは演奏家によるよ。」と私は答えた。
「良い演奏なら素晴らしいもてなしだし、下手な演奏だったら・・・」
「それなら大丈夫。」彼は楽しそうに笑いながら叫んだ。
「これで問題は解決したと思ってもいいだろうね。部屋が君の好みに合えばだが。」
「いつ部屋を見に行く?」
「明日正午にここに来てくれ。一緒に行って話をまとめよう。」と彼は言った。
「わかった、正午ちょうどだな。」私はそう言って彼と握手をした。

我々は化学薬品に囲まれて仕事をしているホームズをそのままにして、
私が滞在しているホテルまで一緒に歩いていった。
「ところで」私は突然立ち止まりスタンフォードの方に向いて尋ねた。
「一体どうやって彼は私がアフガニスタン帰りだということを知ったんだ?」

ここまでです。
こうしてみると出会い編はかなり元ネタを踏襲していますよね。
そんなわけで続きます。
あ、原文は続きません(笑)