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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock 4-3 The Final Problem その15

2017-07-05 20:41:54 | Sherlock S4E3
Sherlock Series 4 Episode 3

Director:Benjamin Caron
Writers:Mark Gatiss and Steven Moffat


何とかモリーを救ったシャーロック。
後ろからマイクロフトが声をかけます。

MH:シャーロック、いくら頑張ったとしても・・・・

しかしシャーロックはそれを遮りユーロスに言います。


SH:ユーロス、僕が勝ったぞ。
フェアにやれよ。飛行機の少女。彼女と話をさせてくれ。
僕の勝ちだ。モリー・フーパーを救った。

EH:救った?何から?賢明にならないと。彼女の家に爆弾なんてないわよ。
どうして私ってこんなに不器用なのかしら。あなたの勝ちじゃない。負けたのよ。

ユーロスの言葉に無言で背を向けるシャーロック。


EH:彼女になんて事をしたの。自分に対しても。
複雑でちっぽけな感情。感情的な状況よ、シャーロック。いつもそれがあなたを滅ぼしている。
さ、元気出して。ピーク時のあなたが必要よ。次はそんなに簡単にはいかないから。

次の部屋に続く扉が開きます。

マイクロフトとジョンはドアに向かいます。
シャーロックは棺に蓋をしたまま動きません。

JW:シャーロック?


ジョンが名前を呼ぶとシャーロックは突然棺を壊し始めます。
今までの鬱憤を晴らすかのように暴れています。

落ち着いたころジョンが銃を拾い壁を背にして座っているシャーロックに近づきます。


JW:なあ、これが難しいということも君にとっては拷問なこともわかってるよ、
だけどみんなで一緒に頑張らないと。
SH:これは拷問じゃない、生体解剖だよ。
実験用ラットの観点から科学を体験しているんだ。

シャーロックはため息をつきながらジョンを見上げます。
マイクロフトはじっとその様子を見守っています。


シャーロックとジョンはほぼ同時に口にします。

SH:Soldiers?
JW:Soldiers.

差し出すジョンの手を取り立ち上がるとジョンから銃を受け取り次の部屋に進みます。


部屋に入るなりシャーロックが言います。

SH:おい、不満を言うつもりはないけど、この部屋は何もないぞ。
どうした?アイデアが尽きた?

部屋の壁4方にモニターが置いてあるだけの部屋でした。
そのモニターにユーロスが映ります。


EH:空じゃないわよ、シャーロック。まだ銃は持ってるわよね?
必要になるって言ったわよね、次のゲームは2人しかできないの。
あなたたちのうち2人だけ、あなたが選んだほうよ。


EH:決断する時間よ。
誰の助けがあなたに何よりも必要なの?ジョン?それともマイクロフト?
勝ち抜き戦ね。ひとりを選んで他は殺す。
家族か友達かを選ぶの。マイクロフトかそれともジョン・ワトソンか。


MH:ユーロス、もうやめなさい!
EH:まだよ。あともう少しなの。
覚えてるでしょ、飛行機が飛んでいて、着陸できそうにないことを。


マイクロフトが言います。

MH:どうなんだ?
SH:どうって何が?
MH:まさか話し合うつもりじゃないだろうね?


そしてジョンの方を見ます。

MH:すまない、Dr.ワトソン。君はいろいろな意味で立派な人物だよ。

再びシャーロックを見ます。

MH:別れを告げて彼を撃ちなさい。
撃つのだ!
JW:なんだよ。

ジョンがマイクロフトに近づきます。


MH:Dr.ワトソンを撃つのだ。この先を続けられるのは誰かなど疑う余地もない。
お前と私だ。この先待ち受けているものが何であれ知力が必要なのだよ、シャーロック、感情ではない。

MH:彼の苦痛を長引かせてはいけない、撃つのだ。
JW:僕の意見は?
MH:今日、我々はソルジャーだ。ソルジャーは国のために死ぬのだ。
悔しいが、Dr.ワトソン、その名誉は君のものだ。


ジョンはシャーロックを見ます。

JW:彼の言う通りだ。事実だよ。
MH:早くしなさい。苦痛を長引かせてはいけない。終わりにしなさい、我々には仕事がある。


シャーロックはうつむいたまま動こうとしません。
マイクロフトが鼻で笑います。

MH:これは予想するべきだった。感傷的だな。お前はいつものろまなバカだったよ。

一瞬、シャーロックの眉毛が上がります。


MH:だから私はずっとお前を軽蔑してきた。我々みんなの恥だ。お前は家名を汚した。
だから一生に一度くらいは正しい事をしなさい。この愚かな男を苦境から救ってあげなさい。
撃つのだ。
SH:やめろ。


MH:彼をみなさい。彼は何者だ?
気晴らし以外のなにものでもないだろう、
お前の賢さを引き立たせるためのごく普通の記事を書くだけ。そんな男は他にも大勢いる。


SH:頼むからやめてくれ。
MH:なぜだ。
SH:結局、あなたのブラックネル夫人のセリフのほうが説得力があったって事だ。
(※ブラックネル夫人のセリフって?(←すぐ忘れる)と調べていたら、
なんとグラナダ版ホームズの「未婚の貴族」にも出てくるセリフがありました。
To lose one parent, Mr. Worthing,
may be regarded as a misfortune; to lose both looks like carelessness.
「ワージングさん、片親を亡くすことは不幸と見なされるかもしれませんが、
ご両親とも亡くすのは不注意のように思えますわ。」
何かこれも合うような気がしますが、やっぱり前出のこのセリフの事なんでしょうね。
The truth is rarely pure, and never simple.
「真実はそれほど純粋ではなく、単純なものでもない。」)

SH:マイクロフトが言ったことは全部無視してくれ。彼は優しいんだ。
僕に戸惑いなく彼が殺せるようにしてる。


SH:だからこそ、こうするのが難しくなる。

シャーロックはマイクロフトに銃を向けます。


MH:お前は私のブラックネル夫人が好きだと言ったな。
JW:シャーロック、よせ。
MH:君が決める事ではない、Dr.ワトソン。
だが、顔はやめてくれないか。脳は王立協会に送ると約束したのだ。
SH:どこならいい?
MH:そうだな、心臓が身体のどこかにあると思うのだが。
信じがたいが多くはターゲットになる場所だ。
なら、試してみようではないか。

マイクロフトはネクタイを締めなおし覚悟を決めた顔でシャーロックを見ますが、
ジョンが間に入ります。


JW:こんなことをは許さないぞ。
MH:これは私の責任なのだ。モリアーティだよ。
SH:モリアーティ?
MH:彼女へのクリスマスのごちそうとして、5年前にジム・モリアーティとの会話を5分間与えた。
SH:何を話してた?
MH:5分間の会話の・・・・監視は無いのだ。


MH:グッバイ、弟よ。手向けの花は要らないぞ。


EH:ジム・モリアーティはあなたがこう選択するだろうと言っていた。
とても興奮していたわ。


照明が赤に変わりモリアーティが画面に映ります。

JM:僕たちは終点にきている。ホームズ キリング ホームズだ。
ここがぼくのおりる場所。


続きます。

やっとお兄ちゃんのターンがやってまいりました。
最後に美味しいところを持って行く兄、さすがです。
しかし、ちょっと尺を取り過ぎなんじゃ・・・・長いよー

先日、忌まわしき花嫁が放送されたので少しだけまとめ記事を読んで振り返っていたんです。
その中でマイクロフトがシャーロックの要望で食べる、すなわち、
弟のために命を懸けるのでは、と書いていましたが、その通りでしたよ、お兄ちゃん(涙)

思えばE3は忌まわしき花嫁からちゃんと引き継いでいる形にはしてるんですね。

Sherlock 4-3 The Final Problem その14

2017-07-04 06:36:01 | Sherlock S4E3
Sherlock Series 4 Episode 3

Director:Benjamin Caron
Writers:Mark Gatiss and Steven Moffat


EH:棺よ。さて問題です。誰かに死が迫っています。
私が知る限り、それは悲劇になるわね。
それほど長くは生きられない、それほど多くは話せない。
エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ・・・
SH:わかった、わかったから。で、これはその人の棺って事だ。


EH:誰の棺?シャーロック。推理を始めて。
今すぐ状況に合わすこともできるのよ。

シャーロックは棺のまわりを歩きながら推理を始めます。

SH:まったく無意味な儀礼的頭上スペースを考慮すると、
この棺は5フィート4の人を対象としている。女性である可能性が高い。
JW:子どもじゃなくて?

SH:子どもの棺はもっと高価だ。
これは低価格だよ、ブラケットは市販品の中では最高クラスだけど。

ジョンがぼそっと「A lonely night on Google.」とつぶやいています。


SH:これは実用的かつ情報に基づいた選択だ。
バランスが近親者とは距離を置いている未婚の女性の可能性を示唆している。
経済的ななものを選んでいるからだ。

マイクロフトが棺の蓋の近づきます。

SH:死がたどるプロセスに精通しているが、必然的な処理に関しては感情には動かされない。
また、棺の内張りは・・・

マイクロフトが蓋を観察しながらシャーロックを遮ります。

MH:いい推理だ、シャーロック。蓋に名前があるはずだが。


マイクロフトが棺のプレートをシャーロックに見せます。
近づくシャーロック。

MH:名前ではないがな。

プレートに刻んである文字は「I LOVE YOU」でした。


JW:誰かを愛している誰かって事か。
MH:シャーロックを愛する誰かだ。これはすべてお前に関係しているんだ。ここにあるすべてがね。

シャーロックは呆然とした表情でもう一度棺の前に立ちます。


MH:それで、お前を愛する者とは誰だ?そんなに多くはないだろうと思うが。
JW:アイリーン・アドラー。
SH:バカげてる。棺を見ろ。未婚で死に関する現場に携わり、孤独。

JW:モリー。
SH:モリー・フーパー。


ふたりはほぼ同時にモリーの名前を言います。

ユーロスが言います。

EH:彼女は安全よ、今のところはね。


モニターがモリーのフラットに映像に変わります。
右上には「03:00」の時計表示があります。


EH:彼女のフラットは約3分で爆発するよう仕掛けてある。
彼女の口から解除コードが聞けない限りはね。
あなたの携帯から彼女の電話するから、シャーロック、彼女に言わせるのよ。
JW:何を言わせるんだ?

EH:そんなのわかりきってるわよね?

JW:さあ。
SH:わかる。

シャーロックは後ろにたてかけてある棺の蓋をみると
マイクロフトとジョンも一斉に見ます。


EH:ああ、重要制限事項があるのよ、形はどうであれ彼女の命が危険な事に触れるのはダメだからね。
ほんの少しでも危機が迫っているようなそぶりはみせないでね。
そんな事をしたらこのセッションは終了するからね。わかった?


シャーロックが頷くと、時計の表示がカウントダウンを始めます。


シャーロックの電話からモリーへかかります。


モリーのいるキッチンに着信音が響きますが、
モリーはそれを無視してレモンを切り始めます。


SH:何をしてるんだ。
MH:お茶を淹れてる。
SH:わかってる、だけどどうして電話に出ないんだ。
JW:お前だって電話にでたことないだろう。
SH:そうだけど僕からの電話だぞ。

とうとう電話は留守番メッセージに変わりました。

「ハイ、モリーよ。今は都会の中心にいるの。メッセージをどうぞ。」

どうするんだー、というような表情の3人。


その時、ユーロスが言います。

EH:OK。もう一度かけるわよ。

ジョンが小声で囁きます。

JW:頼む、モリー。電話に出てくれ。出るんだ。


着信音が鳴る携帯をしばらくじっと睨んで、やっと電話に出ます。


MH:ハロー、シャーロック。急ぎなの?私、調子が良くないの。

祈るように待っていたシャーロックはモリーの声に顔を上げます。


SH:モリー、すごく簡単な事なんだけど頼みがある。理由は聞かないでくれ。
MH:またバカみたいなゲーム?
SH:違う、ゲームとは違う。手伝ってほしいんだ。
MH:私、ラボじゃないのよ。
SH:それとは違う。
MH:わかったわ、じゃあ手短にね。


ここで口ごもってしまうシャーロック。

MH:シャーロック?何なの?何がしたいの?


ユーロスがスイッチを押すとモリアーティがチクタクと言い始めます。


SH:モリー、頼む。何も聞かずに、ある言葉を言ってほしい。
MH:言葉って?
SH:I love you.
MH:もう構わないで。


モリーは電話を切ろうとするので慌てて制止するシャーロック。

SH:モリー、違う、待ってくれ、切るな。切らないでくれ。
EH:落ち着いて、シャーロック。さもないと終わりにするわよ。
MH:なぜそんなことを。からかうのはやめてよ。


SH:違う、そんなんじゃない。話を聞くんだ。
EH:優しくね、シャーロック。
SH:モリー、これは事件のためなんだ。実験の一種なんだよ。


MH:私は実験体じゃないわよ、シャーロック。
SH:わかってる。君は実験体じゃない、僕の友達だ。僕たちは友達だよね。
だけど・・・頼むよ。僕のためだと思って、言ってくれないか。
MH:言えない、お願い、無理なの。
SH:とても重要な事なんだ。理由は言えないけど。だけど、大切な事なんだ。
MH:できない。無理よ。あなたには言えない。


SH:大丈夫だよ。なぜできない?
MH:わかってるわよね。
SH:わからない。
MH:絶対わかってるわよ。

ここで照明が赤く変わり再びモリアーティがチクタクと急かします。


SH:お願いだから言ってくれ。
MH:あなたには言えないのよ。
SH:なぜ?
MH:だって・・・・だって、真実だから。
真実なのよ・・・シャーロック。ずっと前からそれは真実だわ。
SH:わかった、真実だとしても、とにかく言ってくれないか。
MH:You bastard.
SH:いいから言うんだ。
MH:あなたが言ってよ。ほら。まずはあなたから言って。
SH:はい?
MH:ちゃんと心をこめて言って。


EH:ラスト30秒。

SH:I・・・I・・・

モリーは両手で電話を持ちます。
まるで一言一句聞き逃さないようにしているようです。

SH:I LOVE YOU

シャーロックが言いました。
残りはあと14秒です。


SH:モリー?

モリーはじっと電話を見つめたまま何も言いません。

SH:モリー、頼む。


みんなが見守る中、モリーは小さな声で囁きます。

MH:I love you.


その瞬間、みんなから安堵の声が出ます。


残りはたった2秒でした。



続きます。

何か本当に切ないモリーちゃんでした。
しかしこの「I Love You」の場面は予告に出てきて、
当時は誰に言ってるんだろうと様々な考察が出ていました。
まあ、結局シャーロックに「I Love You」と言わせたかっただけだったみたい。

何だかモリーがかわいそうで見ていられませんでしたが(いや、見てるけど)
ルイーズの演技がとても良かったと思います。

このあとモリーはどうなった?でモファットさんがすぐ元通りみたいな軽い事を言って
ルイーズが怒りのツイートをしていた記憶が・・・・でもうろ覚え・・・

せっかくモリーを出すんだからもっと違うシチュエーションにしてくれればいいのに。
あと、レストレードがいなくて寂しいわ。

Sherlock 4-3 The Final Problem その13

2017-07-02 21:12:32 | Sherlock S4E3
Sherlock Series 4 Episode 3

Director:Benjamin Caron
Writers:Mark Gatiss and Steven Moffat




シャーロックは二人の写真を見ます。

SH:おそらくふたりのどちらかだ。

そう言うと、男たちが吊るされている窓を見ます。


SH:まずはハワード。

窓に近づき一番端のハワードの前で止まるシャーロック。

SH:ハワードは酒飲みだ。肌は蒼白、赤い鼻はアルコール焼け・・・
それにしては脅えている・・・重度の振戦せん妄だ。

ライフルで狙いをつけるハワードの場面。
ハワードの手は震えています。

SH:彼が300メートルから狙い撃ちするなんて無理だ。

そして隣のアレックスの前に。

SH:残るはアレックス。
こめかみのへこみはいつも眼鏡をしていることを示唆している。
眉間のしわは凝視しながら生きてきたということだ。

ここでマイクロフトが加わります。


MH:彼は近視、もしくは近視だった。最近受けたレーザー手術が成功したのだろう。
SH:レーザー手術?
MH:彼も努力はしているのだ。


JE:高そうなスーツだ。
SH:エクセレント。突然彼は自分に対する認識を変えて眼鏡をやめた。
日焼けスプレーも使っている。だがスーツの着こなしは明らかに不慣れだ。
爪の状態からわかるし、耳の毛も伸び放題だ。スタイルはうわべだけ。
だが視力は回復している。手も震えていない。彼が引き金を引いたんだ。


シャーロックはユーロスの方に振り返り大きい声で言います。

SH:彼がエヴァンスを殺した。
EH:囚人に有罪を宣告する準備はできた?


ユーロスの要望に異を唱えるマイクロフト。

MH:シャーロック、だめだ。
SH:飛行機の事があるんだ、忘れたのか?

シャーロックはマイクロフトに言います。

EH:シャーロック?どうなの?

ユーロスの催促に少し間をおいてから小声で答えます。

SH:アレックスだ。
EH:彼を有罪にするって、ちゃんと言って。
あなたが指名する男がどうなるのか分かったうえで彼を有罪にして。

シャーロックはアレックスを見据えながら答えます。

SH:アレックス・ガリデブを有罪にする。


その瞬間、アレックス以外の両側のふたりが海に落とされます。
モリアーティの声がします。

JM:電車とホームの隙間にご注意を。


EH:おめでとう。正解よ。
さあ、ドアから出て。

ユーロスがそう言うと別の扉が開きます。
ジョンがユーロスが映るモニターに近づきます。


JW:なぜ他の2人を落としたんだ。
EH:興味深いわね。

ジョンは声を荒げて「WHY!」と叫びます。

EH:罪悪感の代わりに罪のない人を殺すのと何か違いはある?

ユーロスがボタンを押します。

JM:電車は駅を出たぞ!

モリアーティの声と同時にアレックスも落とされます。

EH:無いわよね。似たようなものでしょう。

窓を見て呆然としているジョンにシャーロックが話しかけます。


SH:ジョン。惑わされるな。
JW:惑わされてる?
SH:今日は軍人だろう。

シャーロックの言葉に背筋を伸ばすジョン。



3人は次の部屋に行きます。



黒い壁と床の小さな部屋の中央に棺が置いてあります。

EH:あと1分話していいわ。

ユーロスの声のあとに少女と繋がります。


少女:怖い。本当に怖いの。
SH:大丈夫。心配しなくていいよ。
あまり時間がないんだけど、飛行機の外は何が見えるか教えてくれるかな。
少女:海しか見えないわ。
SH:船は見える?
少女:船は見えないけど遠くの明かりは見える。
SH:市街地の明かり?
少女:多分。
MH:パイロットのいない飛行機が街の上空を飛ぼうとしている。それを彼女がわかるように説明せねば。
JW:説明って。


少女:ハロー?まだそこにいる?
SH:いるよ。ちょっとだけ待っててくれるかな。
MH:陸から飛行機を遠ざけるんだ。市街地がある。墜落は海でないといけない。
JW:少女はどうするんだ。
MH:もちろん、Dr.ワトソン、彼女も巻き添えになるんだ。
JW:着陸させればいいじゃないか。
MH:もし失敗したら彼女は市街地に墜落するんだぞ。どのくらい死者がでると思う?
JW:どうやって彼女にそれを説明するんだ。
MH:彼女には希望を与えなければならないしそうするつもりだ。
SH:そこに君を助けてくれる人はいないのか?本当にちゃんと確認した?
少女:みんな寝てるんだよ。助けてくれる?
SH:できることはすべてやるつもりだ。
少女:怖いの。すごく怖い。
SH:大丈夫。僕が・・・・


ここで電話は切れます。

EH:さあ、当面の問題に戻りましょう。

続きます。

最後のマイクロフトの「残念ながら~」のくだり、
直訳していますがイマイチ自信がありません。
I'm afraid we're going to have to give her hope.

さすが官僚なお兄ちゃんと「ソルジャー」の言葉に反応するジョン。
このふたりはやっぱり対照的なんですね。
これはこれで良いチームだと思います。

Sherlock 4-3 The Final Problem その12

2017-06-29 18:47:52 | Sherlock S4E3
Sherlock Series 4 Episode 3

Director:Benjamin Caron
Writers:Mark Gatiss and Steven Moffat


警戒しながら次の部屋に行くシャーロックたち。
壁中真っ赤に染まった部屋に入ります。


SH:改装したのか。
JW:そんな事できるのか?
SH:彼女は施設を支配してるんだ。配色よりも気になる事がある。

マイクロフトが壁に触れます。

MH:乾いてはいるが新しいな。
SH:当てつけか。

部屋に設置してあるモニターにユーロスが映ります。


EH:引き続き協力してもらいたくて。再開よ。

リモコンのスイッチを押すとモリアーティが出てきます。

JM:シートベルトを締めてくれ。揺れがひどくなりそうだ。

そして少女の声が聞こえてきます。

少女:まだいる?
SH:Yes, hello?
ハロー。僕たちはまだいるよ。聞こえる?
少女:うん。


SH:大丈夫だからね。君がどこにいるか知りたいんだ。外は日が出てる?それとも夜?
少女:夜よ。
MH:確かに地球の半分には絞り込めるな。

嫌味を言うマイクロフトを見ながら続けるシャーロック。


SH:どんな種類の飛行機だかわかるか?
少女:わかんない。

ジョンも参戦。

JW:大きい?小さい?
少女:大きい。
JW:人はたくさんいる?
少女:すごくたくさんいるけどみんな眠ってるの。起きないのよ。
SH:どこから乗ってきた?
少女:パイロットも眠ってるのよ。
SH:わかってる。君はどこから来た?どこから飛行機に乗ったんだ?
少女:おばあちゃんのとこ。
SH:行先は?
少女:おうち
SH:そうじゃなくて、どこの空港に・・・・

突然ユーロスが入ってきます。


EH:今はそこまでね。新しいゲームの時間よ。
目の前にあるテーブルを見て。

テーブルの上に封筒があります。

EH:封筒を開けて。
女の子と話したければ自分でその時間を勝ち取るのよ。
MH:なんて冷酷なんだ、正気ではない!
JW:そんなことはわかってるよ、マイクロフト。

声を荒げるマイクロフトを諫めるジョンでした。
封筒を開封したシャーロックは入っていた数枚の写真を取り出し、
テーブルの上に並べていきます。


EH:6か月前、エヴァンスという男が殺されたけど、私以外は解決できていないわ。
彼は300メートルの距離からそのライフルで撃たれた。

シャーロックは頭上に留めてあったライフルを手にします。


EH:警察の頭に脳みそが詰まってたら3人の容疑者がいることに気づくはず。
彼らはみんな兄弟なの。ネイサン・ガリデブ、アレックス・ガリデブ、そしてハワード・ガリデブ。
全部、最近の写真よ。引き金を引いたのは誰か、シャーロック。そいつは誰?
JW:何だよ、これは。何を根拠に解決するんだ。
SH:これだよ。これがすべてなんだ。


シャーロックは写真を見ます。

EH:友達と協力してね、シャーロック。
あなたが親しい人たちと協力して行動するところを見たいのよ。
どちらかを選ばないといけなくなるかもしれないけど。

シャーロックはマイクロフトにライフルを見せます。


SH:何がわかる?
MH:私の有用性を証明しろと?
SH:そうだ。あなたのためだ。
MH:私は踊らされたりはしない。
SH:わかった。ジョンは?

ジョンはマイクロフトをじっと見ています。


SH:ジョン?

ジョンはライフルを手にします。

JW:そうだな、これは見た事あるよ。バッファローガンだ。
1940年だろう、旧式の照準だ、十字線がない。


ジョンはライフルをシャーロックに返します。

SH:眼鏡、眼鏡。

シャーロックはネイサンの写真を見ます。

SH:ネイサンは眼鏡をかけている。
エヴァンスは300メートルから撃たれた。
この口径だと・・・・・

シャーロックがライフルを構えるとネイサンの場面になります。
ライフルを撃ったネイサンの眼鏡は反動で割れてしまいます。


SH:・・・反動が大きい。

シャーロックは写真のネイサンを指さします。

SH:切れてないし傷跡もない。ネイサンではない、次は?

シャーロックはネイサンの写真を裏返します。

MH:見事だ、Dr.ワトソン。君は役に立つ。
我々は競い合いをさせられているのは気づいているかな?
JW:競争などしないよ。クラッシュするかもしれない飛行機にいる少女を救おうとしているだけだ。
僕たち、今日は軍人にならないと、マイクロフト。軍人だ。
だから僕たちに何があろうと、そんな事はどうでもいいんだ。


MH:君の優先事項には感心するよ。
JW:そんなことない、僕の優先事項のせいで女性が殺されたんだ。


EH:私の認識では、シャーロック、あなたは正確な推理をするために感情を抑えようとする。
あなたがどう推理していくのか見たいから、あなたの推論に合わせた状況にしようと思う。


窓を見ると縛られた3人の男性がロープに吊るされていました。


MH:そんな。
EH:ふたりのガリデブはここの職員なの。だから3人目を連れてくるのも簡単だった。
判決が下ったら教えてね、裁きを下すから。
SH:裁き?
JW:彼らをどうするつもりだ。
EH:すぐに釈放するよ。
SH:海に落とす気だな。
EH:いちかばちかね。
※「Sink or swim.」犯罪の容疑者に重りを付けて泳がせ、沈めばそのまま死なせ、
泳げば悪魔と結託しているとして処刑されたという、昔の野蛮な風習から、だそうです。


JW:縛られてるじゃないか。
EH:その通り。そういう状況なのよ。

シャーロックは再び写真を見ます。


EH:さあ、推理を続けて。
明確な結果を出す思考力への影響に注目しているんだから。
MH:なぜわざわざこんなことをしなけれなならないのだ。
お前のゲームにつきあう気にはなれないと言ったらどうするのだ?妹よ。

ユーロスは笑います。

EH:私には動機がある、覚えてるかな、あなたが動機をあたえたのよ。

ふたたび少女と繋がります。



少女:雲の中を飛んでる。脱脂綿みたい。
SH:なるほど。飛行機の事を教えてくれないか。
少女:どうしてママは起きないの?

ここでまた通信が途絶えます。


続きます。

ユーロスのセリフはかなり間違っていると思います・・・すみません。

何気にガリデブネタですね。
殺し屋エヴァンスが殺されちゃっていますし、ジョン・ガリデブでもないですけど。

Sherlock 4-3 The Final Problem その11

2017-06-24 09:54:47 | Sherlock S4E3
Sherlock Series 4 Episode 3

Director:Benjamin Caron
Writers:Mark Gatiss and Steven Moffat

銃を受け取ったジョンは静かに所長に名前を尋ねます。


JW:名前は?
所長:デイビッド。
JW:本当にいいのか?デイビッド。
所長:もちろんだ。やってくれ。

そこにユーロスが「そろそろよ。」と間に入ります。

JW:わかった。祈るとかやりたいことがあるなら・・・
所長:ユーロス・ホームズが存在するこの世界で私が誰に祈るんだ?
JW:君は良い人だ、勇気ある行動だよ。
所長:君もね。
JW:僕は生涯をかけて自分自身にその言葉を言い聞かせるよ。

ジョンはシャーロックを見ます。
シャーロックはかすかに頷きます。
それを見たジョンが所長に銃を向けると所長が脅えたように目を閉じます。


ジョンがなかなか引き金を引かないでいると所長がちょっと待ってと手で制し、
ジョンに背を向ける形で向きを変えます。

ジョンはもう一度シャーロックを見ます。
シャーロックはじっとその様子を見ています。
マイクロフトは隠れるように目をそらしています。

ジョンが所長の肩に手を置くと所長は驚きますが、
やさしく2、3度肩をたたき、座るよう促します。
所長はその場に跪きます。


脅える所長にジョンがやさしく囁きます。

JW:怖いのはよくわかる。だけど自分に誇りを持っていいんだ。
所長:やってくれ。早く!


ジョンが銃を構えると照明が赤に変わりモリアーティの声が聞こえます。

JM:Tick-tock tick-tock tick-tock tick-tock

EH:その調子、Dr.ワトソン。心電計を取り付けようかしら。

照明が赤に変わるたびにモリアーティが出てきます。

JW:Goodbye, David.

JM:Tick-tock tick-tock tick-tock tick-tock



ジョンは指を引き金にかけますがなかなか引けません。

所長:Please!

しばらく間をおいたあとにジョンがとうとう銃を下ろします。

JW:だめだ。すまない。僕にはできない。

ジョンがシャーロックのいるほうに歩きます。

SH:わかってる。いいよ。



その瞬間、所長はジョンから銃を奪います。

JW:Stop! No, no, stop.
所長:I'm sorry.
SH:It's all right.
所長:I'm so sorry. Remember me.

所長が自分の顎の下で銃を構えます。

SH:NO!
JW:NO!

咄嗟に3人で止めようとしますが、銃弾の音とともに血が流れます。


マイクロフトが壁に向かって咳き込みます。
それを見ていたシャーロックはジョンを見ます。

SH:大丈夫か?

ジョンは黙って頷きます。


EH:面白いわ。
SH:よかったな。君の望みは叶い・・・彼は死んだ。
EH:生死に関わらず・・・・彼はまったく面白みがなかった、けどあなたたち3人は・・・
3人は素晴らしいわ。ありがとう。


EH:あなたのやった事は、Dr.ワトソン・・・
とりわけあなたの道徳的規範のせいで・・・
あなたが自分の手を血で染めたくなかったから、ひとりの代わりに2人が死んだのよ。
JW:2人?


EH:そうよ。ごめん、ちょっと待ってね。

ユーロスは所長の妻のほうに身体を向けると銃で殺してしまいます。



EH:道徳的規範はあなたにどんなメリットがあるの?
結局のところ、他人の命を犠牲にしてまで自分の手を汚さないのは我儘だよね、そう思わない?
JW:彼女を殺す必要などなかったはずだ!

ジョンが叫びます。

EH:彼女を助ける条件はあなたかマイクロフトが彼女の夫を殺す事だったでしょ。
これは実験よ。苦難もあるのよ。シャーロック、銃を拾って。次はあなたの番よ。


EH:私がそれを使えと言った時にね・・・・私は今回の事は忘れないから。
SH:銃は要らないと言ったら?
EH:あら、銃は慈悲のつもりだけど。
SH:誰への?
EH:あなたよ。
SH:どうして?
EH:誰かの死が必要になったとき、素手で殺そうと本気で思ってる?貴重な時間が無駄になるわ。

ユーロスの言葉に互い顔を見合わせる3人。



JW:持っていけばいいよ。

シャーロックは銃を拾い弾丸を確かめ、ユーロスを見ます。

SH:弾丸はひとつだけ残ってる。
EH:ひとつあればいい。それでも必要になるから。


部屋の隠し扉が開きます。

EH:そこを通ってね。まだ多少仕事があるから。
飛行機の少女はすごく怖がってるわよ。

シャーロックはマイクロフトを見ます。

SH:ごちそう?
MH:そうだ。知っていると思うがバイオリンだよ。


SH:見返りか?
MH:彼女は素晴らしく賢いのだ。
SH:あなたはそうではないと思えてきたよ。



その時、照明が赤に変わりモリアーティの声が聞こえます。

「Come on now! All aboard! 」



3人ともその部屋を後にします。

続きます。

とりあえずジョンが手を汚さないで良かったわ。
何度もシャーロックを見るジョンと、じっと見守るシャーロック。
S3E3のマグヌッセンの場面を思い出しますがあの時と違い今回は頼もしいジョンなのであった。

それにしてもどんどん立場がなくなっていくお兄ちゃん・・・・
最後にどんでん返しはあるのか。