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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

NT Live Frankenstein その4

2014-04-20 14:40:46 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」

監督のダニー・ボイルさんとベネディクト。


上映時は日本語字幕がつきましたが、
こうしてスクリプトを読んでいくと実際のセリフがとても長くて、字幕の3倍はありそうな勢いです。
特にクリーチャーのセリフは結論に辿り着くまですごく遠回りしている印象です。
覚えたての書物から引用しているからなのか、知識ばかりが先行してうまく応用できないのか、
そんなイメージの演出からなのかもしれません。
でも字幕は字数の制限上端折らなければいけないから、字幕の翻訳した方たちは大変だろうなー、と。

日本語字幕に関してはこの作品に限らずですけどね。
映画もドラマも実際のセリフよりかなり端折られています。
でもいつも思うのですが、なぜ制限しなければいけないんですかね。
英語字幕はほとんどすべてのセリフを字幕にしているのになぜ日本語だと制限が?うむー。

翻訳といえば、宗教が絡むと翻訳しづらいですよね。
「フランケンシュタイン」もかなり宗教観が織り込まれているのでイマイチ理解が難しいです。

先日、友人と「海外ものは文化と宗教を理解しないと難しい」という話をしたのですが、
例えば、日本語を英語に翻訳するときに、
「Mちゃん、今度の日曜日飲み会するから来てね。」
「いいとも!」(古いですねw)
という会話、これ英語だとふつうに「Ok」とか「Yes」で通じると思いますが、
ここで笑いが起こったとしたら外人は何が面白いの?になりますよね。

でもプロはきちんとアメリカだったらアメリカのジョークに変換して翻訳してるので、
英語から日本語に変換する場合も同様ですが、そこはやっぱりプロは違うなーと。
しかも同時通訳は瞬時にそれをやってのけるんですから、本当にすごいです。

前置きが長くなってしまいました。
続きです。


お父さんが部屋から去ったあとにエリザベスがやってきます。
「お父さんに聞いたわ。なぜ?ヴィクター、なぜイギリスに行かなければいけないの?」
エリザベスにヴィクターは電子科学の最前線だとか研究のためだとか最もらしいことを言います。
そんなヴィクターに「私も一緒に行く」とエリザベス。
一緒に来ても退屈だよとヴィクターは言いますが、
「あなたと一緒にいたいのよ。私はずっとここスイスで世界がまわるのを見ていただけ。
あなたとパリやローマに行っていろいろなものを見たいわ。
そしてあなたと研究の事や世界の事、音楽や政治の話もしたいわ。」とエリザベス。
「僕は音楽や政治に興味ない。」ヴィクターの言葉に、
「あなた、あまり私に興味がないのね。」とエリザベス。
そして「ヴィクター、何か隠している事があるんじゃないの?」と言います。
否定するヴィクター。
「だけど何かがあなたの心の中にあるわ。私にはそれが何なのかわかるの。何があなたの頭を占めているか。」
エリザベスの言葉に驚くヴィクター。

「あなたはかなり多くの事をほのめかしてたわ。」
「僕が何を?」
「他に誰かがいるのね。ドイツの女性かしら。ヴィクター、誰かと恋愛をしているの?」
「いや、違うよ!誰ともしていないよ。」
「だけどあなたは絶えず何かに気をとられている。まるで誰かに思慕しているようだわ。」
「いや、君だよ、エリザベス。いつも君の事だけだ。」
「ヴィクター、私は寂しいのよ。あなたは私のそばにいないんですもの。」
「すまない。だがひとりで行かなければならないんだ。」
「ヴィクター、愛って何だと思う?」
「6ヶ月で戻るから。」
「答えになってないわ。」
「ああ、それは計測できないだろう?つまり、何を計測する?キスの数?」
「どんなものも測ることはできないわ。あなた自身を投げ入れて溺れないと。
ヴィクター、私は子供が欲しいの。あなたは?」
「ああ、もちろん。」
「私に子供をくれる?」
「God willing.」
「私、待つわ。」
「すぐに終わらせよう。これを誰かに教えることができれば。」
「私に教えて。」
「いや、誰にも言えないんだ。あなたに話したいけどダメなんだ。」
「それじゃ、キスして。」
そう言ってエリザベスはヴィクターにキスをし抱擁します。
「どうやって私に子供を与えてくれるのか、見せてちょうだい。私に触れて、私を感じて!」
エリザベスはヴィクターの手を取り自分の身体に触らせます。
「どうしても行かなければいけないの?」
「僕もここにいたい。だがそれはできないんだ。」
「それじゃ、行ってあなたの仕事をしてきて。良い仕事をしてそして終わったら私の元に帰って来てね。」


場面はオークニー諸島の朽ちかけた建物に変わります。
嵐の中、ヴィクターとヴィクターの荷物を持つイワンと甥のラブが建物の中に入ります。
部屋の中には椅子とテーブル、そして中央には冒頭でも出てきた円形状のゴムチューブがあります。
ヴィクターはここでクリーチャーを作ります。
イワンが荷物を行くとヴィクターは3か月分の家賃を渡し、さらに仕事を持ち掛けます。
「医療の研究のために人体が必要なんだ。」
ラブは反対しますがイワンは請け負います。
最近若い女性が溺死したという話を聞き、ヴィクターはその女性の死体を運ぶよう依頼します。

嵐の夜、イワントラブはヴィクターの元に死体を運び込みます。
その際、ヴィクターは新鮮な内臓も必要だからしばらくの間調達してくれるよう指示します。

その様子を見ていたクリーチャー。
「あれが俺の前身?」
「俺は夜中に湿地の中から盗み出された犬の餌から作られたのか?
俺でさえも吐き気がする。この汚物から美しいものを作るのか?死臭の漂う彼女ほ欲することができるのか?
知識が欲しかった。だが知れば知るほどわからなくなる。自分が愚かに思える。
何の疑問も持たず何の知識も持たず森の中で叫んでいる方が良かった。」


そして数か月後、女性のクリーチャーの完成が近づきます。
イワンが内臓が入った大きな黒い袋を持ってドアをノックしたので、
ヴィクターはいったんクリーチャーをチューブの中に隠します。

袋を床に置くイワン。
「ありがとう、イワン。これが最後だ。ずいぶん助かったよ。」
「ではもう帰るんですね。旦那、顔色がすぐれないですけど。」
「疲れているだけだ。だがもうすぐ完成する。私は超越したと言えよう。」
「わしも嬉しいです。これで病気がなくなりますね。」

イワンはお金を受け取り帰っていきます。
ヴィクターはそのまま椅子に座るとテーブルに突っ伏して目を閉じます。
すると突然黒い袋が動き出し中からウィリアムが出てきました。
「ウィリアム。」
「ねえ、それどうやるの?」
「もう遅いから寝なさい。」
「どうやって死んでる人を生き返らせたの?簡単なの?」
「難しいさ。これは奇跡だよ。」
「秘密を教えてよ。いつから始めたの?」
「学生の時からだ。」
「学校で教わるの?」
「学校など退屈だった。私はなぜ生命が存在するのか知りたかった。
不合理な神ではなく、存在の法則だ。それで私は禁断書を読み始めた。
アグリッパ(Agrippa von Nettesheim カバラの研究者です)やパラケルスス(Paracelsus 錬金術師です)だ。
「錬金術師!」
「そうだ。彼らは皆、真の科学者だ。彼らは星図を描き星を追いかけ、我々が呼吸する大気や
循環する血液を分類した。全ての現代医学の源だ。
私は彼女の難解な神秘を暴くために本質を理解ようとした。綿密に計算をしガルバーニ電流で実験を・・・」
「何?それ。」
「塩素電池から電流を流し、死体の筋肉にけいれんを起させるんだ。」
「すごい!」
「亜鉛板が塩化アンモニウム液とオゴノリで・・・」
「スリリングだね!」
「そして私はビスマスとアンチモニーの電流アークを見て生命の原理の答えを見つけたんだ。」
「神様がもたらしたんだね。」
「そうだ。だが神の領域なのか?」
「わからない。」
「人間は神になりえないのか?」
「わからないよ!」
「私は生命の源を探るため死から始めなければならないと考えた。
私は腐敗のプロセスを調べるために墓地に行き、解剖を行った。臨床実験だ。
死体が土の中で腐るのを見たよ。虫が目玉を食うんだ。」
「ウェー!」

上段、ベネ博士。下段JLM博士。

「私は遺体安置所に行って生命から死に変化する、生気が消滅する瞬間の特異性を観察した。
創造力に熱中していたらふと命の根本的要因を特定し、それを複製することができたんだ。」
「何?それ。」
「お前にそれを教えることはできない、ウィリアム、お前はまだ子供だ。」
「それをどうするつもりなの?」
「わからない。私は誰も行けないところに辿りついた。この先どこまで行けるか。
私は人間を創造できるんだ、ウィリアム、実物そっくりの人間だ。
私を見ろ!私は神の息吹で息を吹きかえらせるんだ。」
「それで、繁殖するの?」
「何?」
「女の人だから子宮があるの?子供が産める?
出産のサイクルは速いのかな?どのくらい産まれる?50?100?1000?」
「ウィリアム?」
「そしてその子供がまた子供を産んだとしたら、そいつらはあなたの命令をきくのかな?」
「お前は何を言っている?」
「あなたはキングだけどちゃんとあなたの言う事をきくの?僕を殺したのに?」

「フランケンシュタイン!」
突然クリーチャーが現れ、ウィリアムは消えます。


ヴィクターのセリフがマニアックすぎて意味不明です(涙)
多分あちこち間違ってますのでさらーっと流してください。すみません。
感想含めてあと2回くらいです。

NT Live Frankenstein その3

2014-04-18 22:04:24 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」


引き続き、ヴィクターとクリーチャーの会話です。
長いなあと思いつつ、でも彼らはそれを台本も見ずに舞台の上で演技するのですから、
舞台役者って本当にすごいなーとひたすら感心してしまいます。

このあたりの場面は公式トレーラーや画像などがかなり出回っているので、
粗いですがやや多めに貼れました。
普段、画像を貼りまくってるだけに今回の記事はすごく殺風景だなっと思ってしまいます。




クリーチャーも生きてるんだ、人間なんだという彼に対しヴィクターが言います。
「汚れたクズじゃないか。私はお前の主人なんだから敬意を払うんだ。」
「俺は奴隷じゃない、俺には自由がある。マスターには義務がある。俺を置き去りにした。
もし俺の希望を拒否するなら俺はあなたの敵になる。あなたを破滅させる。あなたの心が壊れるまで手を休めない。」
そう言うと激情にかられるようにクリーチャーは博士に近づくと首をしめようとします。

左JLM博士Ver 右ベネ博士Ver

しかしクリーチャーは動きをとめ博士から遠ざかるとすぐに謝罪をします。
「謝る。俺はちゃんとあなたと話をするつもりだ。過度なお願いはしていないだろう?
俺はすごく醜いからあなたが女性を作ってくれ。もし承諾してくれたら俺は永遠に姿を消す。
南米に行ってそこで俺たちの小さなパラダイスを作る。2度と人間の目には触れない。」と言います。
「驚いたな。短期間ですごく学んでる。」とヴィクターに「誇らしいか?」とクリーチャー。
「誇らしい?違う。」
「なぜだ?」
「お前の理論には不備があるからだ。お前は外国に行き姿を消すと言う。
なのに社会的に受け入れられたいと切望している。国外追放に飽きたら戻らないとも限らない。
そしてもう一度人々の中で暮らしてまた彼らに憎悪されたら?
お前らふたりで暴れたら破壊力も2倍だ。なぜ私がそれを手助けしなければならないんだ。」
「なぜなら俺は孤独だからだ!全ての生き物には伴侶がいてすべての空には鳥がいる。
あなたでさえも結婚するのに。なぜ俺には与えられないんだ。
さっきは俺の知性に驚いたのに今、あなたの心は頑なだ。ひどく腹立たしいだろうけど、俺は愛したいだけなんだ。」
「愛だと?」
「そうだ。」
「お前に愛があたえられると?」
「そうだ。」
「お前が?」
「Good man はそれにふさわしい。」
「お前がGood man?」
「そうなりたい。」
「私は予測できなかった。」
「俺に感情があるかもしれないと?」
「お前は難問だった。定理だ。認めよう。解決すべき難問だ。だがもしお前に感情があって、立ち去るなら。」
「フランケンシュタイン、もし俺に仲間を与えてくれるなら、俺はヨーロッパから永遠に姿を消すよ。
もう殺すこともしないし、俺は立ち去る。」

左ベネクリーチャー 右JLMクリーチャー

ここでヴィクターは考えます。
そして、
「穏やかに暮らすと誓うか?」とヴィクターに、
「Yes!俺を信じてくれ。」と即答のクリーチャー。
「永遠にここを去り2度と戻らないと誓え。絶対にだ。」
「青空に、白い雪に、俺の心で燃え上がる愛の炎に俺は誓う。もし俺の願いを聞き入れてくれるなら、
あなたは俺の姿を見ることはないだろう、この世界が回転している限り。」
「世界が回転してるって知ってるのか?」
「もちろん。」

「これはかなり困難な作業だ。」
「唯一あなただけができる事だ。あなただけが持っている技術だ。」
「世界中で私だけだしその秘密は誰とも共有しない。見ろ。(山を指して)彼らを見たか?
平凡な人生を生きる平凡な人間たちだ。」
「小さな家!小さな男たち!」(と、興奮するクリーチャー)
「私は違う。」
「あなたはキングだ。科学の王だ。俺に女性を作ってくれ。花嫁を。」
「美しい花嫁にしよう。きれいな瞳と輝くような髪にしなくては。醜くてはだめだ。美しくなくては。」
「Oh Yes!」
「間違いは繰り返さない。前に進むだけだ。」
「もう一度魔法を、マスター。お願いです。」
「女性か・・・私は今まで考えたことがなかったが、違いは何だ?気性か?ユーモア?スキル?」
「知らない。」
「女性は何が得意なんだろう。」
「知らないよ!」

上段、JLM博士 下段、ベネ博士。そういえばベネ博士はしょっちゅうこうやって汗を拭っていました。

ヴィクターは更に独り言のように話し続けます。
「My God.何という挑戦だろう。もし私が汚れのない美しい作品を作ることができたら?
悪魔ではなく、女神だ。」
「女神か。」
「そうだ!もし彼女が見分けのつかないくらい完璧だったら・・・
私は地獄に堕ちるかもしれないがそれでも試みよう。」
「俺の頼みをきいてくれるのか?」
「お前の要求に応えよう。その後で約束通りお前が我々のもとから立ち去るならな。」
「もちろん、あなたが約束を守ったら立ち去るよ。」
そしてヴィクターはクリーチャーに手を差し出します。
「それは何だ?」とクリーチャーに「握手だ。」とヴィクター。
「握手?」
「契約成立のしるしだ。私の手をとりなさい。」

上段、ベネ博士。下段、JLM博士。

クリーチャーはためらいがちにヴィクターの手を取るとヴィクターの身体ごと引き寄せてから握手をします。

「ありがとう!これで夢がかなうよ!家に帰ってすぐに始めてくれ。」
「家で?家でなんかできない。」
「なぜだ?家に何かあるのか?」
「私の父の家でか?だめだ!」
「なら、できるところに行ってくれ。だが俺は見てるからな。」
クリーチャーはそう言うと消えていきます。

場面はフランケンシュタイン家に変わります。

メイドのクラリスがお父さんに届いた弔辞の手紙を渡します。
その時、ヴィクターが部屋にやってきてクラリスを部屋から出します。
「お父さん、これから長い旅に出ます。今日出発します。」
「今日?だがウィリアムはどうするんだ。」
「ウィリアムは来れないですから。イギリスに行かなければ行けなんです。それじゃ。」
突然そんな事を言われて驚くお父さん。研究のために行くと言われても納得しません。
「僕はわかってもらおうと思いません。だけど・・・」ヴィクターの言葉を遮るように、
「理解することはできんし重要な研究も信じられん。」と嘆きます。

結婚式はどうするんだというお父さんに、
「延期します、6年待たせたんです、それが少し延びたからと言って問題はないでしょう」とヴィクター。
「嘆かわしい事だ、お前の母さんが死んだとき・・」
「お母さんを巻き込まないでください!」
ヴィクターの言葉にかまわず話を続けるお父さん。
「エリザベスとの幸せな結婚が妻の最後の望みだったのに。
お前は子供の時は屈託がなく陽だまりのようで私たちは楽しい日々を過ごした。
お前は立派にあると信じていたしそれが私の誇りだった。
気がつけば、お前は不機嫌で憂鬱で私の権力を軽蔑し我々が生きるための法を尊重しない。
お前は私を失望させる。お前が行くと言うのなら私には止められない。
だが、エリザベスにはお前から言いなさい。」そしてエリザベスを呼びにやり、
「私の記憶にある子供はどこに行ってしまったんだ。目を輝かせながらよく笑っていた。
彼はどこにいるんだ、ヴィクター。」
そう言ってお父さんは部屋から出ていきます。

続きます。

NT Live Frankenstein その2

2014-04-16 00:22:30 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」


前半はひとり取り残されたクリーチャーが自然や人間と関わりながら学んでいきます。
とりわけ、デ・レイシーと出会い書物を通じて得た様々な知識はクリーチャーにとって重要な部分でした。
そして、愛や憎しみ、怒りも学ぶことになりました。

舞台はジュネーブに移ります。
自分を作ったフランケンシュタインを探す「父をたずねて三千里」なわけですが、
感想は書けるもののあらすじを書くには私の記憶力がショボすぎました。
それでもその1は何とかまとめましたがクリーチャーとフランケンシュタインの会話は、
重要な部分もあってあまり曖昧にはしたくないと思っていたら結局部分的ですがスクリプトを翻訳する羽目に(笑)
そんなわけでもうお気づきかと思いますが、前回「2つに分けた」と書きましたが2つでは終わらないです。
まとめるの下手で本当にすみません(涙)



湖のほとりでヴィクターの婚約者、エリザベスとメイドのクラリス、ビクターの弟ウィリアムや子供たちが
かくれんぼ(だと思います)して遊んでいます。
目隠しをしたウィリアムが数を数え終え、目隠しを取った瞬間、背後からクリーチャーが話しかけます。
ウィリアムは驚いて振り向こうとしますが「振り向かないで」と言われ素直に従います。
「ここはどこ?」クリーチャーの質問に「ジュネーブだよ」と答えるウィリアム。
「長い道のりで夜通し歩いてきたんだ。小川で魚釣ったりして。魚釣りする?」とクリーチャーに、
「するよ。」とウィリアム。
「僕が誰だか当ててごらんよ。」
「僕の家族の友達?」
「そうなんだ。」
「じゃあ、あなたも裁判官?それとも大臣?」
「裁判官だよ。」
そんな会話をしながらクリーチャーは、友達になろうよ、遊びに行こうよとウィリアムを誘ったりします。
そして「フランケンシュタインを知ってる?」と聞くとウィリアムは「それ僕の名前だよ」と答えます。
ウィリアムはヴィクター・フランケンシュタインの弟でした。
クリーチャーは「会わせてほしい」とウィリアムに言いますが、
「お兄さんはずっと部屋にこもっているから会えないよ。」と言われます。
ここでクリーチャーはヴィクターが天才の学者で、エリザベスという婚約者がいる事も知ります。
そして最終的にはウィリアムを連れ去ってしまいます。

夜になり必死に捜索する父親やエリザベス。
そしてここでヴィクター・フランケンシュタインも登場します。
一緒に探そうとするヴィクターにお前は家に帰りなさいと言われますが、
「ウィリアムは私の弟ですから一緒に探します。」とヴィクター。
父と息子はあまりうまくいっていない様子です。

その時、ウィリアムの帽子が見つかります。そして「怪物」を目撃したとの情報が入ります。
「怪物とはどういう事なんだ」と考え込むヴィクターにエリザベスが話しかけます。
「あなたはいつも部屋にいて全然会えないのね。」
「なぜ会う必要があるんだ」
「だって私たち結婚するのよ。」
「ああ、そうか。」
研究しか興味のない感じのヴィクターでした。

その時、ウィリアムを乗せたボートが岸にたどり着きますがウィリアムは既に死んでいました。
そしてウィリアムの手には破られたヴィクターの日記が数枚握られているのをヴィクターが発見します。
父親は嘆き悲しみ「息子のために鐘をならしてくれ。」と言いウィリアムを連れて帰宅します。

場面はモンブラン山に移ります。
ヴィクターが叫びます。「お前はここにいるのか?姿を見せろ!」
その声に応えるかのようにクリーチャーが飛び降りてきます。
その姿に驚くヴィクター。
「素晴らしい、完璧な筋肉、その手や瞳。信じられない、バランスも完璧だ。」
「あなたは俺を見捨てた。」クリーチャーが言うと「喋った!」と更に驚くヴィクター。
「そうだよ、フランケンシュタイン。」
「私の名前を知っているのか?」
ヴィクターが言うとクリーチャーは日記を見せます。
「私の日記だ!」
「なんで俺を見捨てたんだ。」
「自分のしたことが恐ろしかったんだ。」
「あなたはひとりの男を作って彼に生を与えたんだ。」
「そうだ。そしてまた取り戻しにきたんだよ。お前を殺しにきたんだ。」
「俺を殺すのか?ならなぜ俺を作ったんだ。」
「私の実験を証明したかったんだ。お前は私の世紀の実験だった。だがこの実験は間違っていた。
だから消滅させなければいけない。」
そう言いながらクリーチャーの隙をついてナイフを持って飛びかかりますが、
難なくかわされ、逆に羽交い絞めにされてしまいます。

「動かないでくれ。天才のあなたに頼みがあるんだ。聞いてくれ、それがあなたの義務だ。」
「人殺しに対する義務などない。」
「俺が人殺しだとしてもそれを作ったのはあなただ。」
「お前は私の弟を殺した。私じゃない、お前がやったんだ。私はお前が生まれたその日を呪う。
それ以来私は暗闇の中で暮らしてきたんだ。」
ヴィクターの言葉にクリーチャ-は失楽園の一節を唱えます。
「Is this the Region, this the Soil, the Clime, Said then the lost Arch-Angel,
this the seat That we must change for Heav'n, this mournful gloom For that celestial light?」
「失楽園を読んだのか?」
「これは好きだ。」
「なぜ?自分がアダムだと?」
「神はアダムを誇っていたがおれは悪魔に共感した。俺は悪魔と同じように追放されたからだ。」
「すごいな。お前は知識があるのか。記憶力も。」
「そうだ。ねずみのように追われ人間から逃げるために森に避難したことも覚えている。
俺は良い人間になりたかった。」
「なぜウィリアムを殺したんだ。」
「あなたに会いたかったからだ。そしてあなたは来た。」
それからクリーチャーは盲目のデ・レイシーと会い1年間一緒にいた事、
そして彼の息子や美しい妻と会わせようとした事を話します。
「何があったんだ?」とヴィクター。
「何があったかわかるだろう?」
「Oh, God!」
「みんな燃えてしまった。」
「良心の呵責はないのか?」
「良心の呵責?村を歩けば子供たちが石を投げてくる。食べるものが欲しいと言えば彼らは犬をくれようとする。
良心の呵責があると思うか?」
「すまない、私は・・・」
「すまない?これはあなたが引き起こしたんだ。これはあなたの世界だ!」
クリーチャーにそう言われ黙ってしまうヴィクター。
そしてクリーチャーはパートナーが欲しいと言います。
人間は自分と一緒にいてくれないから、ヴィクタ-に女性を作ってほしいとお願いします。
「怪物をもうひとり作るなんてできない」ヴィクターは拒みますが、
「俺には権利がある」とクリーチャー。
「お前に権利はない。お前は奴隷なんだ。それにお前とその女性が一緒になったら危険だろう。
そんな生き地獄のような事は承諾できない。」
「あなたを苦しる事はしない。ちゃんと説得する。話し合いをしよう。」
「人殺しと話し合いなどしない」
「あなただって俺を殺そうとした。なぜあなたのは正しくて俺のはだめなんだ?」
「私はお前とは議論しない。」冷たく言い放つヴィクターにクリーチャーは言います。
「クリーチャーだって生きているんだ。」


このあたりでひとまずUPします。
いつもの事ですが、本当にいつもの事ですが・・・気が付けば会話形式に(泣)

NT Live Frankenstein その1

2014-04-13 23:20:42 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」

スクリーニングの上映に行ってきました。
結局、ベネ博士とベネクリーチャー各2回、計4回行きました。
そのうち2回は追加上映分で、新しくできたTOHO日本橋だったのですが、
スクリーンが大きくてすごく迫力ありました。新しいだけありますね。
前回は六本木ヒルズだったのですが、ぶっちゃけ六本木って映画観る街じゃないですよね(笑)

と、いうわけであらすじと感想です。
何だかんだと長くなってしまったので2つに分けています。

NTさんは絶対にDVDにはしないと断言しているのでつい4回も観るはめになり、
ブログに書こうと思っていたので2回めは必死に映像を記憶したのですが・・・
私にもマインドパレスの機能が備わっていれば良かったのに(涙)
なのでとにかく私の記憶を頼りに書いています。しかも画像もほぼ公式サイトで出しているものしかありません。
わかりづらい部分も多々ありますがご容赦を。。。

本編が始まる前にNTの紹介やリハーサル風景と監督のダニー・ボイルさんと執筆したニック・ディアさんの解説、
そしてJLMとベネディクトのインタビューがありました。

余談ですが、英国って「Theatre」って書くんですね。
他にも英米でスペルが違うのって結構あるので、アメリカ英語で育っているとこのあたりも難しいなと思うところです。

Victor Frankenstein/Creature:Jonny Lee Miller and Benedict Cumberbatch

舞台ではヴィクター・フランケンシュタインとクリーチャーをJLMさんとベネディクトが交互に演じています。
なので上映もベネ博士Ver とベネクリーチャーVer を1週間ずつ行われていました。
この時は別々の友人と観に行ったのですが、ダブルキャストだと知ると別バージョンも観たくなるのが人情でして、
両友人とも「観たい」と言っていたところに追加上映の情報が入ったので、
友人たちもめでたく両バージョン観る事ができました。

それにしても博士やクリーチャーがJLMとベネディクトではまったく違うんです。
違うどころか同じストーリーのはずなのに結末まで違うような印象で興味深いですね。

フランケンシュタインはメアリー・シェリーさんが19歳の時に執筆した小説です。19歳だなんてすごいです。
原作では、北極海にいたところを北極探検隊に救助されたヴィクター・フランケンシュタインが、
隊長のロバートに生命の神秘の謎を究明すべくドイツで死体を繋ぎ合わせクリーチャーを作った事を話します。

そして舞台ではクリーチャーの誕生から始まります。

円形状の中から転がるように飛び出してきてクリーチャーの誕生となります。
この冒頭部分はセリフらしいものは無く、生まれたばかりのクリーチャーが
赤ちゃんのように思うように動かせない手足を必死に動かしながら次第に立ち上がるという場面です。

主役おふたりとも本当によく研究しているなーと感心するほど動きがリアルです。
人間の腕や指って曲げるよりも伸ばす時は相当に筋力が必要なんです。
リハビリ施設でリハビリをする方たちを見ながら研究したと話していたので
クリーチャーの動きも、手首や指が中盤すぎまで曲がったままだったのを見るとなるほどなーと思います。

必死に動かした後疲れ果てて眠るようにうずくまっているところに、
ヴィクター・フランケンシュタイン博士が入ってきます。
「また失敗か」とでも言うように運び出そうとした瞬間動き出すクリーチャーに驚き、
自身のコートを被せると足早に逃げていきます。
そうしてヴィクターはそのまま生家のあるスイスまで逃亡しました。

ひとり残されたクリーチャーは外に出ます。
その醜さに人々から石を投げられ乱暴されながらも、人間や自然から様々な事を学んでいきます。

場面はある1軒の家に変わります。
その家にはデ・レイシーという盲目の老人と息子フェリックス、その妻アガサが住んでいました。
戦争で仕事をなくし息子夫婦は生きるために畑を耕すべく毎日奮闘していました。

ある日クリーチャーがその家に侵入しますが、夫婦は畑に行っていたためデ・レイシーしかいませんでした。
盲目のデ・レイシーは臆する事無くクリーチャーと交流を持ちはじめます。
そして大学教授だったので書物を読ませては言葉を教えます。
クリーチャーもまた影ながら畑を耕す息子夫婦に薪をわったりウサギを差し入れしたりします。

「原罪」を読み聞かせる場面の会話の中でクリーチャーは自分がみんなから嫌われると言います。
誰から嫌われるんだ?と聞かれ「男、女、子供、犬」と答え、醜いから嫌われると。
「アガサも嫌うんだ。あの美人の奥さん。」とクリーチャーが言うので、
「息子夫婦や優しいから嫌わないよ。ちゃんと紹介しよう。」とデ・レイシーが言いますが、
「嫌うから会わない」と頑なに拒みます。

ある時、「都市にはたくさんの人が住んでいるのになぜあんたはこんな所に住んでいるのか」と
クリーチャーに聞かれ「貧乏だから」と答えるデ・レイシー。
「僕も貧乏?」
「そうだよ。でも君はとても良い男だ。だからきっと誰かが君を愛するよ。」
デ・レイシーの言葉に「愛って何だ?」と聞くクリーチャー。

デ・レイシーとクリーチャーの交流はとてもステキで、ずっとこれが続いていたらもしかしたら
クリーチャーは良い青年になっていたかもしれないですね。そんな風に感じる場面でした。

またある日クリーチャーはコートのポケットに入っていた日記を読みます。
それはヴィクターの日記でした。そこでクリーチャーはヴィクターがジュネーブにいることを知ります。

1年が過ぎた頃、ちょうど息子夫婦が帰ってきたのでデ・レイシーはクリーチャーに会わせようとします。
嫌われるから嫌だと拒否しますが、そんな事は無いから、自分を信じてくれと言います。
息子夫婦に紹介するとクリーチャーは礼儀正しく挨拶をしますが、
怯えた夫婦はクリーチャーを暴行し追い出してしまいます。
そして裏切られたと感じたクリーチャー。
「ローマの英雄だったらどうする?復讐するんだ。」
クリーチャーはデ・レーシーと息子夫婦の住む家に火を放ち焼き殺してしまいます。

そうして舞台はスイスに移ります。

続きます。