豊田有恒さんによる述懐の一冊...さすが読みやすい筆致で、引き込まれて一気に読んでしまいました(^_^)
帯のカラーイラストも松本零士さんによるもので、凄く印象的です。
豊田有恒さんの名前は小学生のときにワクワクしながら読みあさったSFジュブナイル小説で知り、「時間砲計画」とか「少年エスパー戦隊」あたりはタイトル見ただけで懐かしさが込み上げてきます(*^o^*)
「宇宙戦艦ヤマト」といえば一番先に思い浮かぶのが松本零士さんですが、
もちろん豊田さんも参加されているのは当初から認識していました。
小説版でも「原案」としてクレジットされていましたし、曖昧なイメージながらもメインで関わっている人なんだろうと。
それが今回の本でかなり浮き彫りにされて、あぁなるほど!と膝を打つこと頻りで、思った以上に豊田さんの構築した世界だったんだなぁと納得した次第です。
ヤマトブームの絶頂期だった1975(昭和50)年に出版された全記録集・全三巻。
ここに豊田さんが中心になってまとめたのであろう企画書が掲載されています。
これは西崎義展さんから「ハインラインの『地球脱出』みたいなSFをやりたい」と依頼をうけ、当時社会的な反響を巻き起こした「日本沈没」や、人類滅亡のキーワード、そしてストーリーのベースに「西遊記」を仕込んで、まとめあげた「アステロイド・シップ計画」。
これを土台にして、松本さんがビジュアルイメージを構築し、アレンジを加えていき、「宇宙戦艦ヤマト」として出来上がっていく経緯が豊田さんの視点で語られます。
毀誉褒貶の絶えない西崎さんですが、それでも最初は真摯に対応していたが、大きな収入源としての旨味に固執し、無理な続編を打ち立て、ウンザリしながらも付き合うも、次第に嫌気がさし、最後には「乞食にするつもりか」との言葉で袂を分かつ...単なる1ファンに過ぎなかった私でもそんな空気感は伝わってきてましたし、やっぱりそうだったか...の連続でした。
同作の著作権を巡る訴訟に敗れた松本さんに対し、それでも「おおよその原作者」としてリスペクトを捧げる豊田さんの姿勢にも感銘を受けた次第です。
2199の時、出淵裕さんが豊田さんを通じて、どうしても松本さんに挨拶したいというエピソード...リメイク作を楽しみながらも、松本さんはどう思っているのか気になってましたが、本書を読んで溜飲が下がりました。
豊田さんの主観的なもので、感情的な嫌いはあるものの、アニメ史に遺るエポックメーキングな大作がどんな内幕で進められていったのか、後世に伝えるべき大きな意義ある一冊だと思います。
帯のカラーイラストも松本零士さんによるもので、凄く印象的です。
豊田有恒さんの名前は小学生のときにワクワクしながら読みあさったSFジュブナイル小説で知り、「時間砲計画」とか「少年エスパー戦隊」あたりはタイトル見ただけで懐かしさが込み上げてきます(*^o^*)
「宇宙戦艦ヤマト」といえば一番先に思い浮かぶのが松本零士さんですが、
もちろん豊田さんも参加されているのは当初から認識していました。
小説版でも「原案」としてクレジットされていましたし、曖昧なイメージながらもメインで関わっている人なんだろうと。
それが今回の本でかなり浮き彫りにされて、あぁなるほど!と膝を打つこと頻りで、思った以上に豊田さんの構築した世界だったんだなぁと納得した次第です。
ヤマトブームの絶頂期だった1975(昭和50)年に出版された全記録集・全三巻。
ここに豊田さんが中心になってまとめたのであろう企画書が掲載されています。
これは西崎義展さんから「ハインラインの『地球脱出』みたいなSFをやりたい」と依頼をうけ、当時社会的な反響を巻き起こした「日本沈没」や、人類滅亡のキーワード、そしてストーリーのベースに「西遊記」を仕込んで、まとめあげた「アステロイド・シップ計画」。
これを土台にして、松本さんがビジュアルイメージを構築し、アレンジを加えていき、「宇宙戦艦ヤマト」として出来上がっていく経緯が豊田さんの視点で語られます。
毀誉褒貶の絶えない西崎さんですが、それでも最初は真摯に対応していたが、大きな収入源としての旨味に固執し、無理な続編を打ち立て、ウンザリしながらも付き合うも、次第に嫌気がさし、最後には「乞食にするつもりか」との言葉で袂を分かつ...単なる1ファンに過ぎなかった私でもそんな空気感は伝わってきてましたし、やっぱりそうだったか...の連続でした。
同作の著作権を巡る訴訟に敗れた松本さんに対し、それでも「おおよその原作者」としてリスペクトを捧げる豊田さんの姿勢にも感銘を受けた次第です。
2199の時、出淵裕さんが豊田さんを通じて、どうしても松本さんに挨拶したいというエピソード...リメイク作を楽しみながらも、松本さんはどう思っているのか気になってましたが、本書を読んで溜飲が下がりました。
豊田さんの主観的なもので、感情的な嫌いはあるものの、アニメ史に遺るエポックメーキングな大作がどんな内幕で進められていったのか、後世に伝えるべき大きな意義ある一冊だと思います。